結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第四部一章 大天使達

大天使サムエル

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 大天使サムエルがここまで強いとは思っていなかった。

 想定ではあのダンジョンのボスくらいだと思っていた。だけど比較にならないくらい強い。
 気づけば、ダンジョンから出されており、もう少しでシルバーと王の応援が来るらしい。とても心強い。

 だけど、この大天使サムエルも馬鹿じゃないから、一旦引いて奇襲を仕掛けてくる可能性もある。
 だから手強い。
 
 休む暇すらも与えられないのが何よりも辛く、私一人で対処している時にアンが休憩しアンが大天使サムエルを相手にするしている間に私は休み。けれど、一人で対処できるほど弱い相手じゃない。
 だからシルバーと王が直々に来てくれるのだろう。流石に四対一では大天使サムエルも手も足も出ないだろう。

 しかもその内二人は大天使サムエルに匹敵する。

「女なのに、耐えるな・・・・・」

 大天使サムエルが呟くが私は引かない。私はタフになってチビチビと大天使サムエルに傷を負わせている。

 大天使サムエルは剣で攻撃してくる。容赦がないが私達は二人で戦っている。だから、この時は背中がガラ空きになるのだ。

ゾルトリーク愛の消滅
 
 アンは背中に一番得意の魔法を放った。これはさすがの大天使サムエルも傷を負ってしまうだろう。

「まただ。同じ攻撃を受けてしまう。一度見た攻撃なのにどうしてだ?」

 それは私があんたのことを動けなくしているから。
 
 大天使サムエルはまだ気づいていない。
 私が高密度の魔力を使って透明の糸を作り出して大天使サムエルを動けないようにしていることに。
 まあ完全に動けなくなしたら流石にバレるから出来るだけ自然に動いているように見せかける。
 完全に動けなくして総攻撃を仕掛けるのは、シルバーと王が来てからだ。
 
「アンその調子でお願いね! まあじゃあ私も『ジュリーナ』」

 この技は勝手に身についており自由自在に使えるという魔力である。

 そしてこの魔力の効果は絶対貫通という魔力で当たったもの全て貫通させるらしい。なんとも強力な魔力を発動してしまった。

 大天使サムエルは私のジュリーナという魔力をギリギリ手でガードしたが手は貫通してしまい、次第には胸が貫通しそうになったけど、先に魔力が切れてしまった。
 いいところだったのだが、こうなってしまうのは予想内だ。

 だから続けて私は雷の呪文を唱える。手が修正してない状態で避けるのは至難の業だろう。
 だけど常識を覆すのが大天使サムエルの力だろう。

「異性の天命」

 やはりだ。大天使サムエルは私の魔力を亡き者とした。

 大天使サムエルの力はまさに常識を超越していた。私の雷の呪文も、まるでそれが存在しなかったかのように無効化された。その瞬間、空気が一気に冷たくなったように感じ、私の背筋に冷たい汗が流れた。

「異性の天命・・・」そう呟いたサムエルの声は、静かでありながらも絶対的な威圧感を伴っていた。

「くっ・・・このままじゃ持たない・・・」私は息を整え、次の一手を考えながらアンを見やった。彼女もまた、疲労が隠せない様子だが、決して諦めるつもりはなさそうだ。

「ミア、大丈夫よ。あと少し、あと少しでシルバーたちが来る。彼らが来れば、勝てる・・・!」

 アンの言葉は、希望を抱かせるものだったが、それと同時に、時間との戦いでもあることを思い知らされた。サムエルが次の奇襲を仕掛けてくるまで、どれだけの時間が残されているのか――それすらもわからない。

