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第一章
勘違いリクト
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「どうしたのでありますか? 何かあったのでありますか?」
ダウスター男爵様にジェニングス中将、アンダーソン大佐、ヴォルガング大尉にリンテール少尉、サイモン上級曹長、ロースター軍曹。
それに見知らぬ2人の軍服の男が揃って目を見開いて固まっている。
一体どうしたというのだろうか?
「軍曹! き、貴官は潜入工作の準備をしていたのではなかったのか?」
サイモン上級曹長が詰まりながら俺に聞いてきた。
「準備? 小官は刀を取りに行ってからすぐに出発しましたが? それにもう潜入してきたであります」
「せ、潜入してきた? ま、まさか、そんな! あ、あれから2時間も経ってないではないか」
「思ったより簡単に潜入できまして。此方のカール……失礼。ライエル男爵も救出出来たであります」
俺の言葉に全身鎧姿だったカールは兜を取って会釈をした。
「ダウスター男爵。面目次第もございません。この度の我が領地への救援に深く感謝いたします」
カールは男爵様に向かって頭を下げ、謝罪し感謝の言葉を述べた。
「あ、ああ。ま、まぁ、壮健でなによりだ。ライエル男爵。ところで軍曹。貴官の事だ。これ以外にも戦果はあるのではないか?」
さすが男爵様はよくわかってらっしゃる。
俺は魔法鞄を前に出す。
「御命令通り、標的であるマックロン男爵を討ち取ってございます。他にも幾名か討ち取りましたので、御確認を」
俺はとりあえず最初に倒した派手鎧と近衛を指揮していた兵士と救援部隊を指揮していた兵士の3人の遺体を出した。
それを男爵様や他の人達も確認する。
「見事だ。確かにマックロン男爵だ。よくやったな、シュナイデン軍曹」
「他の2名はオーマン伯爵の近衛隊長と警備隊長ですな。以前に会った事があります。これは御手柄ですな」
男爵様と見知らぬ軍服の男がそう言った。
あれ?
この派手鎧がマックロン男爵なのか?
じゃあ、あの馬鹿貴族は誰だったんだろう。
「あの……この男がマックロン男爵でありますか?」
「そうだ。それがどうかしたのか?」
「じゃあ、この男は誰でありますか?」
俺は馬鹿貴族の遺体を出して見せた。
すると、全員が目を見開いて、また固まった。
「こ、これはオーマン伯爵! オーマン伯爵じゃないか!」
「ま、間違いない! 一体、どういう事だ?」
「ぐ、軍曹! どういう事だ! 説明せよ!」
全員が慌ただしく俺を問い詰める。
俺は事のあらましを説明し、他の騎士達の階級章もついでに出しておいた。
「これは……間違いない。オーマン伯爵直属の騎士団の団員達の階級章だ。き、貴官はたった1人でそれを殲滅したというのか? 本当なのか?」
「本当であるとすれば、別の意味で化物と言わざるをえんな」
「それについては私が証拠です。ライエル男爵家の名誉にかけて嘘偽りなどありません」
見知らぬ男達の疑いの声に、カールが家名にかけてまで明言してくれた。
ありがとう、カール。
持つべきものは友達だな。
「軍曹……」
不意に男爵様より声がかかり、俺がそっちを向くと、ぶっとい腕と分厚い胸板に押し潰されそうになる。
男爵様が俺を抱きしめたようだ。
俺には衆道の趣味はないんだが……。
「よくぞ、よくぞやってくれた! その五体を盾とし、そのような姿になってまで……貴官は我が軍の誇りである!」
褒められているのはわかるんだが……く、苦しい。
なんて馬鹿力だ。
ほ、骨が軋む……。
ダウスター男爵様にジェニングス中将、アンダーソン大佐、ヴォルガング大尉にリンテール少尉、サイモン上級曹長、ロースター軍曹。
それに見知らぬ2人の軍服の男が揃って目を見開いて固まっている。
一体どうしたというのだろうか?
「軍曹! き、貴官は潜入工作の準備をしていたのではなかったのか?」
サイモン上級曹長が詰まりながら俺に聞いてきた。
「準備? 小官は刀を取りに行ってからすぐに出発しましたが? それにもう潜入してきたであります」
「せ、潜入してきた? ま、まさか、そんな! あ、あれから2時間も経ってないではないか」
「思ったより簡単に潜入できまして。此方のカール……失礼。ライエル男爵も救出出来たであります」
俺の言葉に全身鎧姿だったカールは兜を取って会釈をした。
「ダウスター男爵。面目次第もございません。この度の我が領地への救援に深く感謝いたします」
カールは男爵様に向かって頭を下げ、謝罪し感謝の言葉を述べた。
「あ、ああ。ま、まぁ、壮健でなによりだ。ライエル男爵。ところで軍曹。貴官の事だ。これ以外にも戦果はあるのではないか?」
さすが男爵様はよくわかってらっしゃる。
俺は魔法鞄を前に出す。
「御命令通り、標的であるマックロン男爵を討ち取ってございます。他にも幾名か討ち取りましたので、御確認を」
俺はとりあえず最初に倒した派手鎧と近衛を指揮していた兵士と救援部隊を指揮していた兵士の3人の遺体を出した。
それを男爵様や他の人達も確認する。
「見事だ。確かにマックロン男爵だ。よくやったな、シュナイデン軍曹」
「他の2名はオーマン伯爵の近衛隊長と警備隊長ですな。以前に会った事があります。これは御手柄ですな」
男爵様と見知らぬ軍服の男がそう言った。
あれ?
この派手鎧がマックロン男爵なのか?
じゃあ、あの馬鹿貴族は誰だったんだろう。
「あの……この男がマックロン男爵でありますか?」
「そうだ。それがどうかしたのか?」
「じゃあ、この男は誰でありますか?」
俺は馬鹿貴族の遺体を出して見せた。
すると、全員が目を見開いて、また固まった。
「こ、これはオーマン伯爵! オーマン伯爵じゃないか!」
「ま、間違いない! 一体、どういう事だ?」
「ぐ、軍曹! どういう事だ! 説明せよ!」
全員が慌ただしく俺を問い詰める。
俺は事のあらましを説明し、他の騎士達の階級章もついでに出しておいた。
「これは……間違いない。オーマン伯爵直属の騎士団の団員達の階級章だ。き、貴官はたった1人でそれを殲滅したというのか? 本当なのか?」
「本当であるとすれば、別の意味で化物と言わざるをえんな」
「それについては私が証拠です。ライエル男爵家の名誉にかけて嘘偽りなどありません」
見知らぬ男達の疑いの声に、カールが家名にかけてまで明言してくれた。
ありがとう、カール。
持つべきものは友達だな。
「軍曹……」
不意に男爵様より声がかかり、俺がそっちを向くと、ぶっとい腕と分厚い胸板に押し潰されそうになる。
男爵様が俺を抱きしめたようだ。
俺には衆道の趣味はないんだが……。
「よくぞ、よくぞやってくれた! その五体を盾とし、そのような姿になってまで……貴官は我が軍の誇りである!」
褒められているのはわかるんだが……く、苦しい。
なんて馬鹿力だ。
ほ、骨が軋む……。
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