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第一章
末恐ろしい
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ミノタウロス。
ダンジョンに出る魔物の中でも上位に属する牛の頭を持つ二足歩行の魔物である。
無双の怪力から繰り出される戦斧の威力は凄まじく、数々のハンターを苦しめてきた。
そんな厄介な存在であるミノタウロスであるが、その素材は超高級品として扱われている。
角や皮は勿論だが、なんと言っても肉である。
ほどよくサシの入った身は硬くはないがしっかりとした歯応えがあり、噛めば噛むほど肉の旨味が口いっぱいに広がる。
その美味さゆえにミノタウロス肉を食べた後はしばらく他の肉では満足出来なくなると言われているほどだ。
しかし、当然だ値段は高くなる。
その相場は1キロ120000ルーク。
オーク肉の10倍以上である。
「ミ、ミノタウロスの肉なんかウチの店には……」
「ウチを貸し切るお客さんなんだけど、ミノタウロスの討伐に成功して、素材が高く売れたからそのお祝いするんだってぇ~とっても良いお店が高く買い取ってくれたって喜んでたよぉ~?」
サトはその場で固まった。
以前、オーク肉が大量に余った際に仲良くなったハンター達がミノタウロスの素材を持ち込んでくれたのだ。
需要の高いミノタウロスの素材はそれこそどこの店でも高く買い取ってくれるのだが、世話になったからとロンメル商店に売りにきてくれたのだ。
その時に買い取ったミノタウロスの肉は約70キロ。
角や皮を含めた総買取額一千万にもなる大取引だった。
「あのミノタウロスの肉を寄越せと……」
「やだなぁ~ちゃんとお金は払うよ? ただ、ちょっとオマケしてくれたら嬉しいなぁ~って思っただけだよぉ~?」
天使が見せる悪魔の笑顔。
最早サトにはそうとしか表現出来なかった。
「……わかった。だけど、今回ばかりははそこまで下げれないぞ? とりあえず何キロ?」
「20キロ!」
「うぇっ!? に、20キロっ!? えっと……普通なら240万だから……220?」
「もう一声」
「くっ……に、200? いや、ここは190だ! これならどうだっ!?」
「うーん、確かに破格だけど~そうだっ! 私が本当にお嫁さんになってあげるから160にしてよ!」
「ひゃ、160ぅううううううう! げ、原価切ってるんだけど……仕方ない。無理を言ってるのはこっちだし、わかったよ。その値段で……」
「「「だめぇえええええええ!」」」
諦めた表情で納得しようとするサトの口をエレン、アメリア、ミネルバァの3人が慌てて押さえ込んだ。
「むぐ……」
「こ、この小娘はやっぱり危険にゃ! いきなりぶっ込んできたにゃ!」
「危うく私もスルーするところでした! 自然に結婚に持ち込もうとするなんて!」
「末恐ろしい娘よ……」
必死になって止める3人をキョトンとした表情で見つめるクロエ。
「あれ? もうちょっとで言質が取れそうだったのに。まぁ、いいか。次頑張ろっと!」
4人全員が凍りついた瞬間だった。
ダンジョンに出る魔物の中でも上位に属する牛の頭を持つ二足歩行の魔物である。
無双の怪力から繰り出される戦斧の威力は凄まじく、数々のハンターを苦しめてきた。
そんな厄介な存在であるミノタウロスであるが、その素材は超高級品として扱われている。
角や皮は勿論だが、なんと言っても肉である。
ほどよくサシの入った身は硬くはないがしっかりとした歯応えがあり、噛めば噛むほど肉の旨味が口いっぱいに広がる。
その美味さゆえにミノタウロス肉を食べた後はしばらく他の肉では満足出来なくなると言われているほどだ。
しかし、当然だ値段は高くなる。
その相場は1キロ120000ルーク。
オーク肉の10倍以上である。
「ミ、ミノタウロスの肉なんかウチの店には……」
「ウチを貸し切るお客さんなんだけど、ミノタウロスの討伐に成功して、素材が高く売れたからそのお祝いするんだってぇ~とっても良いお店が高く買い取ってくれたって喜んでたよぉ~?」
サトはその場で固まった。
以前、オーク肉が大量に余った際に仲良くなったハンター達がミノタウロスの素材を持ち込んでくれたのだ。
需要の高いミノタウロスの素材はそれこそどこの店でも高く買い取ってくれるのだが、世話になったからとロンメル商店に売りにきてくれたのだ。
その時に買い取ったミノタウロスの肉は約70キロ。
角や皮を含めた総買取額一千万にもなる大取引だった。
「あのミノタウロスの肉を寄越せと……」
「やだなぁ~ちゃんとお金は払うよ? ただ、ちょっとオマケしてくれたら嬉しいなぁ~って思っただけだよぉ~?」
天使が見せる悪魔の笑顔。
最早サトにはそうとしか表現出来なかった。
「……わかった。だけど、今回ばかりははそこまで下げれないぞ? とりあえず何キロ?」
「20キロ!」
「うぇっ!? に、20キロっ!? えっと……普通なら240万だから……220?」
「もう一声」
「くっ……に、200? いや、ここは190だ! これならどうだっ!?」
「うーん、確かに破格だけど~そうだっ! 私が本当にお嫁さんになってあげるから160にしてよ!」
「ひゃ、160ぅううううううう! げ、原価切ってるんだけど……仕方ない。無理を言ってるのはこっちだし、わかったよ。その値段で……」
「「「だめぇえええええええ!」」」
諦めた表情で納得しようとするサトの口をエレン、アメリア、ミネルバァの3人が慌てて押さえ込んだ。
「むぐ……」
「こ、この小娘はやっぱり危険にゃ! いきなりぶっ込んできたにゃ!」
「危うく私もスルーするところでした! 自然に結婚に持ち込もうとするなんて!」
「末恐ろしい娘よ……」
必死になって止める3人をキョトンとした表情で見つめるクロエ。
「あれ? もうちょっとで言質が取れそうだったのに。まぁ、いいか。次頑張ろっと!」
4人全員が凍りついた瞬間だった。
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