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第三章
領主のお仕事
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「では、此度の面会はこれで終了とします」
テラーズの言葉に領民の代表達はサッと立ち上がると、全員で一礼してから帰って行った。
やれやれ、これで一息つける。
「旦那様、御見事でございました」
「ふぁ?」
突拍子なテラーズの褒め言葉に間抜けな返事をしてしまった。
だってテラーズはいつもいきなりなんだもん。
「先の収支報告の件です。奴等は税を誤魔化すために収入を過小報告する事があるんですが、さっきの言葉で誤魔化そうとする者などおりますまい。万が一にも今は旦那様の不興を買いたくはないでしょうから」
別にそんなつもりで言ったんじゃないんだけどね。
ただ、ちゃんと報告しないと税が高くなっちゃうよって注告しただけなんだけど。
「是非、今の調子でお願いします。本日は使用人面接もありますからな」
「それって今から?」
「いえ、本日の昼からです」
なんだ、意外と余裕があるじゃないか。
スケジュール満載って言ってたからすぐに次の予定があるのかと思った。
「じゃあ、その辺を散歩でもしてくるかな」
「お待ちください。なぜ、そうなるのですか?」
「えっ? だって面接は昼からなんだろ? さっき朝飯食ったばかりだし、まだ時間は……」
「何を言われますか? 本日の予定が面接だけなわけないです。これから領主としての通常業務をやっていただきます」
「つ、通常業務?」
「そうです。こちらにどうぞ」
テラーズは先に立って歩き出し、2階の執務室へと案内された。
中は俺の部屋と同じくらい広くて、真ん中にでっかい机が置かれていた。
並べられた調度品や家具は精巧で高級感を遺憾無く発揮している。
正直、触れるのも嫌なくらいだ。
「机に置いてある書類に目を通して承認をいただきたく思います。内容は領土内の食料の需要と供給の報告、それに税収と支出の予想推移と今後の使用計画案、更に犯罪者に対する罰則確認と結婚、出産の承認など様々ですが、昼食までお願い致します」
あほかっ!
何枚あると思ってるんだよ、この書類!
10枚や20枚じゃ済まないぞ!
軍曹の時に領軍の備蓄管理はしてた事あったけど、それにしたって大変だったんだからな!
「泣言は無駄ですから。さっさと始めましょう。時間はありませんよ」
くそったれ!
仕方ない、とりあえず椅子に座ってみよう。
わーい、座り心地いい椅子だ!
って、言ってる場合かっ!
とにかく書類に目を通さないとな。
「えっと……これは今期の税金の収入予想か? こっち支出の方か? うーん……」
全然わからん!
だいたいこの街の収支なんて昨日来たばかりの俺にわかるわけないだろ!
俺にどうしろってんだよ!
「旦那様。こちらが去年までの収支報告書になります。それと照らし合わせて妥当な金額か確認してください」
そんな分厚い書類の束持ってこられても……
ああ、もうやるしかねえ!
テラーズの言葉に領民の代表達はサッと立ち上がると、全員で一礼してから帰って行った。
やれやれ、これで一息つける。
「旦那様、御見事でございました」
「ふぁ?」
突拍子なテラーズの褒め言葉に間抜けな返事をしてしまった。
だってテラーズはいつもいきなりなんだもん。
「先の収支報告の件です。奴等は税を誤魔化すために収入を過小報告する事があるんですが、さっきの言葉で誤魔化そうとする者などおりますまい。万が一にも今は旦那様の不興を買いたくはないでしょうから」
別にそんなつもりで言ったんじゃないんだけどね。
ただ、ちゃんと報告しないと税が高くなっちゃうよって注告しただけなんだけど。
「是非、今の調子でお願いします。本日は使用人面接もありますからな」
「それって今から?」
「いえ、本日の昼からです」
なんだ、意外と余裕があるじゃないか。
スケジュール満載って言ってたからすぐに次の予定があるのかと思った。
「じゃあ、その辺を散歩でもしてくるかな」
「お待ちください。なぜ、そうなるのですか?」
「えっ? だって面接は昼からなんだろ? さっき朝飯食ったばかりだし、まだ時間は……」
「何を言われますか? 本日の予定が面接だけなわけないです。これから領主としての通常業務をやっていただきます」
「つ、通常業務?」
「そうです。こちらにどうぞ」
テラーズは先に立って歩き出し、2階の執務室へと案内された。
中は俺の部屋と同じくらい広くて、真ん中にでっかい机が置かれていた。
並べられた調度品や家具は精巧で高級感を遺憾無く発揮している。
正直、触れるのも嫌なくらいだ。
「机に置いてある書類に目を通して承認をいただきたく思います。内容は領土内の食料の需要と供給の報告、それに税収と支出の予想推移と今後の使用計画案、更に犯罪者に対する罰則確認と結婚、出産の承認など様々ですが、昼食までお願い致します」
あほかっ!
何枚あると思ってるんだよ、この書類!
10枚や20枚じゃ済まないぞ!
軍曹の時に領軍の備蓄管理はしてた事あったけど、それにしたって大変だったんだからな!
「泣言は無駄ですから。さっさと始めましょう。時間はありませんよ」
くそったれ!
仕方ない、とりあえず椅子に座ってみよう。
わーい、座り心地いい椅子だ!
って、言ってる場合かっ!
とにかく書類に目を通さないとな。
「えっと……これは今期の税金の収入予想か? こっち支出の方か? うーん……」
全然わからん!
だいたいこの街の収支なんて昨日来たばかりの俺にわかるわけないだろ!
俺にどうしろってんだよ!
「旦那様。こちらが去年までの収支報告書になります。それと照らし合わせて妥当な金額か確認してください」
そんな分厚い書類の束持ってこられても……
ああ、もうやるしかねえ!
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