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2話-1 夢と夢
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「やっと来たね」
夜、私は夢の中にいた。夢の中に存在するもう1人の私、ナルに会う為に来た。その夢の世界は神殿のような雰囲気を出しており、中央に白い丸いテーブルと椅子が2つあった。
片方は既になるが座っており、紅茶のような物が入ったマグカップを口に運んでいた。
「あの世界は何だったの?」
私は座りながら、彼女に聞いた。
「夢であり、現実の世界。あの世界に入れるのは病気持ちでありながら、更には選ばれなければ入れない」
「病気・・・って、何の?」
ナルはゆっくりと答えていた。続けて言う。
「それは私も分からない。だだ、分かっているのは薬等の効果が効かない事と病気の治療法がない事ぐらいだ」
なにそれ・・・。ポツリと私の口から漏れる。それは病気の治療法は一切ないと言っているような物だ。
「選ばれなければ、何かしらの対策は出来たの?」
「そうね。薬で抑えるぐらいは可能だった」
薬はあった。だけど、一体何の病気だろうか。それは彼女の不安を抱いていく。
「もうあの世界に選ばれた以上、逃げる事は出来ない」
尚更聞かなければならない。逃げる選択もなければ、あの化け物を倒さないといけない。あの世界で死んだ場合、現実では何が起こる。そもそも、なぜ、あんな世界が存在するのか。ナルはその全ての答えを知っているようにも見える。
私が拳を強く握る。あまりにも唐突過ぎるてのもある。納得出来ていない所もある。
「今の私に出来る事はあなたに戦闘方法とあの世界での知識、生きる術を教える事しか出来ない」
彼女は立ち上がり、奥へと進み始める。途中、こちらへと振り向き、
「付いて来て。色々と教えて上げる」
私も立ち上がり、ナルの後ろをついて行った。
「あの世界は夢であり現実。そして、それは既に10年前に発生した出来事が関係している」
霧の中を悠々と通る。周りの景色はまるで墓のような殺風景の景色が写っていた。建物の残骸やら、武器、何かしらの戦闘の後みたいにあっちこっち凹んでいた。
「10年前、何でも持つ姫君がいました。彼女は毎日のように下界を見てました。それにある者が会いました。その者はその姫の存在に気付かった。そして、ある者は姫君の持つ権限の一つを抜き取った」
まるで当事者の如く彼女は呟いていた。姫君、それを見ずにある者は権限を奪う。姫君ではなく、姫君の持つ何かに接触したと考える。
むしろ、そうではないとある者は姫君に気づくはずだ。それがない以上、姫君であって、姫君本人ではない何かを見えた。
「それはあまりにも不運な出来事だった。誰にも接触出来ない場所にある者はいた。それは偶然が偶然を呼び、そして偶然に権限を持っていかれた」
姫君にしてはそれは偶然の出来事。いや、本来あり得ない事なのかもしれない。
誰にも接触というと、そこは本来は人が入れない場所だと意味にもなる。だが、なぜかその者は入れた。
「そしてある者は抜き取った権限は夢、夢の中に世界を作り替える権限」
「夢を作り替える・・・」
「そう認識で構わない。むしろ、その通りだ。人の夢を、形を変える。タチが悪いのはそれは人に伝達し、そして意思疎通してしまう事にある。それはむしろ洗脳に等しい」
人の夢を勝手に改竄し、それを全く別の意味を持つ。それから覚めてしまえば、気付かずにそういう思想になるとナルは教えてくれた。
なぜ、彼女はそんな事を知ってるのか疑問になる。その姫君と例えたのは本当に人なのかと思ってしまう。いや、人ではないのかもしれない。
ナルの目的はその権限の奪取し、本来の形に戻す事にあると言った。権限は多分、この世界の中で直接の戦闘で奪うとなる。
「それじゃあ・・・ナルは・・・」
「私を何と思ったのかは語る必要はない。私も自覚してる」
口に出そうとした言葉が止まる。階段を降りながら彼女はそのまま奥へと進む。
今どこに向かってるかは分からない。理解出来ているのは、何かを見せようとただ夢の中を歩き回ってるだけだった。
とある扉の前に来た時、その扉をナルが開ける。その扉の向こうの景色は見た事なく、また雲の上にある神殿の道路に見えた。
夕焼け雲は綺麗に通路を照らしている。
「これは偶然。私もここにいる事自体偶然な事。だから、あなたにも悪いけど、これが終わるまで付き合ってもらうわ」
拒否権なんてない。もう既に巻き込まれているからだ。なら、私は彼女に従うしかない。唯一無二の私の中の友達であっても。
これは現実、そしてそれは夢の瞬きでもある。
「ここが目的地だ」
彼女に案内されたのは周りが崩落していて、地盤も不安定な場所だった。壁や天井、地面のあっちこっちには亀裂が走っている。もう既にドームの一部は
