マッチングアプリで知り合った

あさき のぞみ

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第7話 きれいな足

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りながシャワーを出た後、俺もシャワーを浴びようと思った。夏だし当然。と思っていた。
「裕太さん、ゆっくり浴びてきてくださいね」
りなはタオルを巻いたまま、ベッドに腰掛けて微笑んだ。
「うん、ありがとう」
俺はバスルームに向かった。
ドアの前に置かれた、脱衣カゴ。
そこに、りなの服がある。
白いブラウス。チェック柄のミニスカート。そして——
浴室は死角になっている。
誰も見ていない。
俺は思わず、カゴの中を覗き込んだ。
服の下に、薄くて淡いパープルの紐が見えた。
え、もしかしてりなのパ、パンツ??!
レース付きの、小さな下着。
想像していたよりも、ずっと大人っぽいデザインだった。
心臓が跳ねる。
こんなの見ちゃダメだ。
でも、目が離せない。
その下着を身に着けていた、りなの体を想像してしまう。
白いブラウスの下に隠されていた肌。
ミニスカートの奥に秘められていた、この淡いパープルの布。
そして今、バスルームの向こうには、タオル一枚を纏っただけのりながいる。
俺のアレは昨日よりも反応していた。
ジーンズの上からでも分かるほど、硬く、熱くなっている。
「裕太さん、どうしました?」
りなの声が聞こえて、俺は慌てて立ち上がった。
「な、何でもない!今入るから!」
急いでバスルームに入り、ドアを閉めた。
鏡に映る自分の顔は、真っ赤だった。
シャワーを浴びながら、頭を冷やそうとした。
だが、水を浴びても、頭の中はりなのことでいっぱいだった。
映画館で見た、あの白い脚。
腕に掴まってきた時の、柔らかな感触。
キスをした時の、甘い唇。
そして、タオル姿のりな。
想像が止まらない。
このあと、どうなるんだろう。
昨日は美咲さんに逃げられた。
でも今日は違う。
りなは、俺を受け入れてくれる気がする。
期待と不安が入り混じって、心臓が激しく鳴っている。
シャワーを終えて、用意されていた黒いガウンを羽織った。
深呼吸する。
落ち着け。焦るな。
ドアを開けて、部屋に戻った。
りなは、ベッドに座っていた。
同じ黒いガウンを着て、髪を乾かしている。
「お帰りなさい」
「ただいま」
なんだか、新婚夫婦みたいなやり取りだった。
「裕太さん、隣座ってください」
りなはベッドを軽く叩いた。
俺は緊張しながら、隣に腰掛けた。
「りなさん、髪乾かすの手伝おうか?」
「いいんですか?嬉しい」
俺はタオルを手に取って、りなの髪を優しく拭いた。
サラサラとした黒髪。シャンプーの香り。
近い。すごく近い。
りなの肩に触れそうなくらい、距離が近い。
「裕太さん、優しいですね」
「そうかな」
「うん。すごく優しい」
りなは俺の方を向いた。
至近距離で、見つめ合う。
「私ね、裕太さんみたいな人を探してたんです」
「どんな人?」
「優しくて、真面目で、一緒にいて楽しい人」
りなは俺の手を取った。
「裕太さんは、全部当てはまります」
「りなさん……」
「もっと近くに来てください」
りなは俺の首に手を回して、引き寄せた。
キスをする。
さっきよりも深く、長く。
舌が絡み合う。
りなの体が、俺に寄りかかってくる。
ガウンの隙間から、肌が見える。
白くて、柔らかそうで——
「裕太さん」
りなが囁いた。
「触ってもいいですよ」
その言葉に、理性が溶けそうになった。
俺は震える手で、りなの肩に触れた。
ガウンの上からでも分かる、滑らかな肌。
りなは目を閉じて、身を任せている。
俺はゆっくりと、手を滑らせた。
肩から、鎖骨へ。
鎖骨から、胸元へ——
その時、りなの足が動いた。
ガウンの裾から覗く、白い脚。
映画館で見た、あの美しい脚。
今、目の前にある。
「裕太さん、脚……きれいですか?」
りなが恥ずかしそうに聞いてきた。
「すごく……きれい」
俺は思わず、りなの脚に触れた。
太ももの柔らかさ。膝の滑らかさ。ふくらはぎの曲線。
すべてが完璧だった。
「裕太さんの手、温かい」
りなは微笑んで、俺の手を握った。
「私、裕太さんに全部……見せたいです」
そう言って、りなはガウンの帯に手をかけた。
ゆっくりと、解いていく。
ガウンが開いて——
その瞬間。
ピロン。
スマホの通知音が鳴った。
「あれ……電源切ったはずなのに……」
俺は混乱しながら、スマホを見た。
画面には、大量の通知が表示されていた。
LINEが15件。
マッチングアプリが23件。
そして、見知らぬ番号からの着信履歴が5件。
「裕太さん、どうしたんですか?」
りなが心配そうに覗き込んできた。
「いや、ちょっと……」
通知を開くと、色々な女性からメッセージが来ていた。
「まい:明日のデート、楽しみにしてます💕」
「さくら:金曜日、絶対来てくださいね」
「ゆい:裕太さん、今日会えませんか?」
「あかり:メッセージ見てくれましたか?返事待ってます」
そして、見知らぬ番号からのSMS。
「あなたのマッチングアプリアカウントに不正なアクセスが検知されました。至急ご確認ください」
不正なアクセス?
俺は焦ってアプリを開いた。
ログイン履歴を見ると——
今日の昼12時。
俺が新宿に向かっている最中に、別の場所からログインされていた。
場所は……渋谷。
そして、その時間帯に大量のいいねが送られていた。
50人以上の女性に。
「どういうこと……?」
俺のアカウントが、勝手に使われている?
誰かに乗っ取られている?
混乱していると、りなが俺の肩に手を置いた。
「裕太さん、大丈夫ですか?顔色悪いですよ」
「うん、ちょっと……気分が……」
頭が痛くなってきた。
何が起きているんだ。
なぜ、俺のアカウントが勝手に動いているんだ。
「裕太さん、今日はもう休んだ方がいいかもしれません」
りなは優しく言った。
「ごめん、りなさん。せっかくここまで……」
「いいんです。裕太さんの体が心配ですから」
りなは服を着始めた。
「また今度、ゆっくり会いましょう」
「本当にごめん……」
「謝らないでください。私、待ってますから」
りなは微笑んで、部屋を出ていった。
また、一人だ。
また、失敗した。
俺はベッドに倒れ込んだ。
スマホの画面には、まだ通知が増え続けている。
誰が、何のために、俺のアカウントを使っているんだ。
そして、なぜこんなに多くの女性とマッチングしているんだ。
頭の中が、ぐちゃぐちゃになっていた。
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