闇精霊に好かれた精霊術師(旧題:ダンジョン最下層でパーティに見捨てられた精霊術師の少年、闇精霊に気に入られ最強の精霊使いになる。)

お茶っ葉

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三章

57話 予選開幕

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 アウバスト地下に張り巡らされた巨大空洞。
 魔族によって生み出された迷宮は今も健在で、壁に触れると微かに魔力の反応がある。
 これがどうも障壁の役割を果たしているようで、簡単には崩壊しない堅牢な造りとなっていた。
 
 かつて魔族の占領下にあった都市はその名残をとどめたままだ。
 元の主を失った広い地下空間は今や魔物の住処となり、そして冒険者たちの糧となっている。
 時々遠くの方で水滴が弾ける音が響く。ひんやりとした暗闇の中を松明を守りながら進んでいく。

「もう一時間は歩いたか。似たような光景が続いているが、進路は本当に合っているのか?」
「今のところ順調に、地図通りには進んでいるはずだよ。レックさんが用意してくれたものだからね。ギルドから支給された簡易的な地図よりも詳細に要点がまとめてあって見やすいよ」
「もちろんパパのお手製だからな。当然だ」

 セレーネは自慢のパパを褒められて気を良くしたのか得意げに鼻を鳴らしていた。

「周囲に魔物の気配はありませんね。人の気配を感じ取って逃げ出したのでしょうか」

 先頭を歩いていたノート様が安全確認を終えて戻ってくる。
 ここまで一度も魔物との遭遇はなかった。きっと他の参加者たちが追い払ってくれたんだろう。
 ぬかるむ地面には大小様々な足跡が刻まれている。そろそろ急いだ方が良さそうか。

「えっと。次の分かれ道は左だね」

 僕の手元にはレックさんが獣人集会で手に入れた地図とメモ書きがある。
 これには獣人たちが普段活用している裏道や隠し通路といった極秘情報が書き記されていて。
 地下迷宮だけでなく地上での奇襲されやすい地点、守りに適した土地、潜める場所など。
 必要なものがありったけ詰め込まれていた。数が多いので持ち運びに難があるけど。

 愛娘の晴れ舞台とあって気合の程が伺える。これからの戦いに大いに役に立ってくれるはずだ。

「開始地点が地下というのも味気ないものだな。最悪、誰にも看取られずに退場もありえるのか」
「仕方ないよ。参加者は例年と比べても多いらしいし、それだけの数を収容できる土地も限られているだろうから。地下なら無関係な人を巻き込まないで済むし安心だよ。こういうのって開幕当初が一番危ないからね」

 僕たちが向かっている予選会場は、一ヵ所だけでなく東西南北四つのブロックに分けられている。
 初日は各ブロック単位で戦闘が繰り広げられ、二日目から北と東。南と西の二つのブロックが合流。
 三日目には全てのブロックが解放され、生き残った強者たちとの激しい連戦、乱戦となる。

 僕たちが指定されたのは北ブロック。かつて地下研究所があったとされる区画だ。
 戦時中に魔族が生物兵器を開発していた場所であり、今も破棄された怪物が住み着いているとの噂が。

 迷宮浅層はその殆どが何度も繰り返し攻略されているので危険度は低い。
 野生の魔物よりも潜伏している犯罪者に気を付けろよと、出発前に冗談交じりに言われたくらいだ。
 仮に生物兵器が実在したとしても狩り尽くされた後だとは思う。

 今この場にいるのは僕とセレーネとノート様で、残りの面々は地上の指定の場所で待機している。
 当日入場できるのが、一ユニオンにつき三人までとあらかじめ知らせが届いていたからだ。
 これは他のブロックも同じらしい。ちなみにケイシアさんたち《風炎》は南ブロック。
 お互い順調に生き残れば予選最終日に剣を交える事になる。

