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第三話「緑色の巨塔」1
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幼馴染三人組、浩二、唯花、達也は今日も学園に向かって通学路を歩いていた。
「浩二はクリスタタワーがなぜ発光するか分かるか?」
達也は浩二に聞いた。クリスタタワーというのは、22年前に建設が始められ、20年前に完成した円柱型の巨大なビルで、街の象徴ともいうべき建設物となっている。
そのクリスタタワーの一番の謎が、夜になるとエメラルドグリーンのような美しい緑色に発光することだ。その科学的な説明は未だされておらず、見る人々から“蛍の光のようだ”とよく言われている。
「分からないが、様々な憶測とか学説は聞いたことはあるけど、実際建設にかかわった関係者でも分からないって話だろ?」
浩二が達也の質問に答える、浩二の言葉にしたことは、大方の庶民が知るところの知識であった。
「本当、不思議だよね。でも、タワーが発光してくれているおかげで、夜道も安全だって、よく言ってるよね」
唯花にも発光の理由は分からないが、唯花自身はタワーの存在そのものには好意的であった。
「実際分かっていないことだらけだが、初期の設計には当時市長の稗田黒江氏が関わっていて、その後、都市再生計画と関連の深い建設会社が引き継いだらしい」
転校生の稗田知枝の祖母、稗田黒江が災厄で崩壊した舞原市の再建に尽力していたことは、調べればわかる事だった。
調べれば調べるほど、その実績や影響力には驚かされるばかりだったが、今や他人事でもなくなったこともあり、三人は知識を付けると同時に、現実を受け入れつつあった。
県知事から市長へ、長い間、舞原市の再建に携わってきたこと、そしてクリスタタワーの建設にもかかわっていたこと、まだ知らないことが多く残っていることもまた事実だった。
「僕たちが生まれる前のことだから、よくわからないけど、稗田さんなら詳しいこと知ってるのかな?」
「達也、もしかしてそれ、稗田さんに聞く気なの?」
浩二の言葉の後に唯花は達也に向けて質問をぶつけた。
知枝にとって祖母がどれだけ大切で、尊敬する人物であるかは皆が知っていることだったので、無闇な詮索は、知枝を傷つけることにも繋がることは容易に想像できた。
「いや、そこまで詮索するつもりはないが、“緑色”という色には心理的にリラックス効果があると知られている。そういった心理的効果、人の気持ちを落ち着かせるために意図的に緑色の色彩を発光させているとすれば、何か目的があるのではと想像するのは、自然なことじゃないか?」
達也の話しは聞けばなんとなく理解できることだが、そこまで思考が向く人は多くないのではと思えた。
「昔の映画でもそういうのあったっけ、緑色に発光する現象を引き起こすもの、あっ、アニメだっけ」
唯花のあやふやな記憶、それは生まれる前の作品だからか、曖昧な知識のものだった。
「でも、どうして発光してるのか分からないのだから、効能だけ考えても仕方ない気がするけどな」
「雑学のようなものだよ、だが、考えればいつか真実にたどり着けるかもしれないだろ?」
「真実ね……、専門家でも答えの出ないことに、俺たちのような一般人が辿り着けるとは思えないけど」
浩二は煮え切らない様子で、今は陽が昇っている時間で発光した姿は見えないが、美しい景観を維持し続けるクリスタタワーを見ながら言った。
夜には宝石のペリドットやエメラルドのような輝きを帯び、街の象徴としてまばゆい光を放つ。
その美しさはすでに親しまれているものだ。
完成披露会の時は”災厄の際には電気が止まり街は暗闇に包まれたことで、被災者に安心感を与えるためにも昼夜問わず恒久的に与える照明の光として作れられた”と説明されているのだが、それ以上の説明はされていない。
