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第四章
現状
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「今の皇帝は名君だが過去には無能もいたし、暴君もいた。長い歴史の中で緩やかに腐敗し、それが根幹に伸びてからは一気に腐敗した。このままじゃ、帝国は内外両面から崩壊する事になるだろうぜ」
「前門の虎、後門の狼ってわけか……」
「それで済むわけねぇだろ。上下左右からもだよ」
オフィリアン……それは笑い事じゃねぇよ。
でも、その通りだな。
帝国は腐敗って国内の問題もあるけど、国外の問題も大きい。
北の共和国とは政治思想の違いから戦争中だし、南の連邦とは種族の問題から一触即発の状態だ。
西の王国は戦争にはなってないけど、帝国が王国から独立した経緯もあって仲が良いとは言えない。
王国のさらに西には小国がいくつかあるって話だけど、帝国とは全く交流がない状態だ。
それと東の海洋国家。
貿易を求めて友好関係を結びたいとやって来たらしいけど、東の貴族達への賄賂や商店の買収工作をしてるって噂もあって、経済的に帝国を支配しようとしているのかもしれないって話だ。
孤立無援の帝国はこの先どうなってしまうんだろ。
「まぁ、今気にしても仕方ねぇよ。一気に解決するような問題じゃねぇし、気長にやろうぜ」
「気長にやる余裕なんてないぞ」
「だからって焦ったって仕方ねぇだろ。今は力を溜める時期なんだよ。陛下は全ての貴族達を篩いにかけて信用できる者達を探している。ウォーレイク元帥は自身の配下に有能な人材を集めているんだ。お前はその両方の御眼鏡に叶ったんだから軽率な行動はするなよ」
「御眼鏡に叶った? それはどういう意味だ?」
「陛下はお前に武器を下賜されただろ? 本来、陛下との謁見では武器の持込みは禁止されているが、陛下から下賜された物に限っては持ち込んでも良いとされているんだよ。つまり、それだけ信用にたる人物であると陛下が認めたってわけだ」
そうだったのか。
全く知らなかった。
前の謁見の時も折れた刀を持って行ってたから預けたんだよなぁ。
陛下から下賜された刀は貰ってから一度も佩刀してない。
なんとなく畏れ多いからなぁ。
「ウォーレイク元帥の方は今更説明の必要もないだろ? 田舎の一領兵を帝都の元帥直属の士官にしたんだぜ? それだけでも異例の大出世なんだからな」
確かに。
田舎の一領兵が、帝都の元帥直属の士官で男爵だもんなぁ。
普通に考えたらあり得ないよ。
食うに困ってたから軍に入って、退役まで田舎でのんびりするはずだったんだけどなぁ。
前にも思ったけど、どうしてこうなったんだろうな。
「前門の虎、後門の狼ってわけか……」
「それで済むわけねぇだろ。上下左右からもだよ」
オフィリアン……それは笑い事じゃねぇよ。
でも、その通りだな。
帝国は腐敗って国内の問題もあるけど、国外の問題も大きい。
北の共和国とは政治思想の違いから戦争中だし、南の連邦とは種族の問題から一触即発の状態だ。
西の王国は戦争にはなってないけど、帝国が王国から独立した経緯もあって仲が良いとは言えない。
王国のさらに西には小国がいくつかあるって話だけど、帝国とは全く交流がない状態だ。
それと東の海洋国家。
貿易を求めて友好関係を結びたいとやって来たらしいけど、東の貴族達への賄賂や商店の買収工作をしてるって噂もあって、経済的に帝国を支配しようとしているのかもしれないって話だ。
孤立無援の帝国はこの先どうなってしまうんだろ。
「まぁ、今気にしても仕方ねぇよ。一気に解決するような問題じゃねぇし、気長にやろうぜ」
「気長にやる余裕なんてないぞ」
「だからって焦ったって仕方ねぇだろ。今は力を溜める時期なんだよ。陛下は全ての貴族達を篩いにかけて信用できる者達を探している。ウォーレイク元帥は自身の配下に有能な人材を集めているんだ。お前はその両方の御眼鏡に叶ったんだから軽率な行動はするなよ」
「御眼鏡に叶った? それはどういう意味だ?」
「陛下はお前に武器を下賜されただろ? 本来、陛下との謁見では武器の持込みは禁止されているが、陛下から下賜された物に限っては持ち込んでも良いとされているんだよ。つまり、それだけ信用にたる人物であると陛下が認めたってわけだ」
そうだったのか。
全く知らなかった。
前の謁見の時も折れた刀を持って行ってたから預けたんだよなぁ。
陛下から下賜された刀は貰ってから一度も佩刀してない。
なんとなく畏れ多いからなぁ。
「ウォーレイク元帥の方は今更説明の必要もないだろ? 田舎の一領兵を帝都の元帥直属の士官にしたんだぜ? それだけでも異例の大出世なんだからな」
確かに。
田舎の一領兵が、帝都の元帥直属の士官で男爵だもんなぁ。
普通に考えたらあり得ないよ。
食うに困ってたから軍に入って、退役まで田舎でのんびりするはずだったんだけどなぁ。
前にも思ったけど、どうしてこうなったんだろうな。
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