「ところで今更なんだが、どうして私を付き添いに選んだんだ。フィアー様が拗ねていらっしゃったぞ?」
「手元に地図があるとはいえ迷った時の事も考えてね。勘の鋭いセレーネを頼りたいと思って」 
「勘の良さなら、それこそフィアー様が得意とされているだろう」
「フィアーは……魔ノ月ブラッドムーンが始まったからかな? 昨日からやけに元気なんだよね。それ自体は良い事なんだけど……」

 魔界の瘴気による闇属性の活性化。
 今は地下にいるから見えないけど、地上に出れば上空に赤い月が浮かんでいるはずだ。
 一時的に魔界と通じた結果、生み出された幻影。別世界の事象は魔ノ月が終わるまで続く。
 
 各地でも影響を受けた魔物による被害が広がっているらしい。
 闇属性そのものであるフィアーもまた、大きな影響を受けていた。
 といっても悪い変化ではなく朝から部屋を走り回ってノート様に怒られたくらい。
 気力が溢れて止まらないのか、子供らしい一面をより際立たせていた。

 逆に光属性が薄まり、レムちゃんと会話する機会がなくなってしまっている。
 力を蓄える為にしばらくの間は大人しくしているらしい。再生力も目に見えて衰えが出ていた。
 見てないところで無理はしないでよ。と、しっかり釘を刺されたので彼女の心配はいらなさそうだけど。

「他の冒険者たちがピリついている中、あの子が騒ぎ出して迷惑を掛けるかもしれません。妥当な判断だと思います」
「それもあるし、二人を選んだのもちゃんと考えがあって……元気なのは良い事なんだよ? 本当に」
「……誰に言い訳しているんだ。あとでしっかりと埋め合わせはしておけよ?」
「今度一緒のベッドで寝るようせがまれたよ。甘えん坊だよね」

 一応フィリスには相談したけど。彼女もフィアーには甘いのか簡単に許可を出してくれた。
 こういうのって普通は嫌がるものじゃないのだろうか。相手が精霊様だからってのもあるのかな。

「微笑ましいような羨ましいような……。少しだけ妬けちゃいますね」
「……左手。作り物ですが空いてますよ? 枕にするには固くて冷たいですけど。フィアーに聞いてみます?」
「いえ、約束を邪魔するのも悪いですし。それに今の間だけはこうして独り占めできますから」
 
 ノート様はそう言って振り返ると、偽物の左手と生身の右手を同時に掴む。
 どちらも本物であると伝えるように。彼女がくれる熱で少しだけ義手にも体温が宿る。
 色々と吹っ切れたのはフィアーだけじゃないみたいで、ノート様もまた変わってきている。

「あ、足元に気を付けてくださいね。濡れていますし、滑って頭をぶつけたりでもすれば危ないですから!」
「予選を前に怪我なんかしたら恰好がつかないしね。ちゃんと見られている事も意識しないと。うん」

 ふとした拍子にお互い冷静になり手を離す。
 フィアーたちと違ってノート様相手だと、憧れの感情が先走って時々照れの方が上回る。
 ここまで過剰になってしまうのも珍しいけど。この前押し倒されたのが響いているのかな。

「どうせ始まってしまえばお前は率先して盾になるんだから一緒ではないか? 最初から頭から血でも流して満身創痍でいれば恩情をかけられるかもしれん。……逆に目立って狙われる可能性も高いか」
「いやいや僕だって好きで怪我している訳じゃないからね? それはただの頭のおかしな人だよ」
「……そうなのか?」
「セレーネは一体僕を何だと思っているの……」
「冗談だ。私だって自衛はできる。お前に守られる必要がないよう訓練を重ねてきたつもりだ」
「そうです。それに私が常に側に控えているのですから、ニノは誰にも傷付けさせません」
「心強いです。ありがとうございます」
「コイツ直前の決闘でも変なこだわりを見せて無駄に怪我を増やしていたんだぞ? 諦めた方が身の為だ」
「……なるべく怪我を負わせないように善処します」
「ああ……ノート様、自信を失わないでください!」

 冗談を交えながら着実に奥へと進んでいく。
 こまめに現在位置を確認しながら目的地へのルートを選択。
 それと同時に重要な帰りの――――地上までの最短ルートは念入りに確かめておく。
 
 更に一時間ほど探索を続けていると、前方に大きく開かれた空間が現れた。
 照明の光が通路にまで差し込み、暗闇に慣れた瞳には眩しい。
 
 中に入ると巨大な白い円蓋が迎えてくれた。
 地下だというのに陽の光のような魔力光が降り注いでいる。
 周囲は石造りの平たい壁に覆われ、上層には楕円形に観客席のような椅子が並んである。
 まるで古代の闘技場を模したような造り。奥に出入口が他に三ヵ所見える。

「これだけ同業者が集まる機会なんてそうそうないよ。この人たちが初日の対戦相手になるんだね」

 既にこの場には三百人近い数の冒険者たちが勢揃いしていた。
 全員が装備の最終確認を行いそれぞれの方法で英気を養っている。
 付き添いを含め最大三人までなので百を優に超えるユニオンが参加している事になる。
 これは北ブロックに限った話で。残り三ブロックも同じ規模だと考えると途方もない人数だ。

「地上にはこの三倍近い人たちが……もはや戦争と変わりませんね」
「フィアー様の覇道を阻む者は全員敵だ。数百、数千の軍勢であろうと関係ない。そうだろう?」
「気合は十二分に伝わってくるけど。気を付けた方がいいよ、睨まれているから」

 なるべく揉め事に巻き込まれないよう、遅めの行動を心掛けていたのもあって。
 どうやら僕たちで最後だったらしい。運営側の騎士たちが四ヵ所全ての出入口を塞いでいく。
 
「……《精霊会》が来たぞ」
「予選の間に奴らを倒さなければ……本戦に上がられては止まらなくなるぞ」
「餓鬼の癖に余裕かましやがって。目に物見せてやる……」
「俺たちが叩き潰してやるよ」

 ……当然ながら注目浴びる結果となってしまった訳だけど。
 これだけ敵視を集めているとなると、早々に到着しなくて正解だった。
 待ち時間にずっと睨まれ続けるのも嫌だし。騒動の火種になるのも避けたかった。

「ふん、目の敵にされているな。群れないと粋がれない小物どもが」
「相手にするだけ無駄です。私たちはただ成すべき事を成すだけです」

 セレーネとノート様は何食わぬ顔で平然としている。
 数の暴力による脅しにも屈しない逞しい心根。二人と案外強がりな一面を持っているから。
 
 やっぱり二人を選んで正解だった。
 フィアーは相手を刺激しかねないし、トルだと萎縮してしまい付け入る隙を作ってしまう。
 フィリスにはウィズちゃんの面倒を見てもらう必要があったので選択肢は自ずと限られていた。

 僕の予感が正しければ今後も二人の力が必要になってくる場面が必ず訪れる。
 常に冷静に立ち振る舞い、実力を遺憾なく発揮できるとなればこれほど心強い味方はいない。

 僕たちは三人で固まって参加者たちの輪に加わる。
 この場に居る全員が胸元に付けている記章バッジが目立っていた。

 ギルドから配布された特殊魔金属でできた魔法道具であり。
 予選ではこの記章を最後まで守り抜き、場合によっては奪い合う。

 小型の対魔法防壁が内封されていて所持している枚数が多いほど有利になり。
 敵の魔法の威力を軽減してくれるのと同時に、衝撃もある程度肩代わりしてくれる。
 一定の許容量を超えると壊れてしまうのが弱点で、奪うのが難しければ破壊する事も視野に入る。

 各ユニオンごとに最初に十個支給され、人数が少ない所は最初から複数個所持できる。
 僕たちは七人なので前線で戦う機会が多い僕とフィリスとフィアーが二つ所持している。

