運命の赤い糸

神咲 菜々

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守りたいもの

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澪の自宅―――

帰宅後澪は腕の中で眠っていた愛菜をベビーベッドの上で寝かせるとベッドの上で寝転がりひたすら天井を眺めていた。

澪 「はぁぁーーーー」

大きなため息をつくと澪が飛び起きる

澪 「はぁ?!」
「俺やばいことしたよな?!なんか勢いであいつのそばに居たいみたいなこと言った気がするし??!幸い愛菜が寝ててくれたから良かったけど。もし愛菜が起きてたら俺が泣くと悲しくなって泣いちゃってただろうし。」

澪がベッドに面している壁にもたれかかると唇をそっと手でなぞる

澪 「…………」

「って、俺何してんだよ!!!!!!!!!!??」
「あー!!もーほんと調子狂う!」

愛菜 「うぅ、?ん、ううぅ、わぁぁぁぁぁ!!(泣)」

澪 「わぁ!はいはい、ごめんなー愛菜。」

そういうと澪は自分のベッドのすぐ横にあるベビーベッドから愛菜を抱き上げる

澪 「俺が居なくなったと思ったのかー?」

愛菜 「うぅ、うぅ、ずびっ」

澪 「俺は愛菜のことだぁーい好きだからな?ずーっと一緒だ!」

澪が愛菜に微笑む

愛菜 「ん、ひひっ」

愛菜が安心したように微笑んでいる
澪が自分の体を使って愛菜の背中をトントンしながらあやしている

澪 (あいつは俺に昔どういうことがあってこうなったとか全く知らずに俺の事守ってくれた。俺の事が好きだからか?それだけでそこまでしてくれるものなのか??わかんねぇ。)
(けど根が良い奴なんだろうな。俺自信好きって感情がどんなものなのかわかんねぇし、正直今は運命の番ってあいつに言われてそういうことかってなったのもあって気持ちの整理がついてねぇー。そもそも、付き合ってもないのにキ、、キスなんかしても良かったのか?

………………え?

そうだよ?!!!!!!!そもそも付き合ってねぇーじゃねーか!!え、え、あ、え?どーする俺!!!!!!??
聞くか!!??俺から聞くのか?!!!つ、、付き合ってるのか、、、?
なんて聞けるわけねぇぇぇぇ!!!!!!!!!!)

紅梨 「何ー?あんた、顔コロコロ変えながら愛菜ちゃんあやして何事?」

澪 「………は、は?!なんでいんの?!!!」

紅梨 「いや、さっき連絡入れたけど見てないの?」

澪 「あ、まじか、わりぃ」

紅梨 「あら、あんたにしては素直に謝んのね」

澪 「はぁ?うっせーよ」

紅梨 「まあ、私が急にお風呂借りに来たのが悪い訳だしこっちが謝んないとなんだけどねぇー。タオル借りるねー?」

澪 「おー」

紅梨 「……なんかあった?」

澪 「え?なんで?」

紅梨 「なんかあんたいつもと様子違うじゃない」

澪 「は、?」

紅梨 「やっぱなんかあったんでしょ?!お風呂の前に話聞くぞー?!!!」

澪 「えぇ?!なんでそうなんだよ!!!!」

紅梨 「いいじゃんいいじゃん!話しなってー♡」

澪 「……軽くしか言わねーぞ」

紅梨 「あっはは!いいよー。話しなー?」


澪は紅梨に今日あったことを話した。


紅梨 「………………うぅ。」

澪 「はぁ?!なんで泣いてんだよ!早く拭け!」

澪がティッシュ箱を取り紅梨に手渡す

紅梨 「うんー(泣)あぁぁあ、あんた良かったねぇ!!」

澪 「何がだよ!!こっちはずっと明日からどうすりゃいいかわかんねーしパニックだっての!!」

(鼻をかむ)
紅梨 「ずびーーー」

澪 「うわ!きったね!ここまで鼻水出してる人見た事ねーぞ?!」

紅梨 「雄真くんが悪い!!」

澪 「なんであいつのせいなんだよ!(笑)」

紅梨 「だって……いい子だし。自分がそうだと思ったことにただ真っ直ぐ疑わずに進める子ってなかなかいないよ。」

澪 「……」

紅梨 「いい人に出会えたわね。」

澪 「……かもな。」

紅梨 「それに、あんた本当に雄真くんに感謝しなさいよ。あんた1人だったらあんたを襲ったヤツらにまた何かされていたかもしれないんだよ。」

澪 「…そうだな。それは本当に感謝してる。あの時愛菜も一緒だったしもし何かされてもやり返せなかった。」

紅梨 「あんた他人との距離をとるためとか言って無差別に人殴ってたみたいな噂流してたんでしょ?でも本当はそんな強くないし、第1喧嘩するって言ってもあんた捨て猫で遊んでた悪ガキをぶちのめして来たとか言ってボロボロで帰ってきたり、しつこくナンパされてる女の子助けるために喧嘩したりそんなばっかだったじゃない。何が無差別よ。思いっきり善意じゃない。」

澪 「うるっせーな。俺は俺が興味のあることしかしねぇだけだよっ。」

紅梨 「だったら少しぐらい自分がされたこと警察に突き出すとか、もっと自分を守ることにも興味持って欲しいなー。お姉ちゃんは。」

澪 「いいんだよ。あいつらは許さねー。けど俺がそれで動いて周りから愛菜が可哀想な子って思われる方が俺は嫌なんだ。俺は愛菜さえ幸せになってくれたらそれでいい。」

紅梨 「……そっか。」
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