4 / 31
美醜感覚
しおりを挟む
「では、気づいたらさっきの場所に?その前の記憶後ないと?」
「「「そうなんです。」」」
あれから何分か…何十分かかけて現状を説明した。
桔梗が混ざるとややこしくなるので、三姉妹で交互に説明した。
三つ子だからか息ぴったりで交代しながら説明できた。
人であるという説明だけで大分かかったが、ようやく納得してもらえた。
ちなみに荷馬車は動いてる。
「それは気の毒に…帰る場所の記憶も無くしてしまったなんて…それも全員…。」
異世界転移の説明はどうしていいかわからないので、記憶喪失の旅人にした。
4人とも記憶喪失って無理があるかと思ったけど、なぜかすんなり受け入れられた。
人がよすぎるだろうこの夫婦…大丈夫か?
「はい。なのでこの近くの街でとりあえず稼ごうかと思って。」
「そうかいそうかい。こう言っちゃなんだが、あんたたちなら働かなくてもそこら辺の人たちみんなに貢いでもらえるぞ?」
「いやそれはちょっと…。贅沢したいわけじゃないので。」
「なんて謙虚な天使たちだ。」
「ありがたやありがたや。」
苦笑いする花野井一家。
どうやらこの世界、美醜の感覚が自分たちとは違うみたいなのだ。
話していくうちに自分たちの容姿がめちゃめちゃいいらしいことをきかされた。
この世界の女性は皆太っていて細い人がおらず、目鼻立ちで美醜を判断するようだ。
切れ長のすっきりした一重に、低めの鼻、小さめの唇が美人の証らしい。
逆にぱっちりした二重はギョロギョロと気味が悪く、高い鼻は魔女のようで、大きな口は化け物のようだとか。
体型は細目の方がいいらしいがこの世界にはおらず、また神様からもらった容姿を変えることはできないらしく、ダイエットなど意味ないらしい。
男性はふくよかな方がモテて、細い方が醜いらしい。更に筋肉なんかつけていれば完全に化け物扱いになるとか。顔の造形は女性と同じ扱いだ。
つまり、男性はふくよか一重低い鼻がモテるのだ。女性は一重低い鼻がモテて、更に細ければなおよしらしく…そう、つまりは花野井一家の容姿まんまなのだ。驚くことにザ・東洋人がモテる世界に転移してしまったらしい。
そんなこんなで固まるほどこの夫婦(旦那さんがフランクさんで奥さんがハンナさんとなのってもらった)は驚いてしまったのだ。
驚いたのはこちらだが、と花野井一家はだれもつっこまずに胸にしまった。
「天使たちにこんなこと言うのは気か引けるが…実は私たちは食堂を営んでいてね、近々誰か雇うつもりだったんだが、どうだい?うちに雇われてくれるかい?」
フランクさんがぽよんとしたお腹を叩きながら提案してくれた。
ちなみにフランクさんちょっとぽっちゃりさんで糸目鼻ぺちゃの大きめな口だ。大体の人がこんな感じらしくこれが標準なのだそう。
ハンナさんはフランクさんよりぽっちゃりさんの糸目鼻ぺちゃの大きめな口で、これも標準だそう。
ちなみに、糸目よりはまぶたが薄めな一重が美人らしい。
ほぼぽっちゃりさんなので必然的にまぶたも厚くなってしまうそうだ。
「ぜひ、お願いしたいです。」
「お願いします!」
「わぁ!助かります。」
「何から何までありがとうございます。」
4人それぞれに礼を述べ、夫婦の大衆食堂で働くことになった。
そこで冒頭に戻るわけである。
「いやー、ほんとに助かるわ。」
「可愛くて綺麗なだけじゃなく、働き者で性格もいいなんて…ほんとに天使のようだ。」
一段落ついた食堂では遅めの昼食を皆で食べていた。
ちなみに、最初の数日は大人気の花野井一家を見たいがために開店から閉店までずっと満員だったが、食堂の夫婦が迷惑だ、このままだと天使たちが辞めてどこかに行ってしまうぞ怒鳴ると、街の住民たちで話し合い長居せず、1日1回と決まり事を作って落ち着きを取り戻した。
貴族に囲われたくはないという天使たちの願いから、街の中で花野井一家のことを留め広がらないようにしているのも住民たちの力だ。
もはや住民たちにとってこの一家は崇めて守るべき存在となっているのだ。
「皆が優しいからとても働きやすいですよ。」
「そうですよ。とっても良くしてくれてこちらこそありがたいです。」
「フランクさんとハンナさんにも雇ってもらえて助かりました。」
