猫ちゃんの異世界、旅日記。

椿姫哀翔

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ロング帝国 ルーク

20話

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「ルネルさん」
「なんじゃ」
「何処か広い場所ありませんか?」
「広い場所?」
「はい。シキを振ってみたいんです。」
「そうじゃなぁ……………、あ、」
「良い場所ありましたか?」
「この後ギルドに行ったりするか?」
「はい。夕方には行く予定です。」
「なら、ギルドに行けばいい。訓練スペースを貸してくれる。」
「そうなんですね。ならギルドで振ってみます。」
「おう、そうしな。」

シキに当てていたおでこを離してルネルに向き合い剣が身体に馴染むか確認するために広い場所を尋ねるとギルドで済むことが分かったためルネルに挨拶をして店をあとにした。

「ルネルさん、ありがとうございました。」
「にゃぁーん」
「おう。なにかあれば寄ってくれ。」
「はい。」





「ふんふーん」

ルネルの店をあとにしたハルは機嫌良く鼻歌を歌っている。

〔良いものあって良かったね。〕
〔うん!〕

ハルは嬉しそうにニコニコしながらアキを抱っこして歩いていた。

〔ねぇアキちゃん〕
〔んー?〕
〔シキをぶら下げるのになんかいい方法ある?〕
〔ん?じゃあ、刀のホルダーにもう一本させるようにしてあげるよ。〕
〔ほんと!?〕
〔うん。宿に戻ったらやってあげるね。〕
〔うん!楽しみー。〕

ハルは歩きながらアキと話していたら随分とギルドから離れた場所まで来てしまった。

〔あれ、アキちゃんここどこ?〕
〔さあ?〕
〔うぇ、迷ったー?〕
〔いや、ハル、ルネルさんのお店からギルド方向じゃなくて奥に進んだから〕
〔え、そうなの?〕
〔うん。〕
〔言ってよー〕
〔いや、楽しそうだったし、奥になにかあるか気になったから止めなかった〕
〔それならいいけど、迷ったと思った……〕
〔ごめんごめん〕

気を取り直して進んでいくと

〔あ、なにかお店あったよ〕
〔そうだねー、なんのお店かなー?〕
〔入ってみよ?〕
〔うん〕

寂れた外観で誰も気にしないようなお店を見つけた。
気付いても誰も入りたがらなそうな外観だが、看板には『クラージュ』と書いてあり店の名前だと思われる。その下に『OPEN』の看板が出ていたため興味が沸いた2人は入ってみることにした。

ガラガラ

立て付けの悪い引き戸を開けると乱雑に物が棚の上に置いてあった。

「お、お邪魔します………」

声を掛けて中に入ると

「いらっしゃい」

イカつい顔の男性がカウンターに座っていた。

「あ、あの、」
「なんだ?」
「ここは、なにを売っているんですか?」
「ここか?ここはこことは別の国の品物が置いてある。」
「そうなんですね。ちなみにどこの国なんですか?」
「色々だな。俺は趣味で世界中を回っていたんだがそこで見つけた良いものを揃えている。」
「へぇ。見てもいいですか?」
「あぁ。」
「あ、ちなみに、ねこちゃん抱っこしたままで入ってきてしまいましたが大丈夫でしたか?」
「あぁ。気にしない。ただし、商品には触らせないでくれ。」
「わかりました。」

中に居た男性に話し掛けてから商品を見て回った。

〔アキちゃん、どお?〕
〔凄いね!ほんとに色々ある。〕
〔そっか、気になったのあったら言って買うから。〕
〔はーい〕

アキはハルの腕の中で鑑定しながら商品を見て気になった物を次々に言いハルに取ってもらった。

〔これと、これと、あ!あれも!〕
〔ちょ、ちょっとアキちゃん!こんなに持てないよ!〕

ハルはアキを抱っこしたまま商品棚を見て回ったが、アキの欲しいものが多すぎて片手では全く持つことが出来なかった。

〔アキちゃん、なんか入れ物とか欲しくない?〕
〔んー?あ、ごめんハル。テンションあがりすぎてた。〕
〔別に良いんだけど、持ちきれないからなにか〕
〔そうだね。うーん………あ、あれ〕

アキが指した方を見るとカゴにリュックの紐みたいのが着いてる物が売っていた。

〔あれ?〕
〔うん。背負えるの使いやすそう。〕

カゴの前まで行って見てみるとハルが背負うとお尻の下の方まできそうな大きさだが、アキが言うように背負う紐が付いてるため使いやすそうではあった。

〔うん、使いやすそうだね。〕
〔じゃあ、そのカゴに私が欲しいの入れてって〕
〔はーい。〕

そのカゴも買う事にしたためカゴの中にアキが欲しいものを次々と入れていった。


カゴの中が山盛りになり入らなくなるほど入れるとレジに向かった。

「っしょ、うわ、重……」
〔ご、ごめん……〕
〔ううん、良いよ。欲しいのたくさんあったんでしょ?〕
〔うん!前世で使ってたやつに近いのが沢山あってテンションあがった!〕
〔そっかー。お店のおじさん、色んな国の物を取り扱ってるって言ってたからこれからの国巡り楽しみになったね。〕
〔うん!〕

ドンッ

「はふぅ、お願いします。」

背負ってレジに持って行くと店員が口を開けて唖然としながらハルを見ていた。

「あのぉ、お願いします……。」
「あ、あぁ!」

会計をしてもらい買った物をそのまま背負って店をあとにした。

「あ、ありがとう、」
「ありがとうございました」

店員にペコリと頭を下げて店をあとにしたハルは、近くの人が居ない路地裏に入った。

「ふぅ……《結界》」

自分達の周りに中が見えない結界を張り荷物をアキのインベントリに入れていった。

「ふふっ、お店のおじさん面白い顔してたねー。」
〔うん。ビックリしてたね。〕
「楽しかった。」
〔ほんと?私だけテンションあがってるのかと思った。〕
「見た事無いのばっかりだったから面白かったよ。」
〔なら、良かったー。つまんないのに連れ回してたんなら申し訳なかったから。〕
「大丈夫。それにお店がつまんなかったとしても、アキちゃんが面白いから大丈夫。」
〔どうゆうこと?〕
「ひとつひとつに面白いリアクションしてて見てて飽きなかった。」
〔え、そうなの……?〕
「ん?うん。面白いリアクションしてたよ。」
〔………………はずっ!〕
「まぁまぁ、次どこに行くー?」
〔ちょっと!?〕
「ほら行くのに結界解くよー。」
〔分かったよぉ……。〕

アキは、店の中での振る舞いをハルに言われて変だったんだと思いハルの腕の中で頭を抱えてた。
そんなアキをニコニコ見ながら結界を解いたハルは、とりあえず路地裏から出てギルド方向に向かって歩き始めた。


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