17 / 58
第一章
17. 元貧乏男爵令嬢が、全力で社交します
しおりを挟む
国王陛下は笑顔でアンドレ様に話しかける。
「アンドレ。お前もいい妻をもらったな。
リアの評判は宮廷内でも聞いている。ピアノが上手で、我が娘ルイーズも大層懐いているようだ」
私は思わず国王の後方にいるルイーズ殿下を見る。ピンク色の豪華なドレスを着ている可愛い彼女は、満面の笑みで私を見ている。
「結婚願望のないお前に、隣国からの妻を無理矢理当てがって、お前の気持ちは大丈夫かと不安に思っていた。だが、結果は杞憂であったな」
「はい……素晴らしい妻を、ありがとうございました」
アンドレ様の予想外の言葉に、身体が震える。アンドレ様は本心からそう思っていないのは明らかだが、なんと私を褒めてくださった。国王の手前、そうするしかないことは分かっているが、なんだかくすぐったい気持ちになる。そして、そのアンドレ様の言葉を聞いて、ルイーズ殿下はお付きのものと嬉しそうに顔を見合わせるのだった。
その他の聞いている人たちは、驚いたように顔を見合わせている。アンドレ様が私を褒めたことが予想外だったのだろう。何を隠そう、私だって予想外だ。
こうして国王への結婚の報告を終え、私はとうとう自由の身となる。緊張しすぎて今朝からほとんど何も食べていない私は、ようやくお腹が空いていることに気付いた。
改めてホールを見回すと、中央ではたくさんの男女が踊っており、壁際には豪華なご馳走が並んでいる。
(わぁ……!! バリル王国の舞踏会よりも、さらにご馳走がたくさんです!!)
空腹の私は皿を片手に思わず駆け寄り、壁際一面に置かれているご馳走を見回した。
(見たことのないパスタに、美味しそうなパンがたくさん。
具がゴロゴロ入っているシチューに、新鮮なサラダまで……!!
ローストビーフを取り分けてくださるライブキッチンまであります)
私はさらにたくさん料理を盛り、それを堪能した。料理はどれも繊細な味付けで、とても美味しかった。思わず微笑みながら食べてしまう私は、怪しい女だろう。
しばらくそうやって食事を堪能していると……
「リア様」
知らない女性たちに名前を呼ばれた。それではっと我に返る。
(私、今はアンドレ様の妻でした。
アンドレ様の存在を無視して、一人食に走ってしまいました……)
新婚の妻が一人でもりもり食べているところを見ると、人々はどう思うかと咄嗟に気付いてしまった。きっと、はしたない女だとか、夫に相手にされない女だとか思うのだろう。
バリル王国にいる時は、貧乏男爵令嬢の私に興味を持って話しかける人などいなかった。でも、今は立場が違うのだと思い直す。
私は慌ててカトラリーを置き、笑顔を作って立ち上がる。すると、前には私をあざ笑う女性たち……ではなくて、心底心配したような表情の女性たちがいたのだ。
彼女たちはそのまま私に話しかける。
「隣国のリア様がアンドレ将軍の妻になられた話で持ちきりです」
「大丈夫ですか? ……貴女は、アンドレ将軍なんかと結婚してしまって」
予想外の言葉に目を丸くした。私は、むしろ私が非難の的になるかと思っていたのだ。こんなにはしたない貧乏女が、国の国軍総指揮官の妻になってしまったから。それなのに、彼女たちは私を心配してくれるのだ。
「はい……」
私は笑顔で答えながらも、心臓はドキドキと言っている。
(まさか、貧乏な私がアンドレ様の妻になってしまったから大丈夫? と聞かれている訳ではないですよね? )
だが、その心配は杞憂に終わったのだ。彼女たちは心底同情するような顔で、口々に私に告げる。
「アンドレ将軍って……ほら、いかにも怖そうじゃないですか。
リア様が苦労されているのではないかと思って」
「私の家にもアンドレ将軍との縁談が来たのですが、アンドレ将軍と私を結婚させるのが嫌で、お父様が断ってくれましたの」
