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第三章
ファルケンウッド勲章
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ファルケンウッド勲章ね。
そういえば前にももらった事があったな。
陛下から貰ったヴァランタイン勲章。
でも、あれ以来付ける事もなく、今は元帥府で閣下に管理してもらってる。
なんせウチじゃいない時に強盗にでも入られたら困るからね。
「ほぅ、閣下は本当に大尉が気に入ったようですな。ファルケンウッド勲章など久しぶりに拝見致しましたよ」
「ああ、気に入ったさ。アレを見た時、身体の芯からゾクゾクと震えあがったからな」
「アレ……とは、なんでしょう?」
「我が領地であるヴィライトの森林地帯の一部が荒野と化していやがった。おまけにデケェ穴のオマケ付きでな」
「その情報はこちらでも確認しております。部下の報告を聞いた時はなんの間違いかと思いましたが……閣下がそう仰られるなら全て事実なのでしょうな」
「その報告ではなんと言っていた?」
「『戦闘があった場所かは不明だが、不可解な地点を発見。森林地帯に草木の一本も残らぬ荒野が突如出現しており、更に半径100メートル余りが半球状に深く抉れていた』との事です」
「少将、お前はいい部下を持ち過ぎているな。大正解だ」
あそこはやっぱり辺境伯の領地だったんだな。
となると、やっぱり地形を変えたのはマズかったかな?
普通にやり合ったらどうなってたかわからない相手だったし、それぐらいは大目に見てほしいね。
「ファルケンウッド勲章は帝国の四大辺境伯が授与する勲章の一つだ。長年の功績か目覚ましい武勲がないと与えられないものだから、大尉の若さで授与されるのは異例と言えるだろう。誇りにするといい」
「そうだぞ。俺は特に気に入ったやつじゃないとやらないからな。長くいるだけのボケがたまに物欲しげに見てきやがるが、そんな奴にはやる気も起きねえし、目覚ましい武勲なんてのここ数年はチラリとも聞かなくなった。情けない話だ」
肩を落として落胆したレッドウッド辺境伯がチラッとこっちを見るけど、俺は異動志願しないからね。
「では、ありがたく頂戴致します。閣下、ありがとうございます」
「ふんっ! 気が変わったらいつでも連絡してこい。鈍ってなければ使ってやる。じゃあな」
捨て台詞を置いて閣下は天幕を出て行った。
しかし、最初から最後まで乱暴な物腰だったけど、上級貴族ってもっと上品な感じじゃないのか?
まぁ一括りには言えないだろうけど、とても辺境伯様には見えなかったな。
どっちかと言えば酒場の冒険者みたいな感じだった。
「閣下は変わった方でな。他の御兄弟達が貴族ばかりと親交を深めていた時も、一人で城を抜け出して、獣や魔物を狩り、それを領民達に分け与えていたそうだ。先代の辺境伯様はその姿を見て、あの方を後継を決められたと言う。その辺りからして普通の貴族とは違うんだろう」
なるほど。
確かに変わった方だ。
だけど、嫌いじゃない。
それより少将……何で思った事に完璧な返事をくれるんですか?
そろそろ本気で怖くなってきましたよ?
そういえば前にももらった事があったな。
陛下から貰ったヴァランタイン勲章。
でも、あれ以来付ける事もなく、今は元帥府で閣下に管理してもらってる。
なんせウチじゃいない時に強盗にでも入られたら困るからね。
「ほぅ、閣下は本当に大尉が気に入ったようですな。ファルケンウッド勲章など久しぶりに拝見致しましたよ」
「ああ、気に入ったさ。アレを見た時、身体の芯からゾクゾクと震えあがったからな」
「アレ……とは、なんでしょう?」
「我が領地であるヴィライトの森林地帯の一部が荒野と化していやがった。おまけにデケェ穴のオマケ付きでな」
「その情報はこちらでも確認しております。部下の報告を聞いた時はなんの間違いかと思いましたが……閣下がそう仰られるなら全て事実なのでしょうな」
「その報告ではなんと言っていた?」
「『戦闘があった場所かは不明だが、不可解な地点を発見。森林地帯に草木の一本も残らぬ荒野が突如出現しており、更に半径100メートル余りが半球状に深く抉れていた』との事です」
「少将、お前はいい部下を持ち過ぎているな。大正解だ」
あそこはやっぱり辺境伯の領地だったんだな。
となると、やっぱり地形を変えたのはマズかったかな?
普通にやり合ったらどうなってたかわからない相手だったし、それぐらいは大目に見てほしいね。
「ファルケンウッド勲章は帝国の四大辺境伯が授与する勲章の一つだ。長年の功績か目覚ましい武勲がないと与えられないものだから、大尉の若さで授与されるのは異例と言えるだろう。誇りにするといい」
「そうだぞ。俺は特に気に入ったやつじゃないとやらないからな。長くいるだけのボケがたまに物欲しげに見てきやがるが、そんな奴にはやる気も起きねえし、目覚ましい武勲なんてのここ数年はチラリとも聞かなくなった。情けない話だ」
肩を落として落胆したレッドウッド辺境伯がチラッとこっちを見るけど、俺は異動志願しないからね。
「では、ありがたく頂戴致します。閣下、ありがとうございます」
「ふんっ! 気が変わったらいつでも連絡してこい。鈍ってなければ使ってやる。じゃあな」
捨て台詞を置いて閣下は天幕を出て行った。
しかし、最初から最後まで乱暴な物腰だったけど、上級貴族ってもっと上品な感じじゃないのか?
まぁ一括りには言えないだろうけど、とても辺境伯様には見えなかったな。
どっちかと言えば酒場の冒険者みたいな感じだった。
「閣下は変わった方でな。他の御兄弟達が貴族ばかりと親交を深めていた時も、一人で城を抜け出して、獣や魔物を狩り、それを領民達に分け与えていたそうだ。先代の辺境伯様はその姿を見て、あの方を後継を決められたと言う。その辺りからして普通の貴族とは違うんだろう」
なるほど。
確かに変わった方だ。
だけど、嫌いじゃない。
それより少将……何で思った事に完璧な返事をくれるんですか?
そろそろ本気で怖くなってきましたよ?
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