結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

恋愛系

文字の大きさ
84 / 170
第三部第二章 ダンジョン

あの魔族はいったい?

しおりを挟む
 すると突然、景色が変わり誰も見えない状態になった。
 アンも見えないしルドラの声もしない。でもあげしく戦う鍔迫り合いと共に凄まじい魔力が感じれた。
 この魔力はルカとプランスの戦闘中と同じだ。
 この魔力と魔力のぶつかり合いがそのことを物語っている。これは確かに私の記憶だ。

 ってことは過去に戻ったってこと? なら私がこの戦いを止めないと!
 この後プランスは死んでしまう。
 この戦いからして魔力切れが始まっていてプランスのターンの時、ほぼ最終決戦だ。だからここで終わらせないと。
 もう元もこうもなくなってしまってはならんしのだ。

「もうやめてください! 私はここです、旦那様そのような無謀なことはよしてください!」

 私が言葉を発した時、彼らは魔力と動きを止めた。
 ルカに対してはもう傷だらけだ。片足がなくもう立てないほどの傷だと思われるが立っている。
 どれだけタフなのだろう。

「プリンセス! この戦いは勝つことに利益がある。我が国ぜリーナ王国にな・・・」

 後ろから、聖騎士長が再び生捕りにしようとしてきたが、私も旅で覚醒したから聖騎士長くらい一人で対処可能だ。

 例えば、文字を読み取る魔力、解読魔力が良いだろう。それに舐めて襲ってきているから、文字が読みやすい。

 
 ドラノウス


 とりあえず聖騎士長の剣を持っている方に手を切り飛ばした。もう修復することは無理だ。
 だから、聖騎士長も分かっているのだろう、今目の前にいるのは自分より格上の生物ということが。だけど相手は騎士の中の騎士で歴史に名を残すほどの人材だ。
 死んでも喰らい付いてくるだろう。プライドが高いのだ。

「姫、流石です。姫を傷つけたくはないのですが、どうかお許しを」こちらでも戦闘が始まる雰囲気であった。だけど好都合だ。
 
 私が聖騎士長との戦闘中は素早く動き、自分の身を守れるようにしつつプランスの近くにいることによってルカの動きにもプランスは追いつけるようになる。

 何故か喜びよりも先に戦闘のことが頭に浮かんだ。たぶんそれは、まだ問題が解決できていないからだろう。
 未来を読んでいる者いや未来から来た者としてこの戦いは全てを左右するこちは明確だ。
 プランスが勝つかルカが勝つかどっちに転んでもおかしくない状況。とても怖いというのが本音である。
 私のミスで全てが決まってしまうのだから・・・・・。
 あっでももしかしたら幻覚かもしれない。嫌なことが頭によぎった。
 その間に聖騎士長が腕を回復させて戦闘モードに再び切り替わり凄まじい魔力を発するも魔族の足元にも及ばなかった。
 ドラ・キュリアよりも結構強いくらいだ。つまり全然強くない。
 目を閉じていても勝てる気がしたけど、私が今戦っているのはルカとその先にある未来である。
 だからこんなのは、演技と舞台劇にしか過ぎない。そのためわたしはルカに九十パーセント意識を集中させて五パーセントはプランスにむけており、残りも五パーセントを聖騎士長にむけている。
 理由は聖騎士長なんかに集中しないほうがいいからだ。

 私が意識を集中させた瞬間、ルカの魔力が急に膨れ上がった。彼は再びプランスに向かって猛攻を仕掛ける。彼の一撃一撃は、まるで地獄の業火のように燃え盛り、プランスを飲み込もうとしている。

「やめて!」私は声を張り上げたが、ルカは止まらない。まるで私の声が届かないかのように、彼は魔力を放ち続ける。

 その瞬間、ふと気づいた。これは夢だ。だけど、この夢の中で何が起きるかが、現実に戻る鍵になる。つまり、この戦いを終わらせなければ、現実には戻れないということだ。

 聖騎士長が再び動き出す。私は魔法で彼を牽制しながら、プランスに向かって駆け出した。「プランス、動いて! ここで終わらせるわけにはいかない!」

 プランスは息も絶え絶えだが、私の声に反応して一瞬だけルカの攻撃をかわす。しかし、ルカはすぐに追撃を仕掛け、再びプランスを追い詰めた。

「ミア!」どこか遠くからアンの声が聞こえる。「ルカを倒すには、あなたが自分自身を信じるしかない! 夢の中では、自分の力を信じれば何でもできるのよ!」

 その言葉が頭に響いた。自分を信じる……夢の中でなら、私は制限なく力を発揮できるはずだ。

「そうか・・・!」私は両手を広げ、今まで以上に魔力を解き放った。炎のように渦巻くエネルギーが私の周囲を覆い、まるで全てを焼き尽くすかのように広がっていく。

 ルカの動きが鈍くなり、その瞬間を見逃さなかった。「これで終わりよ!」私は一気にルカに向かって突撃し、その胸元に全力の魔力を叩き込んだ。

 爆発音が響き、視界が白く染まる。ルカの姿が崩れ去り、空間が揺らぎ始めた。まるで夢が現実に戻ろうとしているかのように。

「やった・・・・・終わったんだ・・・・・」

 しかし、次の瞬間、視界が再び揺らぎ、現実へと戻るかと思いきや、何かがおかしい。空間は完全には崩壊せず、私はまだ夢の中にいた。

「どうして・・・・・?」

 その時、プランスがゆっくりと立ち上がり、私の方を見た。「ミア、まだだ。まだ終わっていない」

 彼の言葉に、私はハッとした。倒すべきはルカだけではなかった。この夢の中には、もう一つの存在――聖騎士長もいる。

「そうか・・・・・まだ聖騎士長が・・・」

 私は再び振り向き、聖騎士長に向かって歩み寄る。彼は私の前で膝をついていたが、目の中にはまだ戦意が宿っている。

「あなたを倒さなければ、私たちは現実に戻れないんでしょう?」

 聖騎士長は無言で立ち上がり、剣を構えた。彼の顔には覚悟の色が浮かんでいる。

「いいわ。終わらせましょう」

 私は再び魔力を全開にし、戦いの準備を整えた。この夢の中で、最後の敵を倒し、現実へと帰るために。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

私が生きていたことは秘密にしてください

月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。 見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。 「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

処理中です...