そうなのか……アンドレ様が冷たいという噂は、バリル王国まで広がっていたが、この国の人々はこんなにもアンドレ様を恐れているのだと分かった。
確かに私もアンドレ様から拒絶されていたが、親切な人々に囲まれ、毎日が苦ではない。それに、演技とは分かっているが、今日のアンドレ様は私を大切にしてくださった。
「私はとても幸せです」
彼女たちに笑顔で告げる。
「こんな私なのに、みなさんとても親切で……それに、今日のアンドレ様だってとても優しくて。
私は幸せです」
私を見て、彼女たちは少し表情を緩める。私が今の生活に満足している事実を告げると喜んでくれる、そんな彼女たちにも救われた。私はこうも良い人たちに囲まれて幸せだ。
私は笑顔で告げたあと、まだまだ食べきれていない食事があることを思い出す。お腹が空いている私は、笑顔で彼女たちに告げた。
「私、まだお食事を食べきれていなくて。
とても美味しいので、もう少し食べていてもいいでしょうか」
「まぁ……」
彼女たちは一瞬驚いた表情になる。それで、淑女としてはしたない言葉だったかもしれないと後悔する。だが、出されている料理はどれも美味しすぎて、空腹の身には我慢なんて出来ないのだ。
「シャンドリー王国は、美食の国とも言われているのです。特に宮廷には、凄腕の料理人が揃っていますもの」
「私のおすすめは、シャンドリー王国の郷土料理の海鮮シチューですわ」
彼女たちはそう言って、笑顔で新しい料理を持ってきてくださる。そして私は丁寧に礼を言い、それらを堪能した。
(さすが美食の国。どれも頬が落ちるほど美味しいです……)
こうやって思う存分食べ、幸せ気分を味わっている時だった。いつの間にか舞踏の音楽は止み、踊っている男女もいなくなったことに気付いた。
(もうおしまいですか?
……それとも、私が時間を忘れて食べ続けていたのでしょうか)
だが、いつの間にかホールの奥には大きなピアノが出され、偉そうな男性がホールの中央に立って話し始めたのだ。ピアノが出されていることに気付いてしまった私は、なぜかドキドキと鼓動が速くなるのだった。
「アンドレ。お前もいい妻をもらったな。
リアの評判は宮廷内でも聞いている。ピアノが上手で、我が娘ルイーズも大層懐いているようだ」
私は思わず国王の後方にいるルイーズ殿下を見る。ピンク色の豪華なドレスを着ている可愛い彼女は、満面の笑みで私を見ている。
「結婚願望のないお前に、隣国からの妻を無理矢理当てがって、お前の気持ちは大丈夫かと不安に思っていた。だが、結果は杞憂であったな」
「はい……素晴らしい妻を、ありがとうございました」
アンドレ様の予想外の言葉に、身体が震える。アンドレ様は本心からそう思っていないのは明らかだが、なんと私を褒めてくださった。国王の手前、そうするしかないことは分かっているが、なんだかくすぐったい気持ちになる。そして、そのアンドレ様の言葉を聞いて、ルイーズ殿下はお付きのものと嬉しそうに顔を見合わせるのだった。
その他の聞いている人たちは、驚いたように顔を見合わせている。アンドレ様が私を褒めたことが予想外だったのだろう。何を隠そう、私だって予想外だ。
こうして国王への結婚の報告を終え、私はとうとう自由の身となる。緊張しすぎて今朝からほとんど何も食べていない私は、ようやくお腹が空いていることに気付いた。
改めてホールを見回すと、中央ではたくさんの男女が踊っており、壁際には豪華なご馳走が並んでいる。
(わぁ……!! バリル王国の舞踏会よりも、さらにご馳走がたくさんです!!)
空腹の私は皿を片手に思わず駆け寄り、壁際一面に置かれているご馳走を見回した。
(見たことのないパスタに、美味しそうなパンがたくさん。
具がゴロゴロ入っているシチューに、新鮮なサラダまで……!!
