140 / 208
第十章 家族の時間
第302話 セリーヌとの時間 1
しおりを挟む
クリフとセリーヌの出会いは、クリフが幼少の頃だ。クリフがボールド領の近くで盗賊に襲われてる馬車を見つけ、助けた所その馬車にセリーヌが乗っていたのだ。ラノベの世界でよくある襲われてる馬車からヒロイン。をそのまま体験した形だ。
そこから、クリフが王都の高等学校に行った時に再会し、それからはずっと一緒にいる。
セリーヌは、サリマン王国の第二王女だ。サリマン王国の王族は皆、魔眼という特殊な能力を持っている。もちろんセリーヌもそうだ。セリーヌの魔眼は他人の思っている事がわかるというモノだった。その為、セリーヌは出会う人出会う人の感情がわかってしまい人間不信だった。クリフと出会った時、セリーヌはクリフの感情が見えなかった。
感情が見えない事など生まれて初めてだったセリーヌは、すぐにクリフに心を開いた。クリフのお陰でセリーヌは、魔眼のコントロールを覚え、様々な人を付き合えるようになったのだ。
「最初はやっぱりセリーヌとだよね。」
「ありがとうあなた。でもライトを放って行ってホントにいいのかしら?」
「1週間ぐらいだったらメイルに任せて大丈夫だよ。ユーナ達も見ていてくれるだろうし。」
メイルというのはライト専属のメイドだ。セリーヌとの子供が生まれてから二人で泊まりで出かける事がなかったので、今回が初めてだ。そして、セリーヌは以前からクリフの事をクリフ様と呼んでいたが、子供が生まれてから呼び方をあなたに変えていた。これは、クリフはいつまでたっても様呼びはやめてほしいと言った為だ。
「それよりセリーヌの方は大丈夫だったの?急に仕事を休む事になったけど。」
「もちろんです。元々、私がいなくても領は回るように副官を鍛えていましたから。」
(さすがセリーヌ。どんな状況でも瞬時に対応できるのはすごいな。)
「ならよかった。じゃあどこに行こうか?二人でゆっくりするって言ってもどこに行くか決めてなかったよ。セリーヌはどこか行きたい所はある?王都、聖都、帝都に世界樹の大陸、魔国どこでも行けるよ。」
「そうですね。どうせならまずはボールドに行ってみませんか?久しぶりにあなたとボールドの街を歩いてみたいわ。」
「子供の時みたいにだね。いいね。そのままボールドの街で一泊しようか。」
「はい。あっでも・・・あなたがボールドに行けば大騒ぎになるかもしれません。なんて言っても大陸の英雄として本になってる程ですから。」
「ああ、やっぱりセリーヌもその事知ってるんだ。本は読んだの?」
「もちろんです。あなたの事が書かれた本ですよ。読まない訳ないじゃないですか。というか屋敷の者は全員読んでると思いますよ。」
「まじか・・・」
「あなたは読んでないんですか?大人気で品切れが続いているらしいですよ。」
「いや本は持ってるんだけど、なかなかね。自分の事を改めて読むのははずかしくってさ。」
「いいじゃないですか。『辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい』おもしろかったですよ。チートがどういう意味か始めはわかりませんでしたけど、私との出会いも書かれてましたし、読みながら出会った頃を思い出しましたよ。」
(この世界にもチートって言葉があった事に、俺も始めは驚いたよ。だけどまあ本ってやっぱり実際とちょっと違うんだよな~。都合よく脚色されてるんだよ。)
「まあ機会があれば読んで見るよ。」
「はい。是非読んでみてください。読んだら感想聞かせてくださいね。」
「ああ。読んだらね。」
「それ、きっと読まないヤツでしょ。あなたの事なら私はなんでもわかるんですよ。」
「はは。セリーヌには隠し事できないね。って何の話だっけ?そうそうボールドに行くって話だったよね。俺にまかせてよ。魔法で顔も服装も変えれるからさ。普通の夫婦って感じで街を歩いてみるのはどう?歩く旅に人が集まってきたら楽しめないだろ?」
「そうですね。ゆっくり買い物をする事も今はできないので、そうしてくれるとうれしいですね。」
クリフだけでなく、セリーヌも有名人なので、街を歩くだけでも多くの人から声を掛けられ、住民からは距離を置かれたりすることもざらにある。買い物するだけでも一苦労なのだ。今は、使用人が買い物をしてくれるからそこまでパニックにはならないが、以前クリフがふらっと王都を歩いていた時、歩くだけでクリフの後ろにぞろぞろと大行列ができていたことがあった。全てクリフ見たさの住民達だ。それが会ってからクリフは街で出歩く時は必ず変装するようにしていた。
「任せて。でもあれだね。有名になりすぎるのも困ったもんだね。」
「私は生まれた時からなので、もう慣れました。ですが、そうですね。普通の女性になりたいと思った事もあります。」
(そうだよな。姫様の願いってだいたい城から抜け出したいとか。普通の女の子になりたいとかが定番だもんな。)
「よしそれじゃ普通の街の住民のような恰好で。それに合わせて顔を変えるよ。」
