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第五章
安心感
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優しい顔で私を見下ろす私の好きな人。
こうして見ると2年前より背が高くなってるせいか、別人のような感覚になる。
でも、この優しい笑顔は昔のままだった。
「リッくん……な、なんでここに?」
「決まってるでしょ? 喧嘩を売りにきたんですよ」
ふえっ? な、何?
喧嘩? 何で? わ、私が何かした?
「おや? それは僕に対してかな?」
聖剣を納めたバランディン様がリッくんの前に立っている。
なんかさっきより余裕のない顔をしてる気がするけど気のせいかなぁ?
「そうですよ。バランディン様。失礼ながら喧嘩を売らせていただきたく存じます」
「へぇ。面白いね。実は僕も君と喧嘩したかったのさ。ちょうどいいね」
ふ、2人も笑顔で丁寧な口調なのに、この威圧感はなに?
く、空気が重いよ……
「一応、喧嘩を売られた理由を聞いてもいいかな?」
「敵討ちです。私の大切な仲間のね」
ぶぅうううううううう!
た、た、た、大切な恋人ぉおおおおお!?
うぉおおおおおお!
なんじゃ、この胸熱な展開はぁあああああ!?
「へぇ、そうなんだ。いいだろう。順当にいけば君と当たるのは準決勝か。ちゃんと勝ち上がってこれるかな?」
「御心遣い痛みいります。それとご安心ください。私は負けた相手に追い討ちをかけるような真似はしませんから」
ピ、ピリピリしてる……
リッくんってこんな感じだったっけ?
でも、今のリッくんも好き!
きゃああああああ! ごめんね! ごめんね! アリシアちゃん! イリアちゃん! お姉ちゃん!
ファナは先にお嫁にいきますぅううう!
「楽しみにしているよ。シュナイデン卿。では、またね。あっ、レディの扱いは丁重にね」
それだけ言うとバランディン様は控室の方に去って行った。
残されたのは私とリッくんだけ……このまま公開告白とか……ど、ど、どうしよう!?
「ファンティーヌ」
「ふにゃっ!? は、は、はいっ!」
くるの? きちゃうの? ま、まだ心の準備が……
「何を考えてるんだっ!?」
「うぇっ!? えっ、えぇえええ?」
ど、怒鳴られた?
あれ? こ、告白は?
「あんな馬鹿でかい真紅流星爆発を考え無しに撃つなんてどういうつもりだ!? 闘技場ごと吹き飛ぶところだったんだぞ! 裏で結界を強化したり観客の避難誘導したり大変だったんだぞ!」
「うっ……で、でも、あれぐらいしないと勝てないと思って……」
「無茶をして犠牲を出した勝利なんて敗北と同じだ! まして犠牲ありきの作戦なんて言語道断! そんな自分も他人も大事にできないようでは困る!」
うにゅ……正論過ぎて反論できない……
「それに! 前に俺と戦った時も真紅流星爆発撃ちすぎてぶっ倒れたでしょ! ちゃんと考えて戦わないと自分の命が幾つあっても足りないぞ!」
「ううぅ……」
め、めっちゃ怒られてる。
そりゃそうよね。
さっきのだってバランディン様だからなんとかしてくれたけど、本当なら大惨事になってたかもしれない。
私の勝ちへの焦りが……リッくんへの愛情が暴走したせい。
リッくんが怒るのも無理ないよね。
合わせる顔がないよ。
「ごめんなさい……」
「はぁ……」
リッくんの大きな溜息が聞こえる。
嫌われちゃったかな……
「何をしてる?」
「えっ?」
顔を上げると背中を見せてしゃがんでるリッくんがいた。
これって……あの時の……
「あの時のようなおんぶはもういらないのか?」
「い、いるぅ!」
思わず背中に思いっきり抱きついちゃったけど、全然ビクともしない。
それに前より大きなこの背中!
この心地よさ……し、幸せすぎる!
「ケガがなくてよかった」
おまけにこの優しい声……うわぁぁあああああ!
やっぱり好きぃいいいいい!
絶対に離したくない!