ローストビーフを取り分けてくださるライブキッチンまであります)
私はさらにたくさん料理を盛り、それを堪能した。料理はどれも繊細な味付けで、とても美味しかった。思わず微笑みながら食べてしまう私は、怪しい女だろう。
しばらくそうやって食事を堪能していると……
「リア様」
知らない女性たちに名前を呼ばれた。それではっと我に返る。
(私、今はアンドレ様の妻でした。
アンドレ様の存在を無視して、一人食に走ってしまいました……)
新婚の妻が一人でもりもり食べているところを見ると、人々はどう思うかと咄嗟に気付いてしまった。きっと、はしたない女だとか、夫に相手にされない女だとか思うのだろう。
バリル王国にいる時は、貧乏男爵令嬢の私に興味を持って話しかける人などいなかった。でも、今は立場が違うのだと思い直す。
私は慌ててカトラリーを置き、笑顔を作って立ち上がる。すると、前には私をあざ笑う女性たち……ではなくて、心底心配したような表情の女性たちがいたのだ。
彼女たちはそのまま私に話しかける。
「隣国のリア様がアンドレ将軍の妻になられた話で持ちきりです」
「大丈夫ですか? ……貴女は、アンドレ将軍なんかと結婚してしまって」
予想外の言葉に目を丸くした。私は、むしろ私が非難の的になるかと思っていたのだ。こんなにはしたない貧乏女が、国の国軍総指揮官の妻になってしまったから。それなのに、彼女たちは私を心配してくれるのだ。
「はい……」
私は笑顔で答えながらも、心臓はドキドキと言っている。
(まさか、貧乏な私がアンドレ様の妻になってしまったから大丈夫? と聞かれている訳ではないですよね? )
だが、その心配は杞憂に終わったのだ。彼女たちは心底同情するような顔で、口々に私に告げる。
「アンドレ将軍って……ほら、いかにも怖そうじゃないですか。
リア様が苦労されているのではないかと思って」
「私の家にもアンドレ将軍との縁談が来たのですが、アンドレ将軍と私を結婚させるのが嫌で、お父様が断ってくれましたの」
そうなのか……アンドレ様が冷たいという噂は、バリル王国まで広がっていたが、この国の人々はこんなにもアンドレ様を恐れているのだと分かった。
確かに私もアンドレ様から拒絶されていたが、親切な人々に囲まれ、毎日が苦ではない。それに、演技とは分かっているが、今日のアンドレ様は私を大切にしてくださった。
「私はとても幸せです」
彼女たちに笑顔で告げる。
「こんな私なのに、みなさんとても親切で……それに、今日のアンドレ様だってとても優しくて。
私は幸せです」
私を見て、彼女たちは少し表情を緩める。私が今の生活に満足している事実を告げると喜んでくれる、そんな彼女たちにも救われた。私はこうも良い人たちに囲まれて幸せだ。
私は笑顔で告げたあと、まだまだ食べきれていない食事があることを思い出す。お腹が空いている私は、笑顔で彼女たちに告げた。
「私、まだお食事を食べきれていなくて。
とても美味しいので、もう少し食べていてもいいでしょうか」
「まぁ……」
彼女たちは一瞬驚いた表情になる。それで、淑女としてはしたない言葉だったかもしれないと後悔する。だが、出されている料理はどれも美味しすぎて、空腹の身には我慢なんて出来ないのだ。
「シャンドリー王国は、美食の国とも言われているのです。特に宮廷には、凄腕の料理人が揃っていますもの」
「私のおすすめは、シャンドリー王国の郷土料理の海鮮シチューですわ」
彼女たちはそう言って、笑顔で新しい料理を持ってきてくださる。そして私は丁寧に礼を言い、それらを堪能した。
(さすが美食の国。どれも頬が落ちるほど美味しいです……)
こうやって思う存分食べ、幸せ気分を味わっている時だった。いつの間にか舞踏の音楽は止み、踊っている男女もいなくなったことに気付いた。
(もうおしまいですか?