「感謝してもしきれません。」
4人それぞれ感謝を告げる。
街の住民たちはまだ三つ子の違いがわからない。
桔梗もときどき三つ子の誰かと間違われるくらいだ。
一家は特に気にすることもなく過ごしている。
元の世界でもまちがわれていたし、違いがわかる人なんていなかったからだ。
「こっちこそありがとう。」
目見麗しい4人に感謝され、夫婦は照れ臭そうに笑った。
「さて、夕食の時間もが来る。そろそろ準備にとりかかろう。」
フランクさんが皆に掛け声をかけて動き出す。
それぞれ自分の食器を片付けて午後の準備を始めた。
「「「そうなんです。」」」
あれから何分か…何十分かかけて現状を説明した。
桔梗が混ざるとややこしくなるので、三姉妹で交互に説明した。
三つ子だからか息ぴったりで交代しながら説明できた。
人であるという説明だけで大分かかったが、ようやく納得してもらえた。
ちなみに荷馬車は動いてる。
「それは気の毒に…帰る場所の記憶も無くしてしまったなんて…それも全員…。」
異世界転移の説明はどうしていいかわからないので、記憶喪失の旅人にした。
4人とも記憶喪失って無理があるかと思ったけど、なぜかすんなり受け入れられた。
人がよすぎるだろうこの夫婦…大丈夫か?
「はい。なのでこの近くの街でとりあえず稼ごうかと思って。」
「そうかいそうかい。こう言っちゃなんだが、あんたたちなら働かなくてもそこら辺の人たちみんなに貢いでもらえるぞ?」
「いやそれはちょっと…。贅沢したいわけじゃないので。」
「なんて謙虚な天使たちだ。」
「ありがたやありがたや。」
苦笑いする花野井一家。
どうやらこの世界、美醜の感覚が自分たちとは違うみたいなのだ。
話していくうちに自分たちの容姿がめちゃめちゃいいらしいことをきかされた。
この世界の女性は皆太っていて細い人がおらず、目鼻立ちで美醜を判断するようだ。
切れ長のすっきりした一重に、低めの鼻、小さめの唇が美人の証らしい。
逆にぱっちりした二重はギョロギョロと気味が悪く、高い鼻は魔女のようで、大きな口は化け物のようだとか。
体型は細目の方がいいらしいがこの世界にはおらず、また神様からもらった容姿を変えることはできないらしく、ダイエットなど意味ないらしい。
男性はふくよかな方がモテて、細い方が醜いらしい。更に筋肉なんかつけていれば完全に化け物扱いになるとか。顔の造形は女性と同じ扱いだ。
つまり、男性はふくよか一重低い鼻がモテるのだ。女性は一重低い鼻がモテて、更に細ければなおよしらしく…そう、つまりは花野井一家の容姿まんまなのだ。驚くことにザ・東洋人がモテる世界に転移してしまったらしい。
そんなこんなで固まるほどこの夫婦(旦那さんがフランクさんで奥さんがハンナさんとなのってもらった)は驚いてしまったのだ。
驚いたのはこちらだが、と花野井一家はだれもつっこまずに胸にしまった。
「天使たちにこんなこと言うのは気か引けるが…実は私たちは食堂を営んでいてね、近々誰か雇うつもりだったんだが、どうだい?うちに雇われてくれるかい?」
フランクさんがぽよんとしたお腹を叩きながら提案してくれた。
ちなみにフランクさんちょっとぽっちゃりさんで糸目鼻ぺちゃの大きめな口だ。大体の人がこんな感じらしくこれが標準なのだそう。
ハンナさんはフランクさんよりぽっちゃりさんの糸目鼻ぺちゃの大きめな口で、これも標準だそう。
ちなみに、糸目よりはまぶたが薄めな一重が美人らしい。
ほぼぽっちゃりさんなので必然的にまぶたも厚くなってしまうそうだ。
「ぜひ、お願いしたいです。」
「お願いします!」
「わぁ!助かります。」
「何から何までありがとうございます。」
4人それぞれに礼を述べ、夫婦の大衆食堂で働くことになった。
そこで冒頭に戻るわけである。
「いやー、ほんとに助かるわ。」
「可愛くて綺麗なだけじゃなく、働き者で性格もいいなんて…ほんとに天使のようだ。」
一段落ついた食堂では遅めの昼食を皆で食べていた。
ちなみに、最初の数日は大人気の花野井一家を見たいがために開店から閉店までずっと満員だったが、食堂の夫婦が迷惑だ、このままだと天使たちが辞めてどこかに行ってしまうぞ怒鳴ると、街の住民たちで話し合い長居せず、1日1回と決まり事を作って落ち着きを取り戻した。