 予選期間は三日間。
 一日あたり三時間という制限時間が設けられている。
 所持していない状態で終了時間になってしまうと、その時点でその人物は脱落。
 逆にそれまでに何らかの手段で手に入れていれば翌日も参加できる。
 
 最終日までに脱落者も含めた人数分の記章を所持しているユニオンが本戦へと勝ち進める。
 純粋な力比べではなく状況に応じて進退を問われユニオンとしての総合力が求められる戦いだ。
 自分の力がどこまで通用するのか。いや、自分だけじゃない。これまでの道のりが結果として残る。
 厳しい戦いになりそうだけど、だからこそやりがいがある。心が燃え滾る。
 
「長らく待たせてしまったな。これより本戦――《騎風祭》の前座にもあたる予選大会の説明をさせていただく。今頃地上で待機している君たちの仲間にも同様の説明がなされているはずだ」

 貴賓席だろうか、二階席の中でも特に目立つ場所に中年の騎士が立っていた。
 中央大陸で幅を利かせる騎士団は数多く存在していて、彼も団長の一人らしい。
 簡単な挨拶と細かなルール説明がなされていく。大方はギルドで聞いている事前説明と同じ。 

「――君たちが所持している記章には防壁機能が備わっているが、これは同時に保険にもなっている。残念ながら建物を守る防壁の方は短期間での改良は難しく、よって君たちの方に制限を設ける必要があった。記章は君たち自身から発せられる強い魔力にも反応するようになっており、当然ながら反動も吸収してしまうだろう。強力な魔法を使う際は細心の注意を払ってもらいたい。……このような処置を取らざるを得なかった事をあらかじめ謝罪しておく。だが君たちは冒険者として常に不測の事態に対応できるように訓練してきたはずだ。厳しい制約の中でも実力を十二分に発揮してもらいたい」

 あとから付け足された制約に落胆の声が上がる。
 これは精霊術師や一部の魔法使いに不利に働く要素だ。

 僕たちは魔法を行使する際、同じ魔力で生み出した薄い障壁で身を包む。
 これは自らが発動する魔法による余波から身を守る為の機能になるんだけど。
 精霊魔法や複合魔法といった他者から魔力を借りる場合には、障壁が足りず反動を受ける事がままある。
 
 僕の場合は元々攻撃力が低い土属性ばかり使っていたし、今では光属性の再生力がある。
 フィリスは亜人の頑丈な肉体があるので、多少の反動では傷を負わないけど。
 雷属性のように、自分の限界以上を引き出そうとするとどの属性でも危険が伴うもので。

 記章にはそれを誤魔化す手段がない。
 強力な精霊魔法や召喚魔法を使えば反動で壊れてしまう。
 相手から奪った記章の何個かを犠牲にすれば使えるだろうけど、そこまでする価値があるかどうか。
 
 ただ障壁の強度は術者に依存するから。精霊様は普通に戦えるはずだ。
 トルも雷属性を大分制御できるようになったし、精霊術師でないセレーネも主戦力になる。
 そもそも強い魔法を使うだけが強さじゃない。他の強みで戦っていけばいいだけの話だ。
 
「アウバストは過去二度にわたって魔族の侵攻を受けた。この場所もかつて実際にあった戦場の跡地だ。我々中央騎士団と君たち冒険者の前身となった傭兵たちは、力を合わせ苦難を乗り越え魔族から故郷を取り戻した歴史がある。大会も常に研鑽を怠らないよう過去の教訓から始まったものだ。ただ命令され強さだけを求めるのでなく。正しさと確固たる信念を持って望んでもらいたい……。話は以上だ、諸君らの健闘を祈る」

 中年の騎士が去っていく。
 出入口を塞いでいた騎士たちも、いつの間にか姿がなくなっていた。
 続いて別の人物が挨拶に来るのだろうか? こういう偉い人の話って長い印象があるけど。

 五分、十分と待っていても一向に誰も現れない。

「遅いね。このまま待機していればいいのかな?」
「さぁな。地上の状況もわからん。何かあったのかもしれん」
 
 運営側に問題でも起こったのか。
 説明もなくただ待たされ、辺りが騒がしくなっていく。
 飢えた獰猛な獣たちを一ヵ所に集めているんだ。そろそろ限界も近い。
 
「ニノ……見てください。何人かが移動を始めています」

 ノート様が小声で知らせてくれる。
 一部の冒険者たちが指示を待たずに持ち場を離れていた。
 もしかしたら地上の様子を確かめようとしているのかもしれない。
 
 いや、違うな。
 移動している冒険者たちに悪びれる様子はない。
 確固たる信念を持って行動しているように見える。何だか嫌な予感がしてきた。

「僕たちも急いだ方が良さそうだ。なるべく音を立てずに慎重に離れよう」
「隠密行動なら任せておけ」

 セレーネが蠢く闇を生み出し足元を包み込む。音が闇に呑まれていく。
 僕たちは近場の出口を目指す、持ち場を離れても問題がないという事はつまりそういう意味だ。
 
 そもそもギルドでは事前に集合場所と集合時間までは知らされていたけど。
 初日の開始時間までは伝えられていなかった。その時は気にならなかったけど。
 地上を巻き込む戦いになるのに、誰も知らされていないなんて改めて考えてみるとおかしい。

「おい、いつになったら始まるんだよ。一番大事な説明が抜けてんじゃねぇか!!」
「地上はどうなってんだ? 確か同じ説明を受けているんだろ?」
「ちょっと、今、誰か身体に触れたでしょ!?」
「知らねーよ、人が多いんだから仕方ねぇだろ! 自意識過剰な女だな」
「はぁ!? ぶっ殺すわよ!」
「やれるものならやってみろよ! どうせ暇なんだ、相手になってやる」

 後ろでは痺れを切らした冒険者たちが暴れ出していた。
 何人かは掴み合いの喧嘩にまで発展し、剣戟の音まで鳴っている。

 一発即発の状況化の中、遂に一人が核心に辿り着いた。

「もしかして……予選はもう……始まっている……?」

 次の瞬間――――辺りに巨大な魔力反応。

「来る――――二人とも衝撃に備えて!」
「セレーネは先頭を頼みます。殿は任せてください!!」
「了解した」

 これ以上は隠密行動も意味がない。
 出口に向かって全力疾走で飛び込む。ノート様が振り返り壁を生み出した。

 直後、激しい爆風が迷宮にまでなだれ込んできた。
 好戦的なユニオンが先制攻撃を放ったんだ。それも複数の方角から。
 煙が立ち込め視界が悪い、瓦礫の山には倒れた冒険者たちの影が確認できた。

「前方に敵の気配が四。この匂い……亜人が二人いる。勘の良い連中だ、手負いを狙ってくるぞ」
「来た道をそのまま引き返すのは難しそうだ。うかうかしていると後ろの生き残りに挟撃されるし、とにかくまずはどうにかして地上を目指そう!」
「今頃地上でも戦いが始まっているのでしょうね……。それにしても、あえて開始時間を明記していなかったのはこの不意打ちで数を減らす為ですか……意地悪ですね」
「冒険者は常に戦場にいる心構えでいろ。先人の教えだよ」

 とはいえ開幕であの場に残っていた半数近くが傷を負い。記章もかなりの数が削られただろう。
 生き残った僕たちにも少なからず影響がある。最終的には人数分を確保しないといけないのだから。
 本戦への出場枠を少しでも減らそうという大きな意思が見え隠れしていた。
 