誰にも渡したくないよぉおおおお!!
こうして見ると2年前より背が高くなってるせいか、別人のような感覚になる。
でも、この優しい笑顔は昔のままだった。
「リッくん……な、なんでここに?」
「決まってるでしょ? 喧嘩を売りにきたんですよ」
ふえっ? な、何?
喧嘩? 何で? わ、私が何かした?
「おや? それは僕に対してかな?」
聖剣を納めたバランディン様がリッくんの前に立っている。
なんかさっきより余裕のない顔をしてる気がするけど気のせいかなぁ?
「そうですよ。バランディン様。失礼ながら喧嘩を売らせていただきたく存じます」
「へぇ。面白いね。実は僕も君と喧嘩したかったのさ。ちょうどいいね」
ふ、2人も笑顔で丁寧な口調なのに、この威圧感はなに?
く、空気が重いよ……
「一応、喧嘩を売られた理由を聞いてもいいかな?」
「敵討ちです。私の大切な仲間のね」
ぶぅうううううううう!
た、た、た、大切な恋人ぉおおおおお!?
うぉおおおおおお!
なんじゃ、この胸熱な展開はぁあああああ!?
「へぇ、そうなんだ。いいだろう。順当にいけば君と当たるのは準決勝か。ちゃんと勝ち上がってこれるかな?」
「御心遣い痛みいります。それとご安心ください。私は負けた相手に追い討ちをかけるような真似はしませんから」
ピ、ピリピリしてる……
リッくんってこんな感じだったっけ?
でも、今のリッくんも好き!
きゃああああああ! ごめんね! ごめんね! アリシアちゃん! イリアちゃん! お姉ちゃん!
ファナは先にお嫁にいきますぅううう!
「楽しみにしているよ。シュナイデン卿。では、またね。あっ、レディの扱いは丁重にね」
それだけ言うとバランディン様は控室の方に去って行った。
残されたのは私とリッくんだけ……このまま公開告白とか……ど、ど、どうしよう!?
「ファンティーヌ」
「ふにゃっ!? は、は、はいっ!」
くるの? きちゃうの? ま、まだ心の準備が……
「何を考えてるんだっ!?」
「うぇっ!? えっ、えぇえええ?」
ど、怒鳴られた?
あれ? こ、告白は?
「あんな馬鹿でかい真紅流星爆発を考え無しに撃つなんてどういうつもりだ!? 闘技場ごと吹き飛ぶところだったんだぞ! 裏で結界を強化したり観客の避難誘導したり大変だったんだぞ!」
「うっ……で、でも、あれぐらいしないと勝てないと思って……」
「無茶をして犠牲を出した勝利なんて敗北と同じだ! まして犠牲ありきの作戦なんて言語道断! そんな自分も他人も大事にできないようでは困る!」
うにゅ……正論過ぎて反論できない……
「それに! 前に俺と戦った時も真紅流星爆発撃ちすぎてぶっ倒れたでしょ! ちゃんと考えて戦わないと自分の命が幾つあっても足りないぞ!」
「ううぅ……」
め、めっちゃ怒られてる。
そりゃそうよね。
さっきのだってバランディン様だからなんとかしてくれたけど、本当なら大惨事になってたかもしれない。
私の勝ちへの焦りが……リッくんへの愛情が暴走したせい。
リッくんが怒るのも無理ないよね。
合わせる顔がないよ。
「ごめんなさい……」
「はぁ……」
リッくんの大きな溜息が聞こえる。
嫌われちゃったかな……
「何をしてる?」
「えっ?」
顔を上げると背中を見せてしゃがんでるリッくんがいた。
これって……あの時の……
「あの時のようなおんぶはもういらないのか?」
「い、いるぅ!」
思わず背中に思いっきり抱きついちゃったけど、全然ビクともしない。
それに前より大きなこの背中!
この心地よさ……し、幸せすぎる!
「ケガがなくてよかった」
おまけにこの優しい声……うわぁぁあああああ!
やっぱり好きぃいいいいい!
絶対に離したくない!
誰にも渡したくないよぉおおおお!!
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