貴族に囲われたくはないという天使たちの願いから、街の中で花野井一家のことを留め広がらないようにしているのも住民たちの力だ。
もはや住民たちにとってこの一家は崇めて守るべき存在となっているのだ。
「皆が優しいからとても働きやすいですよ。」
「そうですよ。とっても良くしてくれてこちらこそありがたいです。」
「フランクさんとハンナさんにも雇ってもらえて助かりました。」
「感謝してもしきれません。」
4人それぞれ感謝を告げる。
街の住民たちはまだ三つ子の違いがわからない。
桔梗もときどき三つ子の誰かと間違われるくらいだ。
一家は特に気にすることもなく過ごしている。
元の世界でもまちがわれていたし、違いがわかる人なんていなかったからだ。
「こっちこそありがとう。」
目見麗しい4人に感謝され、夫婦は照れ臭そうに笑った。
「さて、夕食の時間もが来る。そろそろ準備にとりかかろう。」
フランクさんが皆に掛け声をかけて動き出す。
それぞれ自分の食器を片付けて午後の準備を始めた。
0
あなたにおすすめの小説
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
不憫な貴方を幸せにします
紅子
恋愛
絶世の美女と男からチヤホヤされるけど、全然嬉しくない。だって、私の好みは正反対なんだもん!ああ、前世なんて思い出さなければよかった。美醜逆転したこの世界で私のタイプは超醜男。競争率0のはずなのに、周りはみんな違う意味で敵ばっかり。もう!私にかまわないで!!!
毎日00:00に更新します。
完結済み
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
文月
恋愛
私の理想の容姿は「人形の様な整った顔」。
クールビューティーっていうの? 華やかで目を引くタイプじゃなくて、ちょっと近寄りがたい感じの正統派美人。
皆の人気者でいつも人に囲まれて‥ってのじゃなくて、「高嶺の花だ‥」って遠巻きに憧れられる‥そういうのに憧れる。
そりゃね、モテたいって願望はあるよ? 自分の(密かな)願望にまで嘘は言いません。だけど、チヤホヤ持ち上げられて「あの子、天狗になってない? 」とか陰口叩かれるのはヤなんだよ。「そんなんやっかみだろ」っていやあ、それまでだよ? 自分がホントに天狗になってないんなら。‥そういうことじゃなくて、どうせなら「お高く留まってるのよね」「綺麗な人は一般人とは違う‥って思ってんじゃない? 」って風に‥やっかまれたい。
‥とこれは、密かな願望。
生まれ変わる度に自分の容姿に落胆していた『死んで、生まれ変わって‥前世の記憶が残る特殊なタイプの魂(限定10)』のハヅキは、次第に「ままならない転生」に見切りをつけて、「現実的に」「少しでも幸せになれる生き方を送る」に目標をシフトチェンジして頑張ってきた。本当の「密かな願望」に蓋をして‥。
そして、ラスト10回目。最後の転生。
生まれ落ちるハヅキの魂に神様は「今世は貴女の理想を叶えて上げる」と言った。歓喜して神様に祈りをささげたところで暗転。生まれ変わったハヅキは「前世の記憶が思い出される」3歳の誕生日に期待と祈りを込めて鏡を覗き込む。そこに映っていたのは‥
今まで散々見て来た、地味顔の自分だった。
は? 神様‥あんだけ期待させといて‥これはないんじゃない?!
落胆するハヅキは知らない。
この世界は、今までの世界と美醜の感覚が全然違う世界だということに‥
この世界で、ハヅキは「(この世界的に)理想的で、人形のように美しい」「絶世の美女」で「恐れ多くて容易に近づけない高嶺の花」の存在だということに‥。
神様が叶えたのは「ハヅキの理想の容姿」ではなく、「高嶺の花的存在になりたい」という願望だったのだ!
この話は、無自覚(この世界的に)美人・ハヅキが「最後の人生だし! 」ってぶっちゃけて(ハヅキ的に)理想の男性にアプローチしていくお話しです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる