食うために軍人になりました。

 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
 しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
 このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
 そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
 父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
 
 それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
 両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
 軍と言っても、のどかな田舎の軍。
 リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
 おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
 その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
 生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
 

 剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
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