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第十三話「映画館へいこう!」4
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駅前まで戻って、大きなショッピングモールに入ると、すぐそこに目的のデザパラはあり、知枝がまとめて券を買って入場することとなった。
知枝が早々にお金を払ったことで、光と舞は少し申し訳なさそうにしていたが、知枝はむしろ払ってあげたい気持ちが強く、その気持ちが足を勝手に動かしていた。
「よかったの? 全然僕も払うのに」
「いいのいいのいいの、こういう時に使わないと、ついつい乗り物に使っちゃうから」
知枝は稗田家の人間であることを自慢したいわけではないので、趣味での浪費に比べればとフォローした。
「あの、改造マシンね……、危ないからあんまり乗らない方がいいと思うよ」
「ちゃんと車検通ってるから大丈夫だよ~。慣れたら余裕だよ~」
「それはお姉ちゃん基準でしょう……」
知枝の乗る原付バイクは改造に改造を重ねられており、エンジン音自体は何の変哲もないが女子高生の乗るようなマシンではすでになくなっており、光から見るととても心配している部分であった。
「……あれで本当に登校してるところ見ると、ビックリするわよね」
朝、急いでいるときは原付バイクを多用しており、その姿はとても知枝が運転しているとは想像の付かないものであった。
「まぁまぁ、この話は置いといて、早く食べよう?」
知枝は知枝らしくないと言われるのも辛い部分があるので、食事の方に意識を移してもらうことした。
それから、三人それぞれ好きなものを取って、思い思い自分の好きなスパゲティーやデザートを食べる。バイキング形式なので、つい取りすぎてしまうこともあるが、光や知枝は元々少食であることもあり、取ってくる量も控えめであった。
*
「そういえば、実は撮ってみたい映画があるんだよね」
美味しいケーキに舌鼓を打ちながら、和やかな雰囲気で時が流れると、せっかくの機会ということもあり、知枝は雑談代わりにと、自分の夢を話すことにした。
「へぇ、お姉ちゃんが映画を? それは初耳」
光は思わぬ話題に興味深そうに知枝のことを見た。
「うん、まだ誰にも話したことないかな、かな。
ちょっとした夢みたいなものだから期待はほどほどにってことで」
高校には通わず長い大学生活を送って来た知枝の周りは大人ばかり。
そのため、現実性の低い夢の話をする機会はなかなか訪れなかったのだった。
「でも、映画を撮りたいっていうのは、趣味のようなものだから、大学の研究室なんかでは言い出せなくて……、だからせっかくだから、話だけでも二人に聞いてもらおうかなーって、いいかな?」
堅苦しい研究室で過ごしてきた知枝は気軽に話しを聞いてくれる友人を心の中で求めていた。その心情が伝わったのか、舞も光も視線を知枝に向け、優しく接することに迷いはなかった。
「あたしはいいわよ、協力できるかは分からないけど、聞くくらいなら」
「うん、聞いてくれるだけでも大助かりだよ~!」
舞には拒否されそうなところを、多少は興味を持ってくれたようで、知枝はホット胸を撫で下ろしながら、二人に感謝した。
「僕も大丈夫だよ、ストーリーはもしかしてお姉ちゃんが考えたオリジナル?」
光は頭のいい知枝の考えるストーリーであれば、それは興味深いオリジナリティのあるものだろうと思い、心の奥で期待していた。
「うん、完全かは分からないけどオリジナルだよ!
色んな作品に触れたり、今までの経験を受けてずっと頭の中で考えて組み立てていった感じかな。
本当のところ壮大すぎて、ちょっと身に余るんだけど、出来るところだけでも映像にして残せたらなぁって思って」
赤いリボンを付けた知枝の笑顔が光る。勉強や研究だけではない、物語にも知枝はずっと興味関心を持っていた。
「そうだね、自分で想像したものなら、自分たちで作るのが一番楽しくて思い出にもなるよね。そういうのは技術が発達した今でも、自分たちで作ることの喜びって当然あるから、チャレンジを考えてみるのはいいと思う」
人の手が加わってこその芸術や文化という価値観は狭まるどころから広がっていて、この時代ではそういったことにも力を入れることが大きなコンセンサスでもあった。
「うん、背景と風景はストリートビューやデジタル空間を使わないと難しい部分はあるけど。手作業でアイディアを出して協力しながら作るのが楽しいかなって思うの」
光は知枝の話しを聞きながら、自分たちが日々取り組んでいる演劇のことを思い出し、納得した。
「昔の特撮やドラマなんかは、費用も技術も人員も期間も限られてたから、みんなで知恵を振り絞って作り上げてて、そういう苦労話を聞いてると面白くって、よく考えられてるなぁって感心するからいいよね」
蒸し暑い撮影現場で撮影が長引いてケーキを溶けるたびに交換していたなんて話も昔話のように語り継がれているなど、この手の話しは光も好きだった。
笑い話も交えていると自然と話が弾んで、知枝も話しやすい空気になって、二人に感謝しながらいよいよ自分の考えた映画の説明に入った。
知枝は手元に残ったモンブランを最後の一口で完食して、少しテーブルを広くすると、タブレット端末を取り出し自分で作ったイメージ映像を見せながら二人への説明を始めた。
「そんなものまで作ってたんだ」
「うん、ほとんど素材はフリーかAIだけど、説明するには便利だからないよりはいいかなって」
