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第七章
アレ
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翌日、目を輝かせたフォルネアに叩き起こされたのは言うまでもない。
時間は早朝。
太陽もまだ半分しか昇ってないっての!
怪我人を労われ!
「さて、我が愛しの相棒殿。この度は僕のアレに挑戦してくれる気になってくれてありがとう。おかげで僕はとても晴れやかな気分で目覚める事ができたよ」
俺は最悪の目覚めだったけどな。
まさか、寝てる間にベットごと外に放り投げられるとは思わなかったぞ。
夢の中で空を飛んでる気分になれたのはよかったけど、大地に叩きつけられた衝撃はこの世の終わりかと思ったわ。
「さぁさぁ、早く心の準備を整えてくれ。その間に僕は術式の構築に入るからさ」
「あのさ、今更だけど……本当に大丈夫なんだよな? その術式」
「もちろんだ! 僕の研究の成果を信じてくれ!」
曖昧すぎるっ!?
そんなんじゃ疑心は全く拭えないぞ!
でも……今はフォルネアを信じるしか魔族との戦いに生き残る道はない。
覚悟を決めろ!
そう言い聞かせるんだ、俺!
「安心しろ。僕だって相棒を失いたくはない。万全の準備を整えているからさ。さぁ、そろそろ準備はいいかな? この魔法陣の中に入ってくれたまえ」
怪しく鈍く光る小さな魔法陣が大地に広がっている。
時々奇妙な音を発しながら、手のようなものがうにょうにょと伸びているように見えるのは、絶対に気のせいじゃない。
怖え……これ、魔法陣に飲み込まれたりしないよな?
「さっさと入れ! じゃあ行くぞ、僕の知識と技術の粋を集めた特殊修行術式! 【魔闘封鎖錠】」
「な、なんだっ!?」
フォルネアの声で発動した魔法陣から幾つもの魔力の鎖が飛び出し、俺の身体を覆い尽くすように巻きついていく。
鎖が巻き付くたびに身体が重くなっていくのがわかる。
おいおい、マジかよ。
立っているのもヤバくなってきたぞ!
「おおおっ、凄い凄い! 素晴らしい! 僕のイメージ通りだ! 上手くいって良かったよ!」
ちょっと待て!
なんか凄く不安を煽る言葉を言ってなかったか!?
上手くいって良かったって、万全の準備ってのは何だったんだよ!
ぐっ! お、重い……身体がまるで、自分の身体じゃないみたいだ。
う、動かな……いぞ……
「鎖は止まったから、これがリクトの限界かな? パッと見た感じは僕にもわからないけど、今のリクトの身体には幾重にも魔力の鎖が巻きついて、動きを押さえ込んでいるはずだ。どうだい? 今の気分は?」
「ぬぬぬ……お、おい! ほ、本当にこれでいいのか? 指一本動かす事も出来ないんだぞ? これで修行になるのかっ!?」
「もちろんだよ。今の状態で魔力を全開に放出してみな。そうすれば動けるようになるはずさ」
魔力を全開で放出って、こうか!?
た、確かに動かせるようにはなったけど、これって……
「フォ、フォルネア! 確かに動けるようになったけど、こんな全開状態をいつまでやればいいんだよ?」
「何言ってんの? ずっとに決まってるじゃん。この【魔闘封鎖錠】は、対象者の今の全魔力と同じ魔力で行動を縛るものなんだ。だから、全魔力を放出して拮抗させないと動けないんだよ」
「じゃ、じゃあ! このままずっと全開でいろってのかっ!? 無茶言うなよ!」
「無茶でもやらないといけないのはわかるだろ? 前にも説明したけど、この修行なら短時間で魔力の総量を増やす事ができる。君がガルビアより更に上位の魔族と戦おうと思うならこれしか方法はないんだよ」
それはわからないでもないけど、これはキツすぎるだろ。
短距離走のペースで終わらない長距離走やらされてるようなもんだぞ。
やっぱり、やるんじゃなかった!
時間は早朝。
太陽もまだ半分しか昇ってないっての!
怪我人を労われ!
「さて、我が愛しの相棒殿。この度は僕のアレに挑戦してくれる気になってくれてありがとう。おかげで僕はとても晴れやかな気分で目覚める事ができたよ」
俺は最悪の目覚めだったけどな。
まさか、寝てる間にベットごと外に放り投げられるとは思わなかったぞ。
夢の中で空を飛んでる気分になれたのはよかったけど、大地に叩きつけられた衝撃はこの世の終わりかと思ったわ。
「さぁさぁ、早く心の準備を整えてくれ。その間に僕は術式の構築に入るからさ」
「あのさ、今更だけど……本当に大丈夫なんだよな? その術式」
「もちろんだ! 僕の研究の成果を信じてくれ!」
曖昧すぎるっ!?
そんなんじゃ疑心は全く拭えないぞ!
でも……今はフォルネアを信じるしか魔族との戦いに生き残る道はない。
覚悟を決めろ!
そう言い聞かせるんだ、俺!
「安心しろ。僕だって相棒を失いたくはない。万全の準備を整えているからさ。さぁ、そろそろ準備はいいかな? この魔法陣の中に入ってくれたまえ」
怪しく鈍く光る小さな魔法陣が大地に広がっている。
時々奇妙な音を発しながら、手のようなものがうにょうにょと伸びているように見えるのは、絶対に気のせいじゃない。
怖え……これ、魔法陣に飲み込まれたりしないよな?
「さっさと入れ! じゃあ行くぞ、僕の知識と技術の粋を集めた特殊修行術式! 【魔闘封鎖錠】」
「な、なんだっ!?」
フォルネアの声で発動した魔法陣から幾つもの魔力の鎖が飛び出し、俺の身体を覆い尽くすように巻きついていく。
鎖が巻き付くたびに身体が重くなっていくのがわかる。
おいおい、マジかよ。
立っているのもヤバくなってきたぞ!
「おおおっ、凄い凄い! 素晴らしい! 僕のイメージ通りだ! 上手くいって良かったよ!」
ちょっと待て!
なんか凄く不安を煽る言葉を言ってなかったか!?
上手くいって良かったって、万全の準備ってのは何だったんだよ!
ぐっ! お、重い……身体がまるで、自分の身体じゃないみたいだ。
う、動かな……いぞ……
「鎖は止まったから、これがリクトの限界かな? パッと見た感じは僕にもわからないけど、今のリクトの身体には幾重にも魔力の鎖が巻きついて、動きを押さえ込んでいるはずだ。どうだい? 今の気分は?」
「ぬぬぬ……お、おい! ほ、本当にこれでいいのか? 指一本動かす事も出来ないんだぞ? これで修行になるのかっ!?」
「もちろんだよ。今の状態で魔力を全開に放出してみな。そうすれば動けるようになるはずさ」
魔力を全開で放出って、こうか!?
た、確かに動かせるようにはなったけど、これって……
「フォ、フォルネア! 確かに動けるようになったけど、こんな全開状態をいつまでやればいいんだよ?」
「何言ってんの? ずっとに決まってるじゃん。この【魔闘封鎖錠】は、対象者の今の全魔力と同じ魔力で行動を縛るものなんだ。だから、全魔力を放出して拮抗させないと動けないんだよ」
「じゃ、じゃあ! このままずっと全開でいろってのかっ!? 無茶言うなよ!」
「無茶でもやらないといけないのはわかるだろ? 前にも説明したけど、この修行なら短時間で魔力の総量を増やす事ができる。君がガルビアより更に上位の魔族と戦おうと思うならこれしか方法はないんだよ」
それはわからないでもないけど、これはキツすぎるだろ。
短距離走のペースで終わらない長距離走やらされてるようなもんだぞ。
やっぱり、やるんじゃなかった!
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