既に部分的にない所は異空間のような外の景色が見えていた。外の景色は前の夢の世界のようにあっちこっちに地盤が浮いていた。
夜、私は夢の中にいた。夢の中に存在するもう1人の私、ナルに会う為に来た。その夢の世界は神殿のような雰囲気を出しており、中央に白い丸いテーブルと椅子が2つあった。
片方は既になるが座っており、紅茶のような物が入ったマグカップを口に運んでいた。
「あの世界は何だったの?」
私は座りながら、彼女に聞いた。
「夢であり、現実の世界。あの世界に入れるのは病気持ちでありながら、更には選ばれなければ入れない」
「病気・・・って、何の?」
ナルはゆっくりと答えていた。続けて言う。
「それは私も分からない。だだ、分かっているのは薬等の効果が効かない事と病気の治療法がない事ぐらいだ」
なにそれ・・・。ポツリと私の口から漏れる。それは病気の治療法は一切ないと言っているような物だ。
「選ばれなければ、何かしらの対策は出来たの?」
「そうね。薬で抑えるぐらいは可能だった」
薬はあった。だけど、一体何の病気だろうか。それは彼女の不安を抱いていく。
「もうあの世界に選ばれた以上、逃げる事は出来ない」
尚更聞かなければならない。逃げる選択もなければ、あの化け物を倒さないといけない。あの世界で死んだ場合、現実では何が起こる。そもそも、なぜ、あんな世界が存在するのか。ナルはその全ての答えを知っているようにも見える。
私が拳を強く握る。あまりにも唐突過ぎるてのもある。納得出来ていない所もある。
「今の私に出来る事はあなたに戦闘方法とあの世界での知識、生きる術を教える事しか出来ない」
彼女は立ち上がり、奥へと進み始める。途中、こちらへと振り向き、
「付いて来て。色々と教えて上げる」
私も立ち上がり、ナルの後ろをついて行った。
「あの世界は夢であり現実。そして、それは既に10年前に発生した出来事が関係している」
霧の中を悠々と通る。周りの景色はまるで墓のような殺風景の景色が写っていた。建物の残骸やら、武器、何かしらの戦闘の後みたいにあっちこっち凹んでいた。
「10年前、何でも持つ姫君がいました。彼女は毎日のように下界を見てました。それにある者が会いました。その者はその姫の存在に気付かった。そして、ある者は姫君の持つ権限の一つを抜き取った」
まるで当事者の如く彼女は呟いていた。姫君、それを見ずにある者は権限を奪う。姫君ではなく、姫君の持つ何かに接触したと考える。
むしろ、そうではないとある者は姫君に気づくはずだ。それがない以上、姫君であって、姫君本人ではない何かを見えた。
「それはあまりにも不運な出来事だった。誰にも接触出来ない場所にある者はいた。それは偶然が偶然を呼び、そして偶然に権限を持っていかれた」
姫君にしてはそれは偶然の出来事。いや、本来あり得ない事なのかもしれない。
誰にも接触というと、そこは本来は人が入れない場所だと意味にもなる。だが、なぜかその者は入れた。
「そしてある者は抜き取った権限は夢、夢の中に世界を作り替える権限」
「夢を作り替える・・・」
「そう認識で構わない。むしろ、その通りだ。人の夢を、形を変える。タチが悪いのはそれは人に伝達し、そして意思疎通してしまう事にある。それはむしろ洗脳に等しい」
人の夢を勝手に改竄し、それを全く別の意味を持つ。それから覚めてしまえば、気付かずにそういう思想になるとナルは教えてくれた。
なぜ、彼女はそんな事を知ってるのか疑問になる。その姫君と例えたのは本当に人なのかと思ってしまう。いや、人ではないのかもしれない。
ナルの目的はその権限の奪取し、本来の形に戻す事にあると言った。権限は多分、この世界の中で直接の戦闘で奪うとなる。
「それじゃあ・・・ナルは・・・」
「私を何と思ったのかは語る必要はない。私も自覚してる」
口に出そうとした言葉が止まる。階段を降りながら彼女はそのまま奥へと進む。
今どこに向かってるかは分からない。理解出来ているのは、何かを見せようとただ夢の中を歩き回ってるだけだった。
とある扉の前に来た時、その扉をナルが開ける。その扉の向こうの景色は見た事なく、また雲の上にある神殿の道路に見えた。
夕焼け雲は綺麗に通路を照らしている。
「これは偶然。私もここにいる事自体偶然な事。だから、あなたにも悪いけど、これが終わるまで付き合ってもらうわ」
拒否権なんてない。もう既に巻き込まれているからだ。なら、私は彼女に従うしかない。唯一無二の私の中の友達であっても。
これは現実、そしてそれは夢の瞬きでもある。
「ここが目的地だ」
彼女に案内されたのは周りが崩落していて、地盤も不安定な場所だった。壁や天井、地面のあっちこっちには亀裂が走っている。もう既にドームの一部は
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