「そうね・・・少しでも持ちこたえなきゃ…」私は再び魔力を集中させ、次の一撃を放つ準備を始めた。

 だがその瞬間、サムエルの姿が一瞬で消え、次には私のすぐ背後に立っていた。彼の動きは、まるで風のように早く、私の反応が追いつかなかった。

「無駄だ。貴様らのような凡人に、我が力を理解できるはずがない」

 その言葉と同時に、サムエルの剣が私の胸元へと迫った。しかし、その瞬間、何かが私の体を包み込み、剣の一撃を阻んだ。

「このままじゃ・・・!」私は心の中で叫び、必死に体を動かそうとしたが、サムエルの威圧感に圧倒され、動きが鈍ってしまう。

 しかし、その時、突然空が裂けたかのような轟音が響き渡った。空からまるで流星のように、シルバーと王が降り立ち、サムエルとの間に立ち塞がったのだ。

「間に合ったか・・・」シルバーが冷静に息を整えながら、サムエルを睨みつけた。

「もう大丈夫だ、ミア。ここからは俺たちが相手をする」

 王も同様に剣を構え、サムエルに向かって歩み寄る。二人の存在感は圧倒的で、私とアンに新たな希望が湧いてきた。

 サムエルはシルバーと王の登場に、一瞬だけ目を細めたが、その余裕の表情は崩れなかった。彼の輝く白い羽が、風を切る音を立て、鋭く私たちを睨みつけている。

「また新たな者が現れたか・・・だが、数で私に勝てると思うな」

 その言葉とともに、サムエルの全身からまばゆい光が放たれ、神聖な力が場を満たした。その力に触れただけで、私の肌が痛むように感じ、アンも思わず顔をしかめていた。

「気をつけろ、この光にはただならぬ力が込められている・・・!」シルバーが警告する。

 王は一歩前に進み出た。彼の剣がゆっくりと構えられ、その一瞬だけ、周囲の空気が凍りついたように感じた。王の目には鋭い決意が宿っており、その剣からは異様な威圧感が放たれていた。

「サムエル、お前をここで止める。どんな犠牲を払ってでもな」

 その宣言に、サムエルは静かに微笑んだ。「いいだろう。では、力の差というものを教えてやる」

 サムエルが瞬時に空中へ飛び上がり、光の剣を振りかざした。その剣からは神々しい光が迸り、王とシルバーに向けて降り注がれた。目にも留まらぬ速さで、私たちに迫ってくるその光の刃は、まさに絶望そのものだった。

「王、下がれ!」シルバーが叫び、同時に自身の剣を振り上げた。剣から放たれた力が、光の刃を弾き、なんとかその攻撃を受け止める。だが、その衝撃でシルバーは後方へと吹き飛ばされた。

「くっ・・・こんなにも強いのか・・・!」シルバーは息を荒げながら立ち上がったが、その目はまだ闘志を失っていなかった。

 王もまた、一瞬の隙を突いてサムエルに向かって突進した。彼の剣が鋭く閃き、サムエルの防御を崩そうとする。

「甘い・・・!」サムエルは再び光の剣で防ぎ、王の攻撃を難なく受け流した。

 その様子を見て、私は歯噛みしながらも、自分の無力さを痛感していた。シルバーと王の力ですら、サムエルに対抗するのは難しいのかもしれない。だが、諦めるわけにはいかない。私も何かできることがあるはずだ。

「アン、今こそ力を合わせる時よ!」私はアンに向かって叫んだ。彼女も同じ気持ちだったのか、力強く頷き、魔法の杖を構えた。

「わかってる! ミア、行くわよ!」アンは魔法の詠唱を始め、空中に巨大な魔法陣を描き始めた。その魔法陣は輝きを増し、サムエルに向けて収束していく。

「『ゾルトリーク』!」アンが放った魔法は、まさに全てを貫くかのように鋭く、サムエルに向けて一直線に飛び出した。

 サムエルはその攻撃を見据え、再び光の剣を構えた。だが、アンの魔法はそれを避け、サムエルの背後から襲いかかる。

「ほう・・・」サムエルは驚きの表情を見せたが、直後にはその背中に攻撃が命中した。彼の白い羽が一瞬だけ揺らぎ、彼の動きが鈍った。

「今だ、ミア!」アンの声に呼応し、私は全ての魔力を注ぎ込んだ。「ジュリーナ!」

 私の魔力が解放され、サムエルに向かって疾走する。その一撃は、まさに全てを貫く力を持っていた。

 サムエルは手でそれを防ごうとしたが、手が貫かれ、次に胸元へと到達した。その瞬間、サムエルの表情が苦しげに歪んだ。

「ぐっ・・・!」

 だが、その時、サムエルの全身から再び光が放たれ、私たちの攻撃をかき消すかのように弾き返された。

「やはり、貴様らには届かぬ・・・」

 サムエルの息は乱れていたが、その力はまだ完全に失われていなかった。

「シルバー、王、アン・・・私たちの力を合わせなければ勝てない・・・」

 私はそう告げ、再び戦う決意を固めた。

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