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第四章
増改築
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「お家に屋敷がぁあああああ!?」
予想外の光景に訳の分からない言葉が口から飛び出した。
いや、だっておかしいでしょ!?
扉を開けたら即エントランスだよ?
俺の家は外から見たらどうなってるんだよっ!
「驚いたか? 裏にあった集合住宅を丸々買い取って改装してくっつけてやったんだよ。お前にバレないようにやるのは大変だったんだぞ?」
バレないようにやる必要はないと思うけど、それよりどうやってやったかの方が気になる。
俺は昨日の夜から今朝までこの家にいたんだぞ?
それをバレないように家を増改築するってどうやったんだよ!
「それは機密事項だ」
「うっ! ま、まだ何も言ってませんが……」
「その顔を見ればわかる。バレないように増改築する方法を教えたら、この先の楽しみが無くなってしまうじゃないか」
ぬぅううう……
という事は今後もバレないように増改築をするつもりだな。
そっちがその気ならこっちだって常に家の周りを気にしておいてやる!
次こそは『今、家イジってますよね?』って先に言ってやるからな!
「さて、戯れはその辺にして本題に入るとしよう。おい、テラーズ。アレを」
「はい。かしこまりました」
テラーズが俺に一枚の封筒を渡してきた。
なんだこれ?
封蝋は皇家のものだな。
という事はこれは皇家からの直々の手紙って事か?
本人が目の前にいるってのに面倒な事だな。
「これは開けてもよろしいのですか?」
「当然だ」
許可を貰ったので開けてみましょ。
えっと……『リクト・フォン・シュナイデン少佐のヴァランタイン四勲章競合戦への参加を認める』か……
うん、全然意味がわからないな。
なんなんだ?
この《ヴァランタイン四勲章競合戦》ってのは?
テラーズに聞いてみるか。
ん? テラーズ? テラーズっ!?
「なんでここにお前がいるんだよ!? テラーズ!」
「随分と気づくのが遅かったのですね。もう私の事など忘れられたのかと涙が溢れるのを堪えておりましたが、杞憂だったようで良かったです」
「嘘つけ! 涙なんか最初から一滴も出すつもりないだろ! それよりなんでここにいるんだよ!? ロンドベルゲンの屋敷を任せておいただろ!?」
「ご安心ください。あちらはヒルダがちゃんと管理しておりますから。あの者達、思っていたよりもかなり優秀でしてな。それに私も帝都に用事があったのですよ。これもロンドベルゲンのため、シュナイデン家のためと思ってください」
むぅ……ロンドベルゲンの民のためと言われたら仕方ないな。
しかし、相変わらず神出鬼没な奴だ。
「まぁいい。それよりこの《ヴァランタイン四勲章競合戦》ってのは何なのかを教えてくれ」
「かしこまりました。旦那様、これはとても名誉な事なので、心して聞いてくださいませ」
テラーズはいつも以上に真剣な眼で俺を見つめながらそう言った。
どうやら本気な話のようだ。
予想外の光景に訳の分からない言葉が口から飛び出した。
いや、だっておかしいでしょ!?
扉を開けたら即エントランスだよ?
俺の家は外から見たらどうなってるんだよっ!
「驚いたか? 裏にあった集合住宅を丸々買い取って改装してくっつけてやったんだよ。お前にバレないようにやるのは大変だったんだぞ?」
バレないようにやる必要はないと思うけど、それよりどうやってやったかの方が気になる。
俺は昨日の夜から今朝までこの家にいたんだぞ?
それをバレないように家を増改築するってどうやったんだよ!
「それは機密事項だ」
「うっ! ま、まだ何も言ってませんが……」
「その顔を見ればわかる。バレないように増改築する方法を教えたら、この先の楽しみが無くなってしまうじゃないか」
ぬぅううう……
という事は今後もバレないように増改築をするつもりだな。
そっちがその気ならこっちだって常に家の周りを気にしておいてやる!
次こそは『今、家イジってますよね?』って先に言ってやるからな!
「さて、戯れはその辺にして本題に入るとしよう。おい、テラーズ。アレを」
「はい。かしこまりました」
テラーズが俺に一枚の封筒を渡してきた。
なんだこれ?
封蝋は皇家のものだな。
という事はこれは皇家からの直々の手紙って事か?
本人が目の前にいるってのに面倒な事だな。
「これは開けてもよろしいのですか?」
「当然だ」
許可を貰ったので開けてみましょ。
えっと……『リクト・フォン・シュナイデン少佐のヴァランタイン四勲章競合戦への参加を認める』か……
うん、全然意味がわからないな。
なんなんだ?
この《ヴァランタイン四勲章競合戦》ってのは?
テラーズに聞いてみるか。
ん? テラーズ? テラーズっ!?
「なんでここにお前がいるんだよ!? テラーズ!」
「随分と気づくのが遅かったのですね。もう私の事など忘れられたのかと涙が溢れるのを堪えておりましたが、杞憂だったようで良かったです」
「嘘つけ! 涙なんか最初から一滴も出すつもりないだろ! それよりなんでここにいるんだよ!? ロンドベルゲンの屋敷を任せておいただろ!?」
「ご安心ください。あちらはヒルダがちゃんと管理しておりますから。あの者達、思っていたよりもかなり優秀でしてな。それに私も帝都に用事があったのですよ。これもロンドベルゲンのため、シュナイデン家のためと思ってください」
むぅ……ロンドベルゲンの民のためと言われたら仕方ないな。
しかし、相変わらず神出鬼没な奴だ。
「まぁいい。それよりこの《ヴァランタイン四勲章競合戦》ってのは何なのかを教えてくれ」
「かしこまりました。旦那様、これはとても名誉な事なので、心して聞いてくださいませ」
テラーズはいつも以上に真剣な眼で俺を見つめながらそう言った。
どうやら本気な話のようだ。
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