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第二章
ウォーレイク元帥府
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「ありがとうございました!」
遠ざかるファーレンハイト大尉の乗る馬車を敬礼で見送る。
結構かかったな。
もう陽は完全に落ちてしまっているし、ウォーレイク元帥閣下はまだいるんだろうか?
とにかく言ってみるしかないな。
「おや? これは少尉。こんな時間にどうされたのですか?」
おっと、この優しそうな声は間違いない!
2階のテラスから声をかけてくださったのは我らがボス!
ウォーレイク元帥閣下だ。
「閣下! こんな時間に申し訳ありません! ですが、お伝えしたい事がありまして……」
「わかりました。どうぞ、2階のこの部屋にいらしてください」
「はっ!」
ありがたい。
普通なら明日にしろとか言われそうだけど、まったく気にした様子もなく招いてくれる。
こんな良い人を嫌うヴォルドン司令長官の気がしれないよ。
えっと……両脇に兵士が立っている部屋があるけど、ここでいいのかな?
「少尉殿。どうぞ」
あっ、伝えてくれてたみたいだな。
兵士がノックした後に扉を開けてくれた。
「ありがとう」
部屋に入ると意外な光景が目に入ってきた。
元帥閣下だけじゃなくて、この人達もいたのか。
「失礼します! リクト・フォン・シュナイデン少尉であります!」
「ほぅ、士官の軍服も似合うじゃないか」
「昇進おめでとう」
「少尉か。これは私もうかうかしておれんな」
「おめでとぉ! 遂に階級並ばれちゃったかぁ」
ジェニングス中将、アンダーソン大佐、ヴォルガング大尉、リンテール少尉が出迎えてくれる。
昇進を祝ってくれるのは嬉しいな。
「少尉、昇進おめでとう。それで、今日はどうされたのですか?」
「ありがとうございます、閣下。実はお伝えしておきたい事がありまして……」
俺は陛下からの命令である虎龍の討伐に大尉と少尉が同行する件と人事部での出来事、ファーレンハイト大尉との出会いについて報告した。
「虎龍の件はこちらにも連絡が来ています。ヴォルガング大尉、リンテール少尉も了承しています」
「任せておけ。私の《雷の涙》にかかれば虎龍など恐るるに足りん!」
「油断はしない方がいいよぉ、アリシアちゃん。私も精一杯頑張るからぁ、よろしくね!」
「はっ! よろしくお願いします」
2人はやる気満々みたいだな。
虎龍相手に全く動じた様子もない。
凄いな。
「それにしてもヒーマン大佐にも困ったものですね。いくら司令長官の意向とはいえ、人事部長が派閥の勧誘とは……」
「閣下。これは重大な越権行為です。すぐに軍令部総長か軍務大臣に報告すべきです」
「それは無理だよ、大佐。ヒーマンの豚野郎は転属願がないか聞いただけだからな。これは勧誘とは言えない。せいぜい紛らわしい言い方をするなと注意されるだけさ」
た、確かに中将の言う通りだ。
はっきり部下になれと言われたわけじゃないけど、こういう陰険なのは好かないな。
遠ざかるファーレンハイト大尉の乗る馬車を敬礼で見送る。
結構かかったな。
もう陽は完全に落ちてしまっているし、ウォーレイク元帥閣下はまだいるんだろうか?
とにかく言ってみるしかないな。
「おや? これは少尉。こんな時間にどうされたのですか?」
おっと、この優しそうな声は間違いない!
2階のテラスから声をかけてくださったのは我らがボス!
ウォーレイク元帥閣下だ。
「閣下! こんな時間に申し訳ありません! ですが、お伝えしたい事がありまして……」
「わかりました。どうぞ、2階のこの部屋にいらしてください」
「はっ!」
ありがたい。
普通なら明日にしろとか言われそうだけど、まったく気にした様子もなく招いてくれる。
こんな良い人を嫌うヴォルドン司令長官の気がしれないよ。
えっと……両脇に兵士が立っている部屋があるけど、ここでいいのかな?
「少尉殿。どうぞ」
あっ、伝えてくれてたみたいだな。
兵士がノックした後に扉を開けてくれた。
「ありがとう」
部屋に入ると意外な光景が目に入ってきた。
元帥閣下だけじゃなくて、この人達もいたのか。
「失礼します! リクト・フォン・シュナイデン少尉であります!」
「ほぅ、士官の軍服も似合うじゃないか」
「昇進おめでとう」
「少尉か。これは私もうかうかしておれんな」
「おめでとぉ! 遂に階級並ばれちゃったかぁ」
ジェニングス中将、アンダーソン大佐、ヴォルガング大尉、リンテール少尉が出迎えてくれる。
昇進を祝ってくれるのは嬉しいな。
「少尉、昇進おめでとう。それで、今日はどうされたのですか?」
「ありがとうございます、閣下。実はお伝えしておきたい事がありまして……」
俺は陛下からの命令である虎龍の討伐に大尉と少尉が同行する件と人事部での出来事、ファーレンハイト大尉との出会いについて報告した。
「虎龍の件はこちらにも連絡が来ています。ヴォルガング大尉、リンテール少尉も了承しています」
「任せておけ。私の《雷の涙》にかかれば虎龍など恐るるに足りん!」
「油断はしない方がいいよぉ、アリシアちゃん。私も精一杯頑張るからぁ、よろしくね!」
「はっ! よろしくお願いします」
2人はやる気満々みたいだな。
虎龍相手に全く動じた様子もない。
凄いな。
「それにしてもヒーマン大佐にも困ったものですね。いくら司令長官の意向とはいえ、人事部長が派閥の勧誘とは……」
「閣下。これは重大な越権行為です。すぐに軍令部総長か軍務大臣に報告すべきです」
「それは無理だよ、大佐。ヒーマンの豚野郎は転属願がないか聞いただけだからな。これは勧誘とは言えない。せいぜい紛らわしい言い方をするなと注意されるだけさ」
た、確かに中将の言う通りだ。
はっきり部下になれと言われたわけじゃないけど、こういう陰険なのは好かないな。
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