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第六話 ガーベラ
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「うう・・・、ここは? ぐっ、私はどうなったんだ?」
グレイストはベッドから体を起こした。眠っていたベッドはとても清潔で石鹸の匂いが部屋に漂った。
「綺麗な部屋だ。まるで私の自室のような」
グレイストは起こした体を回して辺りを見渡した。
レイシスト城にある、自分の部屋と見間違うほど美しく綺麗な部屋で自分が寝ているベッドも天幕のあるベッドだ。
「確か、フェオールの剣が腹に・・・、傷がない!?」
確かに自分に突き刺さった剣を見ているグレイスト。傷がない事に驚愕する。
「起きたのね」
グレイストが傷を確認していると、美しい黒髪の女性が部屋に入ってきた。長い黒髪を一つに結った女性はお盆にティーカップとケーキを載せている。
「グレイスト様、一緒に紅茶は如何ですか?」
ティーカップは紅茶だったみたい。甘い匂いがグレイストのお鼻をくすぐって、彼は気持ちよさそうに目を瞑った。
「いい匂いだ。いいのかな?」
「ふふ、ええ、その為に持ってきたのですから」
クスッと笑った女性、グレイストはその笑みに目を奪われた。
女性の目は青くきらめいていた、とても綺麗な目でまるで宝石のよう。
二人は向かい合わせで椅子に座った。女性はティーカップに紅茶を注ぐ、その仕草も綺麗でグレイストは女性から目が離せずにいた。
「ふふ、そんなに見つめられたら紅茶が零れてしまいます」
「あっ、すいません」
グレイストは女性をずっと見つめていた事を笑われて、誤魔化すように紅茶を一口、口に入れる。顔はまるでリンゴのように真っ赤っか。
「あの・・あなたの名前は?」
グレイストは顔を真っ赤にして、俯いていた。彼はしばらく、恥ずかしさで口を開くことが出来なかった。それでも女性の名前を知りたかった彼は勇気を出して口を開いた。
「私? 私はガーベラよ」
女性は笑顔で名前を言った。ガーベラと名乗った女性は紅茶を優雅に一口すすった。
「ガーベラさん。とても綺麗な名だ」
「ふふ、ありがとうグレイスト様」
二人はしばらく、雑談を交わす。昨日は寒かったですね、明日は晴れるんでしょうか? といったとても普通な内容。それでもグレイストはとても嬉しそうに話した。とても有意義な時間だ。
「それで父上はこういったんです。「王は王でも私は横柄な王だ」って」
「ふふ、お父様にも会ってみたいですね」
「はは、会わせてあげたいです」
他愛のない話をガーベラは興味深げに聞き入って笑顔を見せる。そんなガーベラを見てグレイストは子供のようにはしゃいだ。可愛らしい子供のような彼を見てガーベラは微笑んだ。
「ぜひ、レイシスト王国に来てください。いや、今から行きましょう。帰る予定だったので」
「そうなんですね。でも、ダメ。私は王族ではないもの」
町長のチャーチルとの話を聞いていたかのような返答にグレイストは少し首を傾げた。しかし、グレイストはガーベラに惚れてしまった、そんな事、些細な事、グレイストはすぐにでもレイシスト王にガーベラを紹介したいと思っている。
「王族とかそんな事は関係ないです。私はあなたに惚れてしまった。それで十分なんです」
グレイストは熱心にガーベラにプロポーズ。彼の顔はまた赤くなってしまっているが目は真剣そのもの。ガーベラは彼の言葉を聞いて、俯く。
「グレイスト様。ここはあの世とこの世の間の世界。あなたは死の淵に立っているのです」
「えっ!」
グレイストは思わぬ返答に唖然とした。まさか、自分が死にそうになっているから結婚は出来ないと言われるとは思ってもいなかった。
「まさか、そんな断られ方をするとは・・・嘘で断らなくても」
「嘘ではありませんよ。何とか助けようとしたんですが、少し間に合わなかったようでここまで来てしまったの。ごめんね」
ガーベラは謝った。別に自分のせいでもないのに謝る姿にグレイストは更に熱を帯びた。
「ガーベラさん。私はこの後、死んでしまうのでしょうか?」
「それはあなた次第よ。毒がまだ、体にあるの、何とか傷は回復したんだけど・・」
口に指を添えて話すガーベラ。グレイストはそんな彼女から目が離せなかった。
「私は生き返ってあなたと添い遂げる!」
「グレイスト様!?」
グレイストは我慢できずにガーベラを抱き上げてお姫様抱っこ、ガーベラは驚いて視線を泳がせる。
「私は生き返る。生き返ったらガーベラさん。私と結婚してください!」
グレイストは再度、ガーベラに告白を告げる。ガーベラは顔を真っ赤にして、グレイストから視線を逸らした。
「やっとあなたのような人に会えたんだ。絶対に私はあなたと添い遂げる!」
グレイストはガーベラを真っ直ぐ見つめる。ガーベラはそれに気づきながら、視線を逸らし続けた。
「そろそろ、降ろしてください」
「ダメです。告白の答えを聞くまで降ろしません」
ガーベラはお姫様抱っこをやめてほしいと言うが、グレイストは拒否した。そんなやり取りを数度交わすとガーベラは大きなため息を一つして、頷いた。
「いいんですか?」
「はい、あなたが生き返るのであれば」
ほぼほぼ脅迫のような告白にガーベラは顔を赤くしながら告白を受けた。
「よし! では今すぐに生き返ってきます!」
グレイストは体から湯気のような物を排出し始めた。ガーベラはその姿に驚いた。この湯気は彼女らの領域の力、物語の中の力。グレイストはその力に今、覚醒した。
「グレイスト様・・」
湯気が部屋に充満して、真っ白になっていく。そして、次の瞬間、天井が消えて、二人は上空に投げ出された。
グレイストはベッドから体を起こした。眠っていたベッドはとても清潔で石鹸の匂いが部屋に漂った。
「綺麗な部屋だ。まるで私の自室のような」
グレイストは起こした体を回して辺りを見渡した。
レイシスト城にある、自分の部屋と見間違うほど美しく綺麗な部屋で自分が寝ているベッドも天幕のあるベッドだ。
「確か、フェオールの剣が腹に・・・、傷がない!?」
確かに自分に突き刺さった剣を見ているグレイスト。傷がない事に驚愕する。
「起きたのね」
グレイストが傷を確認していると、美しい黒髪の女性が部屋に入ってきた。長い黒髪を一つに結った女性はお盆にティーカップとケーキを載せている。
「グレイスト様、一緒に紅茶は如何ですか?」
ティーカップは紅茶だったみたい。甘い匂いがグレイストのお鼻をくすぐって、彼は気持ちよさそうに目を瞑った。
「いい匂いだ。いいのかな?」
「ふふ、ええ、その為に持ってきたのですから」
クスッと笑った女性、グレイストはその笑みに目を奪われた。
女性の目は青くきらめいていた、とても綺麗な目でまるで宝石のよう。
二人は向かい合わせで椅子に座った。女性はティーカップに紅茶を注ぐ、その仕草も綺麗でグレイストは女性から目が離せずにいた。
「ふふ、そんなに見つめられたら紅茶が零れてしまいます」
「あっ、すいません」
グレイストは女性をずっと見つめていた事を笑われて、誤魔化すように紅茶を一口、口に入れる。顔はまるでリンゴのように真っ赤っか。
「あの・・あなたの名前は?」
グレイストは顔を真っ赤にして、俯いていた。彼はしばらく、恥ずかしさで口を開くことが出来なかった。それでも女性の名前を知りたかった彼は勇気を出して口を開いた。
「私? 私はガーベラよ」
女性は笑顔で名前を言った。ガーベラと名乗った女性は紅茶を優雅に一口すすった。
「ガーベラさん。とても綺麗な名だ」
「ふふ、ありがとうグレイスト様」
二人はしばらく、雑談を交わす。昨日は寒かったですね、明日は晴れるんでしょうか? といったとても普通な内容。それでもグレイストはとても嬉しそうに話した。とても有意義な時間だ。
「それで父上はこういったんです。「王は王でも私は横柄な王だ」って」
「ふふ、お父様にも会ってみたいですね」
「はは、会わせてあげたいです」
他愛のない話をガーベラは興味深げに聞き入って笑顔を見せる。そんなガーベラを見てグレイストは子供のようにはしゃいだ。可愛らしい子供のような彼を見てガーベラは微笑んだ。
「ぜひ、レイシスト王国に来てください。いや、今から行きましょう。帰る予定だったので」
「そうなんですね。でも、ダメ。私は王族ではないもの」
町長のチャーチルとの話を聞いていたかのような返答にグレイストは少し首を傾げた。しかし、グレイストはガーベラに惚れてしまった、そんな事、些細な事、グレイストはすぐにでもレイシスト王にガーベラを紹介したいと思っている。
「王族とかそんな事は関係ないです。私はあなたに惚れてしまった。それで十分なんです」
グレイストは熱心にガーベラにプロポーズ。彼の顔はまた赤くなってしまっているが目は真剣そのもの。ガーベラは彼の言葉を聞いて、俯く。
「グレイスト様。ここはあの世とこの世の間の世界。あなたは死の淵に立っているのです」
「えっ!」
グレイストは思わぬ返答に唖然とした。まさか、自分が死にそうになっているから結婚は出来ないと言われるとは思ってもいなかった。
「まさか、そんな断られ方をするとは・・・嘘で断らなくても」
「嘘ではありませんよ。何とか助けようとしたんですが、少し間に合わなかったようでここまで来てしまったの。ごめんね」
ガーベラは謝った。別に自分のせいでもないのに謝る姿にグレイストは更に熱を帯びた。
「ガーベラさん。私はこの後、死んでしまうのでしょうか?」
「それはあなた次第よ。毒がまだ、体にあるの、何とか傷は回復したんだけど・・」
口に指を添えて話すガーベラ。グレイストはそんな彼女から目が離せなかった。
「私は生き返ってあなたと添い遂げる!」
「グレイスト様!?」
グレイストは我慢できずにガーベラを抱き上げてお姫様抱っこ、ガーベラは驚いて視線を泳がせる。
「私は生き返る。生き返ったらガーベラさん。私と結婚してください!」
グレイストは再度、ガーベラに告白を告げる。ガーベラは顔を真っ赤にして、グレイストから視線を逸らした。
「やっとあなたのような人に会えたんだ。絶対に私はあなたと添い遂げる!」
グレイストはガーベラを真っ直ぐ見つめる。ガーベラはそれに気づきながら、視線を逸らし続けた。
「そろそろ、降ろしてください」
「ダメです。告白の答えを聞くまで降ろしません」
ガーベラはお姫様抱っこをやめてほしいと言うが、グレイストは拒否した。そんなやり取りを数度交わすとガーベラは大きなため息を一つして、頷いた。
「いいんですか?」
「はい、あなたが生き返るのであれば」
ほぼほぼ脅迫のような告白にガーベラは顔を赤くしながら告白を受けた。
「よし! では今すぐに生き返ってきます!」
グレイストは体から湯気のような物を排出し始めた。ガーベラはその姿に驚いた。この湯気は彼女らの領域の力、物語の中の力。グレイストはその力に今、覚醒した。
「グレイスト様・・」
湯気が部屋に充満して、真っ白になっていく。そして、次の瞬間、天井が消えて、二人は上空に投げ出された。
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