街の象徴的建造物として、そこにそびえ立つ存在感は今なお大きく、夜間発光し続けることに何らかの意味があるのならば、それがいかなる理由なのか、知りたくないと言えば、嘘になるところであった。
「浩二はクリスタタワーがなぜ発光するか分かるか?」
達也は浩二に聞いた。クリスタタワーというのは、22年前に建設が始められ、20年前に完成した円柱型の巨大なビルで、街の象徴ともいうべき建設物となっている。
そのクリスタタワーの一番の謎が、夜になるとエメラルドグリーンのような美しい緑色に発光することだ。その科学的な説明は未だされておらず、見る人々から“蛍の光のようだ”とよく言われている。
「分からないが、様々な憶測とか学説は聞いたことはあるけど、実際建設にかかわった関係者でも分からないって話だろ?」
浩二が達也の質問に答える、浩二の言葉にしたことは、大方の庶民が知るところの知識であった。
「本当、不思議だよね。でも、タワーが発光してくれているおかげで、夜道も安全だって、よく言ってるよね」
唯花にも発光の理由は分からないが、唯花自身はタワーの存在そのものには好意的であった。
「実際分かっていないことだらけだが、初期の設計には当時市長の稗田黒江氏が関わっていて、その後、都市再生計画と関連の深い建設会社が引き継いだらしい」
転校生の稗田知枝の祖母、稗田黒江が災厄で崩壊した舞原市の再建に尽力していたことは、調べればわかる事だった。
調べれば調べるほど、その実績や影響力には驚かされるばかりだったが、今や他人事でもなくなったこともあり、三人は知識を付けると同時に、現実を受け入れつつあった。
県知事から市長へ、長い間、舞原市の再建に携わってきたこと、そしてクリスタタワーの建設にもかかわっていたこと、まだ知らないことが多く残っていることもまた事実だった。
「僕たちが生まれる前のことだから、よくわからないけど、稗田さんなら詳しいこと知ってるのかな?」
「達也、もしかしてそれ、稗田さんに聞く気なの?」
浩二の言葉の後に唯花は達也に向けて質問をぶつけた。
知枝にとって祖母がどれだけ大切で、尊敬する人物であるかは皆が知っていることだったので、無闇な詮索は、知枝を傷つけることにも繋がることは容易に想像できた。
「いや、そこまで詮索するつもりはないが、“緑色”という色には心理的にリラックス効果があると知られている。そういった心理的効果、人の気持ちを落ち着かせるために意図的に緑色の色彩を発光させているとすれば、何か目的があるのではと想像するのは、自然なことじゃないか?」
達也の話しは聞けばなんとなく理解できることだが、そこまで思考が向く人は多くないのではと思えた。
「昔の映画でもそういうのあったっけ、緑色に発光する現象を引き起こすもの、あっ、アニメだっけ」
唯花のあやふやな記憶、それは生まれる前の作品だからか、曖昧な知識のものだった。
「でも、どうして発光してるのか分からないのだから、効能だけ考えても仕方ない気がするけどな」
「雑学のようなものだよ、だが、考えればいつか真実にたどり着けるかもしれないだろ?」
「真実ね……、専門家でも答えの出ないことに、俺たちのような一般人が辿り着けるとは思えないけど」
浩二は煮え切らない様子で、今は陽が昇っている時間で発光した姿は見えないが、美しい景観を維持し続けるクリスタタワーを見ながら言った。
夜には宝石のペリドットやエメラルドのような輝きを帯び、街の象徴としてまばゆい光を放つ。
その美しさはすでに親しまれているものだ。
完成披露会の時は”災厄の際には電気が止まり街は暗闇に包まれたことで、被災者に安心感を与えるためにも昼夜問わず恒久的に与える照明の光として作れられた”と説明されているのだが、それ以上の説明はされていない。
街の象徴的建造物として、そこにそびえ立つ存在感は今なお大きく、夜間発光し続けることに何らかの意味があるのならば、それがいかなる理由なのか、知りたくないと言えば、嘘になるところであった。
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