……それとも、私が時間を忘れて食べ続けていたのでしょうか)
だが、いつの間にかホールの奥には大きなピアノが出され、偉そうな男性がホールの中央に立って話し始めたのだ。ピアノが出されていることに気付いてしまった私は、なぜかドキドキと鼓動が速くなるのだった。
185
あなたにおすすめの小説
妹に全て奪われて死んだ私、二度目の人生では王位も恋も譲りません
タマ マコト
ファンタジー
第一王女セレスティアは、
妹に婚約者も王位継承権も奪われた祝宴の夜、
誰にも気づかれないまま毒殺された。
――はずだった。
目を覚ますと、
すべてを失う直前の過去に戻っていた。
裏切りの順番も、嘘の言葉も、
自分がどう死ぬかさえ覚えたまま。
もう、譲らない。
「いい姉」も、「都合のいい王女」もやめる。
二度目の人生、
セレスティアは王位も恋も
自分の意思で掴み取ることを決める。
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
婚約破棄された公爵令嬢エルカミーノの、神級魔法覚醒と溺愛逆ハーレム生活
ふわふわ
恋愛
公爵令嬢エルカミーノ・ヴァレンティーナは、王太子フィオリーノとの婚約を心から大切にし、完璧な王太子妃候補として日々を過ごしていた。
しかし、学園卒業パーティーの夜、突然の公開婚約破棄。
「転入生の聖女リヴォルタこそが真実の愛だ。お前は冷たい悪役令嬢だ」との言葉とともに、周囲の貴族たちも一斉に彼女を嘲笑う。
傷心と絶望の淵で、エルカミーノは自身の体内に眠っていた「神級の古代魔法」が覚醒するのを悟る。
封印されていた万能の力――治癒、攻撃、予知、魅了耐性すべてが神の領域に達するチート能力が、ついに解放された。
さらに、婚約破棄の余波で明らかになる衝撃の事実。
リヴォルタの「聖女の力」は偽物だった。
エルカミーノの領地は異常な豊作を迎え、王国の経済を支えるまでに。
フィオリーノとリヴォルタは、次々と失脚の淵へ追い込まれていく――。
一方、覚醒したエルカミーノの周りには、運命の攻略対象たちが次々と集結する。
- 幼馴染の冷徹騎士団長キャブオール(ヤンデレ溺愛)
- 金髪強引隣国王子クーガ(ワイルド溺愛)
- 黒髪ミステリアス魔導士グランタ(知性溺愛)
- もふもふ獣人族王子コバルト(忠犬溺愛)
最初は「静かにスローライフを」と願っていたエルカミーノだったが、四人の熱烈な愛と守護に囲まれ、いつしか彼女自身も彼らを深く愛するようになる。
経済的・社会的・魔法的な「ざまぁ」を経て、
エルカミーノは新女王として即位。
異世界ルールで認められた複数婚姻により、四人と結ばれ、
愛に満ちた子宝にも恵まれる。
婚約破棄された悪役令嬢が、最強チート能力と四人の溺愛夫たちを得て、
王国を繁栄させながら永遠の幸せを手に入れる――
爽快ざまぁ&極甘逆ハーレム・ファンタジー、完結!
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
聖女じゃない私の奇跡
あんど もあ
ファンタジー
田舎の農家に生まれた平民のクレアは、少しだけ聖魔法が使える。あくまでもほんの少し。
だが、その魔法で蝗害を防いだ事から「聖女ではないか」と王都から調査が来ることに。
「私は聖女じゃありません!」と言っても聞いてもらえず…。
政略結婚した旦那様に「貴女を愛することはない」と言われたけど、猫がいるから全然平気
ハルイロ
恋愛
皇帝陛下の命令で、唐突に決まった私の結婚。しかし、それは、幸せとは程遠いものだった。
夫には顧みられず、使用人からも邪険に扱われた私は、与えられた粗末な家に引きこもって泣き暮らしていた。そんな時、出会ったのは、1匹の猫。その猫との出会いが私の運命を変えた。
猫達とより良い暮らしを送るために、夫なんて邪魔なだけ。それに気付いた私は、さっさと婚家を脱出。それから数年、私は、猫と好きなことをして幸せに過ごしていた。
それなのに、なぜか態度を急変させた夫が、私にグイグイ迫ってきた。
「イヤイヤ、私には猫がいればいいので、旦那様は今まで通り不要なんです!」
勘違いで妻を遠ざけていた夫と猫をこよなく愛する妻のちょっとずれた愛溢れるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる