魔王を討伐して無職になった勇者だけど、チートな幼女に運良くお世話されているから勝ち組かもしれない

八神鏡

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第二十七話 ロリサキュバスとはじめてのおつかい

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 朝のストレッチを終えたところで、マニュは日課である散歩に行った。
 ちょうどそのタイミングでレオノーラも起きたので、一緒にお風呂に入ることにした。

 昨日『一日一回は一緒にお風呂に入る』と約束したので、早速実行したのである。

 お風呂から上がった時にはもうルーラが朝食を完成させていた。マニュも帰ってきて、サキちゃんもようやく起きたので、みんなでテーブルを囲んでごはんを食べることに。

 その最中、ルーラからこんなことを言われた。

「ご主人様、本日はサキ様と一緒にお買い物に行っていただけませんか?」

「買い物? サキちゃんと一緒に?」

「はい。五人も暮らしておりますと、食材などの消費が激しいので……行っていただけると助かります」

「いや、行くのはいいんだけど……俺とサキちゃんで大丈夫?」

 サキちゃんは幼いし、俺は役立たずである。
 この二人で本当に良いのかどうか不安だった。

 しかし、彼女の方はまったく心配していないようで。

「おかいもの!? いくっ! サキ、パパとおかいものいく!!」

 今まで寝起きだからかぼんやりしていたのに、『かいもの』という単語を耳にした途端サキちゃんは覚醒したようだ。

「サキね、パパのめんどーみてあげるっ。おててつないで、まいごにならないようにする!」

「ええ。下僕のことをよろしく頼むわね」

「おにーちゃんから目を離したらだめだよっ。他の女の子に取られちゃうから」

「はーい! サキ、パパのこといっぱいみる!!」

 エレオノーラとマニュの言葉に、サキちゃんは元気のいい返事をする。

 返事だけはとても頼りがいがある……けど、やはり不安だった。
 そんな俺の気持ちを察したのか、隣からルーラがこんなことを耳打ちしてくれた。

「心配は不要です。わたくしが後ろからこっそりついていきますので」

「……それなら、ルーラも一緒でいいんじゃない?」

「サキ様はご主人様と二人きりの方が喜ぶと思います。わたくしは夜にでも構ってもらいますので、日中はサキ様をよろしくお願いします」

 俺としては三人でも良いと思う。
 でも、ルーラは俺とサキちゃんの二人だけが良いと言っているみたいだ。

「えへへ~。パパとデート! やった!!」

 まぁ、確かにサキちゃんはとても喜んでいる。
 無邪気にはしゃいで手を上げる彼女はとても愛らしかった。そんなサキちゃんを見て、他の三人も頬を緩めている。

 一番年下のサキちゃんは、もしかしたら三人からも妹のように見られているのかもしれない。かわいがられているのだろう。

 ともあれ、ルーラも後ろから見ていてくれているのだ。

「サキちゃん、デート楽しもうね?」

「うん! サキね、パパのことたのしませてあげるっ」

 サキちゃんと二人でお買い物――おつかい? いや、デートか。
 とにかく二人きりの時間を、楽しもうと思う。





「一応、ご主人様は顔が知られていますから……目立たないよう、フードをかぶってください」

 おつかいということで、俺とサキちゃんは王都の方に向かう。

 一応俺は勇者なので、地味に顔は知られているのだ。変に目立ってもしょうがないということで、ルーラから外套を渡された。

 俺のために用意してくれていたらしい。彼女には本当に頼りっぱなしである……俺の生活用品なんかも、全部ルーラが準備してくれるから頭が上がらない。

 せめてあまり迷惑をかけないために、今回のお買い物は無事でいられるように気を付けよう。

「サキ様も、ピンク色の髪の毛はサキュバス特有のものですので……亜人種とばれては厄介です。街中でもフードを脱いではいけませんよ?」

「うん! わかった!!」

 サキちゃんも俺と同じように外套を渡されていた。

「パパ、おそろい!」

「そうだね。サキちゃん、似合っててかわいいよ」

「えへへっ。サキ、かわいい? パパったら、ほめじょーずだねっ! しゃせーしますか?」

 うーん、不意に入る『しゃせー』というワードは早く修正した方がいいかもしれない。
 やっぱりびっくりする。

「しゃせーはしません」

「そーですか! じゃあ、おててつなごっ?」

 手を差し出されたので、優しく握る。
 マニュよりも、エレオノーラよりも、ルーラよりも、一回り小さい手はちょこんとしていて不思議な感じがした。

「パパのおてて、おっきー!」

 手をつないだことが嬉しいのか、サキちゃんはにぎにぎと指を動かす。
 心がくすぐられるようなかわいさだった。

「おにーちゃん、いってらっしゃ~い。お土産は、甘いお菓子がいい!」

「下僕、私は服がいいわ。あなたのセンスで選びなさい?」

「はいはい、分かった。楽しみに待ってて」

 見送ってくれるマニュとエレオノーラに手を振る。
 二人はニコニコと笑って送り出してくれた。

「ご主人様、これが買い物リストでございます。荷物はバックに入れて、道中は転ばないように気を付けてくださいませ。サキ様、ご主人様のことをよろしくお願いします」

 エレオノーラもついてくるとはいえ、これからはあまり話すこともできないだろう。今の内に色々と言っていた。

「わかった! サキにまかせてっ」

 サキちゃんは声を弾ませて百点満点の返事をしている。
 そして準備は整った。

「「いってきます」」

 二人で同時にそう言ってから、俺たちは外へと出る。
 さぁ、出発だ。
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