「隙あり! くたばりやがれ!!」
「……甘いよ!」

 通路の分かれ道に潜伏していた男が斧を振りかざす。
 魔力を抑えていても、隠し切れない敵意はもう散々浴びてきたところだ。半歩横にずれて躱す。

「武器を手放さないと、怪我するよ?」
「んなっ――この餓鬼、どんな反応速度をしてやがるんだ!?」
 
 続けざまに鋼鉄の足で斧の側面を蹴り飛ばす。
 忠告を素直に聞き入れた男は、徒手空拳のまま構え直し魔力を練りだす。
 だけどもう遅い。ゴーレムの腕で無防備な顎を捉える。男は地面に伏し気絶した。

「……これって負傷者は後で回収されるんだよね?」
「この期に及んで敵の心配か? 相手は斧を使っていた。当たりどころが悪ければ死んでいたんだぞ」
「それはどの武器を使っても一緒だよ。放置して魔物に食べられでもしたら後気味が悪いし。……それにセレーネ。今の奇襲、もっと前から気付けたはずなのに教えてくれなかったよね?」
「この程度の奇襲にやられるようなご主人様では先が思いやられるからな」
「僕を試したんだ。意地が悪いなぁ……」
「負傷者はまとめて治療を受けるみたいです。隠れていた医師たちの姿が見えましたから。心配は要りません。今の男の仲間と思われる追っ手が来ています、急ぎましょう」
 
 すぐさま移動を開始する。
 松明に照らし出された影が揺れる。
 背後から凄まじい殺気。怒声が響き渡っている。

「待て! それ以上進むな!!」
「えっ?」

 飛び込んできたセレーネに押し倒される。頭上に一本の矢が通り過ぎ壁に当たって弾かれる。
 迷宮に仕掛けられた罠だろうか、まだ真新しい仕掛けは自動で再充填される。 

「……生物ばかりに気を取られるな。危険は足元にも潜んでいるんだぞ?」
「あ、ありがとう。助かったよ」

 セレーネに支えられ立ち上がる。
 獣人の血によって五感が優れている彼女は、薄暗闇の中でも罠が鮮明に見えるらしい。
 森妖精の優れた魔力感知を持ち索敵能力にも秀で、迷宮攻略に必要な能力を全て持っている。
 
 頼りになる従者さんだ。

「――――後ろです!!」

 ノート様が前に出て斬撃を受け流す。
 光剣フォトンブレイドで照らしながら相手を目視で確認。

「見つけたぞ《精霊会》だ!! 一気に叩き潰す!!」
「どんだけ強くたって記章さえ奪い取れば勝ちなんだから!」
「邪魔だ、退け! 俺たちが先に見つけたんだ!!」

 不意を突かれたけど相手の息は合っていない。狭い空間では互いの武器が干渉し合う。
 複数のユニオンが同時に雪崩れ込んできたのか、一人一人の練度そう高くない。
 冷静になればすぐに対処できる範囲だ。 

「待て、奥から更に九の反応が。こっちに向かってくるぞ」
「地上と合流するにしても早すぎる。また別々のユニオン?」
「これは、私たちが狙われていると考えた方が妥当ですね」
「……やっぱり? 仕方がない、ここは無理矢理でも押し通るよ!」

 光剣で前方の敵を薙ぎ払い、そこにセレーネが飛び込む。
 軽やかな手つきで短弓を構えると連続で矢を放ち、足元の影を捕らえた。

「クソッ、油断した」
「足が動かない……!」
「どうなっているんだ……!?」

「……影縫いだ。しばらくそこで大人しくしていろ」

 ついでに相手の記章を奪い取り先に進んでいく。
 
「……左から反応が六。前に五。後ろから十一」
「不自然なほど僕たちの方に集まってきているね……次は遠回りだけど右に進もう」
「ニノは何か恨まれるような事をしたのですか?」
「うーん……少し身に覚えがあったり?」

