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第一章
アメリアの想い
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静まり返っていた4人だったが、しばらくしてアメリアが口を開いた。
「さて、次は私かにゃ? 私が大トリって訳にはいかないでしょうからね」
アメリアはミネルバァの方をチラッと見ながらそう言ったが、ミネルバァは口を開かずに静観するのみだった。
「……とにかく私は今までも散々言ってきたけど、私の旦那様はサトだけにゃ。強い男を求めるのは獣人の本能、譲るつもりは一切ないにゃ」
「ああ、それなんですけど。サトって強いんですか? 私は人柄はいいと思いましたけど、腕っぷしの方は期待してなかったんですけど?」
アメリアの言葉にクロエが疑問を呈した。
彼女にとってのサトの腕っぷしと言えば、初めて会った時の泥棒騒ぎである。
少なくともその時のサトは強そうではなかった。
「私が言ってるのは意志の強さにゃ。この目つきの悪い御主人の威圧を受けても、サトは一歩も引かなかったにゃ。己の意志を通すなんて、言葉では簡単だけど、実際には大変な事だからにゃ」
「目つきが悪くて悪かったな! 確かにサトには腕っぷしはないな。ロンメルからも武器の扱いにおけるセンスが全くないと聞いているし、そこは今後の課題でもあるな」
3人がそう評価する中で、1人だけ別の思惑がある者が少しの思案の後に口を開いた。
「サト様は弱くありませんよ」
「うにゃ? それはどういう事にゃ?」
エレンの言葉にアメリアが興味深そうに問いかけた。
アメリアとしては芯の通ったサトに惚れたのであって、腕っぷしは二の次だった。
しかし、強ければそれに越した事は無い。
「腕っぷしという点ではおそらくロンメル様の言う通り、センスの欠片もないでしょう。ですが、だからと言って弱いとは限らないって事です」
「んにゃ? どういう意味にゃ?」
「サトには魔法の才があるという事か?」
「いえ、魔法でもありません。少なくとも私が見た限りでは初級魔法すら使えませんでした」
「どういう事ですか? 武器もダメ、魔法もダメ。でも強いって。一体サトに何の力があるんですか?」
3人の問いにエレンは再び熟考した。
この事を告げても良いものかどうかを悩んでいるのだ。
目の前にいるのは脳筋の頭の悪そうな猫獣人、伯爵家の当主、商会組合の副ギルドマスター。
猫獣人は口が軽そうだし、利に聡い貴族や商人に秘密を明かす事は避けたいところであり、普段のエレンであれば絶対に秘密を話さないだろう。
しかし、ここにいる4人はある一つの共通点を持ち、同じ想いを抱く同志であり恋敵でもあった。
そんな妙な一体感が硬いエレンの口を開かせた。
「サト様は……神術の遣い手なんです」
「なにゃあ!?」
「なんだとっ!?」
「うそでしょ!?」
エレンのあまりに衝撃的な発言に驚きを隠せずに立ち上がる3人。
そして、それを真っ直ぐ見つめるエレンの瞳には迷いはなかった。
『この人達は信用できる』
「さて、次は私かにゃ? 私が大トリって訳にはいかないでしょうからね」
アメリアはミネルバァの方をチラッと見ながらそう言ったが、ミネルバァは口を開かずに静観するのみだった。
「……とにかく私は今までも散々言ってきたけど、私の旦那様はサトだけにゃ。強い男を求めるのは獣人の本能、譲るつもりは一切ないにゃ」
「ああ、それなんですけど。サトって強いんですか? 私は人柄はいいと思いましたけど、腕っぷしの方は期待してなかったんですけど?」
アメリアの言葉にクロエが疑問を呈した。
彼女にとってのサトの腕っぷしと言えば、初めて会った時の泥棒騒ぎである。
少なくともその時のサトは強そうではなかった。
「私が言ってるのは意志の強さにゃ。この目つきの悪い御主人の威圧を受けても、サトは一歩も引かなかったにゃ。己の意志を通すなんて、言葉では簡単だけど、実際には大変な事だからにゃ」
「目つきが悪くて悪かったな! 確かにサトには腕っぷしはないな。ロンメルからも武器の扱いにおけるセンスが全くないと聞いているし、そこは今後の課題でもあるな」
3人がそう評価する中で、1人だけ別の思惑がある者が少しの思案の後に口を開いた。
「サト様は弱くありませんよ」
「うにゃ? それはどういう事にゃ?」
エレンの言葉にアメリアが興味深そうに問いかけた。
アメリアとしては芯の通ったサトに惚れたのであって、腕っぷしは二の次だった。
しかし、強ければそれに越した事は無い。
「腕っぷしという点ではおそらくロンメル様の言う通り、センスの欠片もないでしょう。ですが、だからと言って弱いとは限らないって事です」
「んにゃ? どういう意味にゃ?」
「サトには魔法の才があるという事か?」
「いえ、魔法でもありません。少なくとも私が見た限りでは初級魔法すら使えませんでした」
「どういう事ですか? 武器もダメ、魔法もダメ。でも強いって。一体サトに何の力があるんですか?」
3人の問いにエレンは再び熟考した。
この事を告げても良いものかどうかを悩んでいるのだ。
目の前にいるのは脳筋の頭の悪そうな猫獣人、伯爵家の当主、商会組合の副ギルドマスター。
猫獣人は口が軽そうだし、利に聡い貴族や商人に秘密を明かす事は避けたいところであり、普段のエレンであれば絶対に秘密を話さないだろう。
しかし、ここにいる4人はある一つの共通点を持ち、同じ想いを抱く同志であり恋敵でもあった。
そんな妙な一体感が硬いエレンの口を開かせた。
「サト様は……神術の遣い手なんです」
「なにゃあ!?」
「なんだとっ!?」
「うそでしょ!?」
エレンのあまりに衝撃的な発言に驚きを隠せずに立ち上がる3人。
そして、それを真っ直ぐ見つめるエレンの瞳には迷いはなかった。
『この人達は信用できる』
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