知枝は作品を考えていた時の自分の中にある記憶をトレースしたものだとは、チート的な先端技術だったのでこの場で明かすことはできなかったが、せっかくの説明だからと映像を見せながら説明することにした。
知枝が早々にお金を払ったことで、光と舞は少し申し訳なさそうにしていたが、知枝はむしろ払ってあげたい気持ちが強く、その気持ちが足を勝手に動かしていた。
「よかったの? 全然僕も払うのに」
「いいのいいのいいの、こういう時に使わないと、ついつい乗り物に使っちゃうから」
知枝は稗田家の人間であることを自慢したいわけではないので、趣味での浪費に比べればとフォローした。
「あの、改造マシンね……、危ないからあんまり乗らない方がいいと思うよ」
「ちゃんと車検通ってるから大丈夫だよ~。慣れたら余裕だよ~」
「それはお姉ちゃん基準でしょう……」
知枝の乗る原付バイクは改造に改造を重ねられており、エンジン音自体は何の変哲もないが女子高生の乗るようなマシンではすでになくなっており、光から見るととても心配している部分であった。
「……あれで本当に登校してるところ見ると、ビックリするわよね」
朝、急いでいるときは原付バイクを多用しており、その姿はとても知枝が運転しているとは想像の付かないものであった。
「まぁまぁ、この話は置いといて、早く食べよう?」
知枝は知枝らしくないと言われるのも辛い部分があるので、食事の方に意識を移してもらうことした。
それから、三人それぞれ好きなものを取って、思い思い自分の好きなスパゲティーやデザートを食べる。バイキング形式なので、つい取りすぎてしまうこともあるが、光や知枝は元々少食であることもあり、取ってくる量も控えめであった。
*
「そういえば、実は撮ってみたい映画があるんだよね」
美味しいケーキに舌鼓を打ちながら、和やかな雰囲気で時が流れると、せっかくの機会ということもあり、知枝は雑談代わりにと、自分の夢を話すことにした。
「へぇ、お姉ちゃんが映画を? それは初耳」
光は思わぬ話題に興味深そうに知枝のことを見た。
「うん、まだ誰にも話したことないかな、かな。
ちょっとした夢みたいなものだから期待はほどほどにってことで」
高校には通わず長い大学生活を送って来た知枝の周りは大人ばかり。
そのため、現実性の低い夢の話をする機会はなかなか訪れなかったのだった。
「でも、映画を撮りたいっていうのは、趣味のようなものだから、大学の研究室なんかでは言い出せなくて……、だからせっかくだから、話だけでも二人に聞いてもらおうかなーって、いいかな?」
堅苦しい研究室で過ごしてきた知枝は気軽に話しを聞いてくれる友人を心の中で求めていた。その心情が伝わったのか、舞も光も視線を知枝に向け、優しく接することに迷いはなかった。
「あたしはいいわよ、協力できるかは分からないけど、聞くくらいなら」
「うん、聞いてくれるだけでも大助かりだよ~!」
舞には拒否されそうなところを、多少は興味を持ってくれたようで、知枝はホット胸を撫で下ろしながら、二人に感謝した。
「僕も大丈夫だよ、ストーリーはもしかしてお姉ちゃんが考えたオリジナル?」
光は頭のいい知枝の考えるストーリーであれば、それは興味深いオリジナリティのあるものだろうと思い、心の奥で期待していた。
「うん、完全かは分からないけどオリジナルだよ!
色んな作品に触れたり、今までの経験を受けてずっと頭の中で考えて組み立てていった感じかな。
本当のところ壮大すぎて、ちょっと身に余るんだけど、出来るところだけでも映像にして残せたらなぁって思って」
赤いリボンを付けた知枝の笑顔が光る。勉強や研究だけではない、物語にも知枝はずっと興味関心を持っていた。
「そうだね、自分で想像したものなら、自分たちで作るのが一番楽しくて思い出にもなるよね。そういうのは技術が発達した今でも、自分たちで作ることの喜びって当然あるから、チャレンジを考えてみるのはいいと思う」
人の手が加わってこその芸術や文化という価値観は狭まるどころから広がっていて、この時代ではそういったことにも力を入れることが大きなコンセンサスでもあった。
「うん、背景と風景はストリートビューやデジタル空間を使わないと難しい部分はあるけど。手作業でアイディアを出して協力しながら作るのが楽しいかなって思うの」
光は知枝の話しを聞きながら、自分たちが日々取り組んでいる演劇のことを思い出し、納得した。
「昔の特撮やドラマなんかは、費用も技術も人員も期間も限られてたから、みんなで知恵を振り絞って作り上げてて、そういう苦労話を聞いてると面白くって、よく考えられてるなぁって感心するからいいよね」
蒸し暑い撮影現場で撮影が長引いてケーキを溶けるたびに交換していたなんて話も昔話のように語り継がれているなど、この手の話しは光も好きだった。
笑い話も交えていると自然と話が弾んで、知枝も話しやすい空気になって、二人に感謝しながらいよいよ自分の考えた映画の説明に入った。
知枝は手元に残ったモンブランを最後の一口で完食して、少しテーブルを広くすると、タブレット端末を取り出し自分で作ったイメージ映像を見せながら二人への説明を始めた。
「そんなものまで作ってたんだ」
「うん、ほとんど素材はフリーかAIだけど、説明するには便利だからないよりはいいかなって」
知枝は作品を考えていた時の自分の中にある記憶をトレースしたものだとは、チート的な先端技術だったのでこの場で明かすことはできなかったが、せっかくの説明だからと映像を見せながら説明することにした。
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