 予選は開幕から混沌とした内容になっているけど。
 本戦に勝ち進めば、そこからは普通のトーナメント形式だ。
 ユニオンの特色によっては、そもそも対面での戦いを得意としていない所もある。
 彼らにとって予選こそが本戦であり、どう足掻いても乱戦になるこの状況を利用したいんだ。
 
「上位に入賞する以外にも撃破数に応じて賞金が出たりするみたいだし。それ目的のユニオンもあるんだろうね。人が集まる所に人が集まる。みたいな?」
「……おい、賞金については初耳だぞ」
「ほら、僕たちって最初から頂点を目指しているから。目先の欲に溺れたり変に妥協しないように、必要ない情報は遮断した方が集中できるよ」
「それはそうだが……まぁそういう事にしておこう」

 一番の理由はフィアーとトルの暴走を防ぐ為だけど。
 僕たちの懐事情を知ってしまったからか、最近ではトルにも気を遣われている。
 きっと彼女たちの事だ、賞金の仕組みを教えたら少しでも稼げるように暴れ回るに違いない。
 確実に本戦に進むには、無益な戦いは避けるべきだろうからあえて伝えないようにしていた。

 話がずれちゃったけど。僕たちが負けた方が儲かる人たちがいたりとか。
 事前に結託して僕たちを倒そうとする勢力が存在するという至極単純な話。
 
「ニノ、現在地はどうなっている?」
「地上まではもう少しだよ。念の為すぐには向かわずどこかに潜んだ方がいいかも。地上の方から敵が入ってくる可能性もあるから、入り口周辺は激戦区だろうし」
「隠れられる場所なら先ほど通り過ぎた道にありました。こちらです」

 ノート様に先導され少しだけ後戻りする。
 元は倉庫にでもなっていたのか、瓦礫が多く陰となる場所が多い小部屋だった。
 奥に入り休息を取る。ここまで休みなく走り続けたので身体が汗で肌寒く感じてくる。

 十分ほど待機していると、すぐ傍を通り過ぎる集団の気配。
 それぞれ魔力を消費した形跡があり、やっぱり地上でも戦いが始まっているみたいだ。
 頃合いを見て立ち上がる。隙を見つけて地上に戻らないと……。

「――――またお会いしましたね。ニノ様。きっと運命の女神様が導いてくださったのでしょう」

 小部屋の出入り口を塞ぐように現れたのは、従者の服を着こなした龍の角を持つ青髪の女性。
 最初からここに潜んでいたのを知っていたかのような。タイミングとしては完璧だった。

「……今一番会いたくない人に出会ってしまった。えっと、セレーネ。これも意地悪?」
「すまないニノ。完全に油断していた、まるで気配が読めなかった」
「……この場所を選んだ私の責任です。セレーネは悪くありません」

 パオラさんの両隣りには見知らぬ龍人の姿。
 今回は寡黙なお嬢様――セイリスはいない。

「あの、パオラ姐さん。何か嫌われてません? まさか恨まれるような事をしたんですか?」
「これは……そう。残念なすれ違いなんです。私はこんなにも貴方様お慕いしていますのに……!」
「あの少年が龍人族の救世主……美味しそう」

 一人は溌剌とした髪の短い長身の女性。
 動きやすそうな服装で健康的な小麦肌を覗かせている。拳には稲妻が発現していた。

 もう一人はフィアーと同じくらい小さな少女。
 絢爛としたドレス姿。この子もお嬢様なのだろうか、眠たそうに鬼の人形を握り締めている。
 
「隣にいるのは雷龍と土龍か。銀光龍はいないようだが?」
「お嬢様はお休みになられています。今回は私の勝手な独断で行動していますのであしからず」
「……道を譲ってくれませんか? 僕たちは今ちょっと忙しくて……貴方に構っている暇は」
「ええ、ええ。説明なさらずとも重々承知していますとも。何故なら――――じゃじゃーん」

 パオラさんは突然、喜々として服をはだけさせた。
 そこには大量の記章がくっついていた。一瞬目に入った数だけで三十近く。
 一瞬だったのは即座にノート様に視界を塞がれたから。いやそもそもこの人何で脱いだんだ。