クリフは、自分とセリーヌに魔法を掛けた。するとどこからどう見てもクリフとセリーヌには見えない夫婦の姿になった。そうしてクリフとセリーヌはボールドの街へと向かうのだった。
そこから、クリフが王都の高等学校に行った時に再会し、それからはずっと一緒にいる。
セリーヌは、サリマン王国の第二王女だ。サリマン王国の王族は皆、魔眼という特殊な能力を持っている。もちろんセリーヌもそうだ。セリーヌの魔眼は他人の思っている事がわかるというモノだった。その為、セリーヌは出会う人出会う人の感情がわかってしまい人間不信だった。クリフと出会った時、セリーヌはクリフの感情が見えなかった。
感情が見えない事など生まれて初めてだったセリーヌは、すぐにクリフに心を開いた。クリフのお陰でセリーヌは、魔眼のコントロールを覚え、様々な人を付き合えるようになったのだ。
「最初はやっぱりセリーヌとだよね。」
「ありがとうあなた。でもライトを放って行ってホントにいいのかしら?」
「1週間ぐらいだったらメイルに任せて大丈夫だよ。ユーナ達も見ていてくれるだろうし。」
メイルというのはライト専属のメイドだ。セリーヌとの子供が生まれてから二人で泊まりで出かける事がなかったので、今回が初めてだ。そして、セリーヌは以前からクリフの事をクリフ様と呼んでいたが、子供が生まれてから呼び方をあなたに変えていた。これは、クリフはいつまでたっても様呼びはやめてほしいと言った為だ。
「それよりセリーヌの方は大丈夫だったの?急に仕事を休む事になったけど。」
「もちろんです。元々、私がいなくても領は回るように副官を鍛えていましたから。」
(さすがセリーヌ。どんな状況でも瞬時に対応できるのはすごいな。)
「ならよかった。じゃあどこに行こうか?二人でゆっくりするって言ってもどこに行くか決めてなかったよ。セリーヌはどこか行きたい所はある?王都、聖都、帝都に世界樹の大陸、魔国どこでも行けるよ。」
「そうですね。どうせならまずはボールドに行ってみませんか?久しぶりにあなたとボールドの街を歩いてみたいわ。」
「子供の時みたいにだね。いいね。そのままボールドの街で一泊しようか。」
「はい。あっでも・・・あなたがボールドに行けば大騒ぎになるかもしれません。なんて言っても大陸の英雄として本になってる程ですから。」
「ああ、やっぱりセリーヌもその事知ってるんだ。本は読んだの?」
「もちろんです。あなたの事が書かれた本ですよ。読まない訳ないじゃないですか。というか屋敷の者は全員読んでると思いますよ。」
「まじか・・・」
「あなたは読んでないんですか?大人気で品切れが続いているらしいですよ。」
「いや本は持ってるんだけど、なかなかね。自分の事を改めて読むのははずかしくってさ。」
「いいじゃないですか。『辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい』おもしろかったですよ。チートがどういう意味か始めはわかりませんでしたけど、私との出会いも書かれてましたし、読みながら出会った頃を思い出しましたよ。」
(この世界にもチートって言葉があった事に、俺も始めは驚いたよ。だけどまあ本ってやっぱり実際とちょっと違うんだよな~。都合よく脚色されてるんだよ。)
「まあ機会があれば読んで見るよ。」
「はい。是非読んでみてください。読んだら感想聞かせてくださいね。」
「ああ。読んだらね。」
「それ、きっと読まないヤツでしょ。あなたの事なら私はなんでもわかるんですよ。」
「はは。セリーヌには隠し事できないね。って何の話だっけ?そうそうボールドに行くって話だったよね。俺にまかせてよ。魔法で顔も服装も変えれるからさ。普通の夫婦って感じで街を歩いてみるのはどう?歩く旅に人が集まってきたら楽しめないだろ?」
「そうですね。ゆっくり買い物をする事も今はできないので、そうしてくれるとうれしいですね。」
クリフだけでなく、セリーヌも有名人なので、街を歩くだけでも多くの人から声を掛けられ、住民からは距離を置かれたりすることもざらにある。買い物するだけでも一苦労なのだ。今は、使用人が買い物をしてくれるからそこまでパニックにはならないが、以前クリフがふらっと王都を歩いていた時、歩くだけでクリフの後ろにぞろぞろと大行列ができていたことがあった。全てクリフ見たさの住民達だ。それが会ってからクリフは街で出歩く時は必ず変装するようにしていた。
「任せて。でもあれだね。有名になりすぎるのも困ったもんだね。」
「私は生まれた時からなので、もう慣れました。ですが、そうですね。普通の女性になりたいと思った事もあります。」
(そうだよな。姫様の願いってだいたい城から抜け出したいとか。普通の女の子になりたいとかが定番だもんな。)
「よしそれじゃ普通の街の住民のような恰好で。それに合わせて顔を変えるよ。」
クリフは、自分とセリーヌに魔法を掛けた。するとどこからどう見てもクリフとセリーヌには見えない夫婦の姿になった。そうしてクリフとセリーヌはボールドの街へと向かうのだった。
70
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。