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第三章
理不尽
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ちくしょおおおおおお!
勅命と言われたら反論のしようがないじゃないかっ!
勅命って皇帝陛下からの直々の命令って事だから、それに逆らえば陛下に対する叛逆になる。
叛逆罪は一族郎党死刑、さすがに反論できない。
くそっ! はぁ……仕方ないか。
「そんなに嫌そうな顔をするな。私とて鬼ではない。高等士官学校に通いながら領主の仕事を全部しろとは言わん」
おっと、また表情に出てたようだ。
これも気をつけないとヤバいな。
「それはどういう意味でしょうか?」
「ロンドベルゲンは平和な街だ。はっきり言えばお前がする仕事はほとんどない。今も派遣している代官で事足りているからな」
ん? じゃあなんで俺にその街を治めさせたがるんだ?
「土地を持たない貴族は法服貴族と呼ばれるのを知っているか?」
法服貴族?
なんか聞いたことがあるような……
あっ! カールだ!
あのオーマン騒動の後でライエル領は没収されたけど貴族籍は残るって、ダウスター子爵が教えてくれた時にそんなこと言ってた。
「法服貴族は官職に就く事で身分を保証された貴族の事だ。要は領地がなくても、街の代官などの役職に就いておれば貴族にはなれるのだ」
「でしたら、小官も法服貴族でよかったのではありませんか?」
ついでに准男爵の地位も貰わなくてもいいのでは?
と、言うのはやめておこう。
陛下の顔がマジになってるしね。
「お前、今回の遠征で共和国の大英雄スティーグ・ルーストレームを撃退したのであろう?」
「まぁ、撃退したというか、痛み分けというか……」
さすがに見逃したとは言えません。
「どちらにせよ退けた事に変わりはない。そして、その事実はいずれ近隣諸国へと広まるであろう。その功に対して何も報いなければ私自身、引いては帝国の恥となる。だから、お前は昇進だけでなく、陞爵も受けねばならんのだ」
そんな対外的な理由で陞爵すんの?
まぁ、皇帝陛下のメンツのためと言われれば納得もするけどさ。
「陞爵が必要なのはわかりましたが、小官が法服貴族ではいけない理由はなんでしょうか?」
「オーマン叛逆騒動の立役者であり、虎龍の単騎討伐者、おまけに今回のルーストレームの撃退とくればお前を麾下に加えたいという軍人や貴族はゴロゴロいる。そして法服貴族は立場上、役職につけれるなら何処にでも転属させる事ができるのだ。だからお前を法服貴族にすると自身の麾下に配属させるための裏工作や闇取引が横行しかねん状況なのだ」
「ま、まさか……買い被りでは?」
「テラーズ」
「はい。シュナイデン卿を配下にしようと幾人かの貴族が既に動いております。また、軍の上級将校や高級官僚が不穏な動きをしているとの情報もあります。その情報を聞いたダウスター子爵が領内におけるシュナイデン卿のご家族の警護を厚くしたとの事です」
なっ、なんだって!?
なんでウチの実家がそんな事に!?
「これが今の帝国だ。目的のために手段など選ばんのだよ」
滅茶苦茶な話だ。
国外への見栄と国内の腐敗のために俺だけじゃなく、家族まで危険に晒されるなんて!
本当に腐ってるな、この国はっ!
勅命と言われたら反論のしようがないじゃないかっ!
勅命って皇帝陛下からの直々の命令って事だから、それに逆らえば陛下に対する叛逆になる。
叛逆罪は一族郎党死刑、さすがに反論できない。
くそっ! はぁ……仕方ないか。
「そんなに嫌そうな顔をするな。私とて鬼ではない。高等士官学校に通いながら領主の仕事を全部しろとは言わん」
おっと、また表情に出てたようだ。
これも気をつけないとヤバいな。
「それはどういう意味でしょうか?」
「ロンドベルゲンは平和な街だ。はっきり言えばお前がする仕事はほとんどない。今も派遣している代官で事足りているからな」
ん? じゃあなんで俺にその街を治めさせたがるんだ?
「土地を持たない貴族は法服貴族と呼ばれるのを知っているか?」
法服貴族?
なんか聞いたことがあるような……
あっ! カールだ!
あのオーマン騒動の後でライエル領は没収されたけど貴族籍は残るって、ダウスター子爵が教えてくれた時にそんなこと言ってた。
「法服貴族は官職に就く事で身分を保証された貴族の事だ。要は領地がなくても、街の代官などの役職に就いておれば貴族にはなれるのだ」
「でしたら、小官も法服貴族でよかったのではありませんか?」
ついでに准男爵の地位も貰わなくてもいいのでは?
と、言うのはやめておこう。
陛下の顔がマジになってるしね。
「お前、今回の遠征で共和国の大英雄スティーグ・ルーストレームを撃退したのであろう?」
「まぁ、撃退したというか、痛み分けというか……」
さすがに見逃したとは言えません。
「どちらにせよ退けた事に変わりはない。そして、その事実はいずれ近隣諸国へと広まるであろう。その功に対して何も報いなければ私自身、引いては帝国の恥となる。だから、お前は昇進だけでなく、陞爵も受けねばならんのだ」
そんな対外的な理由で陞爵すんの?
まぁ、皇帝陛下のメンツのためと言われれば納得もするけどさ。
「陞爵が必要なのはわかりましたが、小官が法服貴族ではいけない理由はなんでしょうか?」
「オーマン叛逆騒動の立役者であり、虎龍の単騎討伐者、おまけに今回のルーストレームの撃退とくればお前を麾下に加えたいという軍人や貴族はゴロゴロいる。そして法服貴族は立場上、役職につけれるなら何処にでも転属させる事ができるのだ。だからお前を法服貴族にすると自身の麾下に配属させるための裏工作や闇取引が横行しかねん状況なのだ」
「ま、まさか……買い被りでは?」
「テラーズ」
「はい。シュナイデン卿を配下にしようと幾人かの貴族が既に動いております。また、軍の上級将校や高級官僚が不穏な動きをしているとの情報もあります。その情報を聞いたダウスター子爵が領内におけるシュナイデン卿のご家族の警護を厚くしたとの事です」
なっ、なんだって!?
なんでウチの実家がそんな事に!?
「これが今の帝国だ。目的のために手段など選ばんのだよ」
滅茶苦茶な話だ。
国外への見栄と国内の腐敗のために俺だけじゃなく、家族まで危険に晒されるなんて!
本当に腐ってるな、この国はっ!
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