「大会期間中もニノ様のお傍にと考えまして。ついでに少し暇でしたのでユニオンを作って参加しちゃいました! あぁ……もう一度耳をハムハムしたい。思い出したらはしたなくも涎が出てきちゃいます」
「あ、頭が痛くなってきた……」

 しばらくは大人しくしてくれるだろうと期待していたのに。
 あまりにも欲望に忠実すぎる。この人はどこまでも期待を裏切ってくれる。
 
「貴方がニノに付き纏っている例の龍人族ですか。耳をハムハムなんて……! そんな……! ゆ、許しませんから……!」
「……くんくん。そちらの少女から私と似たような匂いが……! 何故だか親近感が……!」
「貴方のような変態と一緒にしないでください!!」

 ノート様が顔を真っ赤にして否定していた。

「はて? どうしていきなり初対面の方に変態扱いされているのでしょうか?」
「姐御はどう考えても変態だろ。非常識だし。ごめんなー、オレんとこの大将が迷惑かけて」 
「必死に否定してあの子も変態……自白した。いひひ、面白い。傑作」 
「よかった。まともな龍人族もいるんだ……」

 後ろの二人とはまだ話が通じそうだ。
 小さい子の方は若干怪しいけどパオラさんよりはマシだ。

「ユニオンに所属しているとなると、お前たちも敵か!」
「……その好戦的な感じ、いいねぇ。獣人なら喧嘩相手には申し分ない。待ちくたびれて身体が鈍っちまうところだったからな!」
「……うちは、面白ければ何でもいい」

 各自臨戦態勢に入る。
 フィアーたちとの合流も済んでいないのに龍人族と戦うのは無謀にも程がある。
 ただすんなりと通してもらえそうにないし、どうにかしてやり過ごさないと……。

「オレは雷龍のライカ。姐御はもう知っているよな? じゃあ、こっちの眠そうにしてるのが――」
「……土龍のクム。……今後ともよろしく。救世主様とそれから愛すべき変態の大地の精霊様」
「どうして私の正体を……! 抗魔の首輪は機能しているはずです!」
「だってうち、土龍だし?」

 よくわからないけど凄い説得力だった。

「精霊を従えるだなんて流石はニノ様です。……おや、あの生意気な闇精霊の姿がありませんね」
「従えてはいませんし、今から合流するところですよ。……もしかしてあの時、フィアーの事を知っていて見逃してくれたんですか?」
「まるで別人のように大人しくなっていましたので気付くのに少々遅れましたが。お嬢様は初めから見抜いてらしたようですが、ニノ様もご存じの通りなにぶん寡黙な方ですので……自分で調べましたとも」
「……あの子が闇精霊だと知った今、どうするつもりで……! まさか交渉の材料に使うとか――」

 フィアーの存在は一部では認められているものの。
 それでも危うい事には変わりはない。過去の罪は一生ついて回る。
 今は少しずつ理解者を増やしている最中だ。それを部外者に無茶苦茶にされる訳にはいかない。

「どうもしません。どうやら誤解されていらっしゃるようですが、我々は貴方様の不利益となる行動を取るつもりはありません。まぁ……場合によっては仕方なーく敵対しちゃたりする場面も訪れたりしますが」
「それが、今ですか」
「はい。その通りでございます」

 パオラさんは一度お辞儀をしてから歩みを進める。
 ふらふらとまるで死人アンデットのような何かに取り憑かれた危うい足取り。
 今回もまた簡単に懐への侵入を許してしまう。やっぱり僕はこの人が苦手だ。
 
 セレーネとノート様が止める暇もなく。
 鼻先がくっつく距離にまで接近する。そして、龍の瞳が開かれた。

「もう、我慢の限界ですので。お嬢様には内緒で少しだけ――――味見させていただきますね」 
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