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第二章
遺品
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店の奥から出てきたリサがサトの持つグレイブを見ながらそう言った。
「元の持ち主の品ってどういう事ですか? だって、これを売りつけた男は『逆さに振っても何も出ない』って言ってましたよ?」
「それはそうよ~だって魔法鞄って、手を入れないと出てこないんだから。大量に物が収納出来る魔法鞄が逆さに振っただけで中身が出てくるようじゃ困るでしょ?」
「い、言われてみれば確かに……でも、じゃあ何であの男は手を入れなかったんだろ?」
サトはロンメルとリサに買った時の状況を伝えた。
「ふむ。その男は身なりの良い男が持っていたと言ったんじゃな? おそらくじゃが古戦場で拾ったんじゃろう」
「古戦場……ですか?」
「古戦場には埋葬されずに朽ち果てた骸があるからのぅ。金目の物は戦いに勝利した者達が戦利品として持っていったが、残っていたガラクタを拾い、それを売って生計をたてる者もおるんじゃよ」
「見た目も古いし、鞄の中に蛇や毒虫が入っているかもしれないと思ったから手をいれなかったのかもね。警戒心は大事だけど、一歩踏み出す冒険心があれば大儲け出来たのに、残念な人ね」
どちらかと言えば石橋を叩いて渡る方のサトはリサの言葉にギクッとしたが、なんとか平静を装えた。
「あ、あの……それって持ってきていいんですか? 遺族に返したりとか……」
「大丈夫じゃよ。先も言ったが、戦では勝った方が戦利品として持っていく事が多いからのぅ。それに古い物を拾った場合は拾った者の物じゃからな。拾った後から言われても本人の物と立証できんからのぅ」
「そういうこと! ねえねえ! それより他に何が入ってるか見ようよ! そのグレイブみたいなお宝が他にもあるかもしれないでしょ?」
リサはサトに擦り寄ると身体を密着させた。
そこに真っ赤な目をしたエレンが走ってきて間に割り込んだ。
「お母さん! 近すぎっ! サト様から離れてよっ!」
「あん、もう~エレンちゃんのケチ! ちょっとくらいいいじゃないの」
「ダメっ! サト様は私達のものなんだから、絶対にダメっ!」
エレンはサトを庇うようにリサの前に立ちはだかった。
それを見たリサは笑いが込み上がてくるのを必死に堪えていた。
「ふふふっ。私達……ね? 今はそれでいいんじゃない? でも、その内私だけにしなさいよ。私の娘なんだから、他の娘に遅れをとるなんて許さないからね」
「わ、わかってるわよ!」
恥じらいながらチラチラとサトを見るエレン。
それを見てサトは思った。
『俺の意見も聞いて欲しいな……』
「元の持ち主の品ってどういう事ですか? だって、これを売りつけた男は『逆さに振っても何も出ない』って言ってましたよ?」
「それはそうよ~だって魔法鞄って、手を入れないと出てこないんだから。大量に物が収納出来る魔法鞄が逆さに振っただけで中身が出てくるようじゃ困るでしょ?」
「い、言われてみれば確かに……でも、じゃあ何であの男は手を入れなかったんだろ?」
サトはロンメルとリサに買った時の状況を伝えた。
「ふむ。その男は身なりの良い男が持っていたと言ったんじゃな? おそらくじゃが古戦場で拾ったんじゃろう」
「古戦場……ですか?」
「古戦場には埋葬されずに朽ち果てた骸があるからのぅ。金目の物は戦いに勝利した者達が戦利品として持っていったが、残っていたガラクタを拾い、それを売って生計をたてる者もおるんじゃよ」
「見た目も古いし、鞄の中に蛇や毒虫が入っているかもしれないと思ったから手をいれなかったのかもね。警戒心は大事だけど、一歩踏み出す冒険心があれば大儲け出来たのに、残念な人ね」
どちらかと言えば石橋を叩いて渡る方のサトはリサの言葉にギクッとしたが、なんとか平静を装えた。
「あ、あの……それって持ってきていいんですか? 遺族に返したりとか……」
「大丈夫じゃよ。先も言ったが、戦では勝った方が戦利品として持っていく事が多いからのぅ。それに古い物を拾った場合は拾った者の物じゃからな。拾った後から言われても本人の物と立証できんからのぅ」
「そういうこと! ねえねえ! それより他に何が入ってるか見ようよ! そのグレイブみたいなお宝が他にもあるかもしれないでしょ?」
リサはサトに擦り寄ると身体を密着させた。
そこに真っ赤な目をしたエレンが走ってきて間に割り込んだ。
「お母さん! 近すぎっ! サト様から離れてよっ!」
「あん、もう~エレンちゃんのケチ! ちょっとくらいいいじゃないの」
「ダメっ! サト様は私達のものなんだから、絶対にダメっ!」
エレンはサトを庇うようにリサの前に立ちはだかった。
それを見たリサは笑いが込み上がてくるのを必死に堪えていた。
「ふふふっ。私達……ね? 今はそれでいいんじゃない? でも、その内私だけにしなさいよ。私の娘なんだから、他の娘に遅れをとるなんて許さないからね」
「わ、わかってるわよ!」
恥じらいながらチラチラとサトを見るエレン。
それを見てサトは思った。
『俺の意見も聞いて欲しいな……』
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