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第三章
リーゼンフェルト少将
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「第78小隊のリクト・フォン・シュナイデン大尉であります!」
俺は左翼本陣に出頭して、官姓名を名乗った。
本陣にいるのは3人で全員が簡素な椅子に腰掛けている。
肩章からすると真ん中の白髪の人がリーゼンフェルト少将のようだな。
「よく来てくれた、大尉。それにしても若いとは聞いていたが、本当に若いな。いくつになる?」
「今年で16になります」
「16か。その年ですでに帝国軍大尉とは……」
なんだ?
また陛下の寵愛とか貴族のボンボンとか言われるのか?
はぁ、どいつもこいつも……。
「実に素晴らしい。私なんかよりよっぽど優秀だ」
「えっ? あ、ありがとう……ございます」
てっきり貶されるかと思ったのに、褒められた。
ちょっと拍子抜けだな。
いやいや、これは上げて落とすタイプかもしれない。
気を許しちゃダメだ。
「閣下、この者の昇進は運に恵まれただけの事。お褒めになるようなことでは……」
ほら、やっぱりいたでしょ?
少将の隣に座ってた中佐は最初から俺を睨んでいたし、なんか嫌な感じしたんだ。
陰険なやつは何処にでもいるんだよ。
「中佐。運に恵まれるというのは戦場では非常に重要なことだ。君は優秀な兵士だが運を鍛える事はできないだろう。元々、運に恵まれている事は、大変素晴らしい事だと私は思うよ」
「なるほど! 失礼しましたっ! 大尉も不快な思いをさせた、すまない!」
うぇっ!? いや、急に頭を下げられても……あれ? どういう事?
「あの……頭を上げてください。小官は気にしておりませんので……」
「そうか、ありがとう。『運も実力の内』というのを失念し、貴官を侮るとはなんとも不甲斐ない。以後、戒めるとしよう」
真っ直ぐ! すごい真っ直ぐな人!
こっちこそ陰険とか思ってすいません!
「誤解も解けたところで、大尉。本題に入らせてもらっていいかな? 我々、左翼部隊は攻城中の右翼を攻めるんだが、その先鋒を君の小隊に任せたいのだ」
「先陣を小官にお任せいただけるのですか? それは名誉な事でありますが……」
先陣は武門の誉だけど、相手は烏合の衆とはいえ50000もいる。
右翼だけでも10000から15000はいるだろう。
そこにうちの小隊50程度で突っ込むのはさすがに無謀だ。
「もちろん貴官の小隊だけではない。我が左翼部隊8000は君の小隊に続いて敵の右翼に突撃しようと考えている」
は、8000全部っ!?
全軍突撃なんてあり得るのか?
ほとんど玉砕攻げ……ん? 待てよ?
全軍突撃で俺の小隊が先陣……。
つまり、俺達が8000を率いて突っ込むってことかっ!?
……ヤバいな。
俺は左翼本陣に出頭して、官姓名を名乗った。
本陣にいるのは3人で全員が簡素な椅子に腰掛けている。
肩章からすると真ん中の白髪の人がリーゼンフェルト少将のようだな。
「よく来てくれた、大尉。それにしても若いとは聞いていたが、本当に若いな。いくつになる?」
「今年で16になります」
「16か。その年ですでに帝国軍大尉とは……」
なんだ?
また陛下の寵愛とか貴族のボンボンとか言われるのか?
はぁ、どいつもこいつも……。
「実に素晴らしい。私なんかよりよっぽど優秀だ」
「えっ? あ、ありがとう……ございます」
てっきり貶されるかと思ったのに、褒められた。
ちょっと拍子抜けだな。
いやいや、これは上げて落とすタイプかもしれない。
気を許しちゃダメだ。
「閣下、この者の昇進は運に恵まれただけの事。お褒めになるようなことでは……」
ほら、やっぱりいたでしょ?
少将の隣に座ってた中佐は最初から俺を睨んでいたし、なんか嫌な感じしたんだ。
陰険なやつは何処にでもいるんだよ。
「中佐。運に恵まれるというのは戦場では非常に重要なことだ。君は優秀な兵士だが運を鍛える事はできないだろう。元々、運に恵まれている事は、大変素晴らしい事だと私は思うよ」
「なるほど! 失礼しましたっ! 大尉も不快な思いをさせた、すまない!」
うぇっ!? いや、急に頭を下げられても……あれ? どういう事?
「あの……頭を上げてください。小官は気にしておりませんので……」
「そうか、ありがとう。『運も実力の内』というのを失念し、貴官を侮るとはなんとも不甲斐ない。以後、戒めるとしよう」
真っ直ぐ! すごい真っ直ぐな人!
こっちこそ陰険とか思ってすいません!
「誤解も解けたところで、大尉。本題に入らせてもらっていいかな? 我々、左翼部隊は攻城中の右翼を攻めるんだが、その先鋒を君の小隊に任せたいのだ」
「先陣を小官にお任せいただけるのですか? それは名誉な事でありますが……」
先陣は武門の誉だけど、相手は烏合の衆とはいえ50000もいる。
右翼だけでも10000から15000はいるだろう。
そこにうちの小隊50程度で突っ込むのはさすがに無謀だ。
「もちろん貴官の小隊だけではない。我が左翼部隊8000は君の小隊に続いて敵の右翼に突撃しようと考えている」
は、8000全部っ!?
全軍突撃なんてあり得るのか?
ほとんど玉砕攻げ……ん? 待てよ?
全軍突撃で俺の小隊が先陣……。
つまり、俺達が8000を率いて突っ込むってことかっ!?
……ヤバいな。
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