魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第三章

18『拠点確保と眷属』

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 結局2人は……テオドールとアーネストはすごすごと引き下がることしかできなかった。

 目の前の、見るからに体調の悪そうな少女を見れば、何かを言い出す事自体罪に思える。

「なあ、あれ……大丈夫なのか?」

 テオドールが恐る恐るな様子でアーネストに尋ねてくる。
 彼はあまり魔力は高くなく、いわゆる純然たる戦士職だ。魔力持ちの事はわからない。

「あの顔色ですからね。
 あまり疲れさせないように、おいとましてきましたが、まま、ある事なんですよ……子供の間はね」

 もう育たない、と言ったあの子。
 膨大な魔力の弊害に苦しむ様を知って、アーネストは胸を痛めた。

「なあ……死んだりしないよな?」

「本人が加減を知っているようですし大丈夫でしょう。
 でも、あまり無理を言わない方が良いですね」

 無限にポーションを生み出す、金のガチョウのようには扱ってはならないのだ。

「とりあえずクランに持ち帰って話をしなきゃ、ならないなあ……
 トントン拍子で進むと思ってたんだが、しょうがないな」

 あの日、クランに帰ってマスターに話して、彼も乗り気になって魔法職の連中の希望を聞いて……進んでいくはずだったのに、肝心のリーナからはなしのつぶて。
 猜疑心がなかったと言えば嘘になるが、ようやく決心して宿に行って見ると本人が臥せっている、なんて誰が想像しただろう。


「主人様、まだ早いのではないですか? 今日1日お休みになってはどうでしょう」

「別に無茶するつもりはないよ」

 またあるかもしれない、誰かの訪問に対してセトをテントに残し、アンナリーナはツリーハウスに戻っていった。
 そのまま調薬室に向かう。

「少し調べ物をするだけだから心配しないで」



 と、言っていたのに一体どうしてこうなった?

 ナビの心からの叫びである。
 今、アンナリーナは自らの原点【魔獣の森】にいた。
 アンナリーナの、今まで作った事のない薬、その材料を手に入れるため、位置登録していたあの滝壺にやってきたのだ。

「主人様」

「ナビも探して。
 バジリスクが欲しいのよ」

「バジリスクですか……」

 アンナリーナはふわりと浮き上がり【探索】をかけた。
 途端に視界には赤い点が一気に広がり、アンナリーナの貧乏性が湧き上がる。

「この近くにはいませんね……
 とりあえず、あちらの方向へ向かって根こそぎ狩って行くという事で」

 主人の性格を知り尽くしたナビはもう諦めたようだ。
 バジリスクの気配は薄く、かろうじて大体の方向がわかる程度。
 だが今日は、この森に住む魔獣たちにとっては厄日になりそうだ。


「うふふ……」

 アンナリーナはニヤニヤが止まらない。
 やはり、デラガルサのダンジョン化に影響されたのか魔獣が群れていることが非常に多かった。
 そのおかげで、ストックを減らしていたトサカ鳥を大量に入手出来た事が大きい。
 森猪や殺戮熊もゲット出来てアンナリーナは上機嫌だ。
 そしてメインのバジリスクだが、どうにか3匹見つけ出して狩る事が出来たのだ。

「何か、この森に来てから体調が良くなった気がするよ。
 もっともっと狩りたい」

「ではこの地に……あの登録地の滝壺にツリーハウスを固定して、テントと繋げては如何ですか?
 そしてこちらにはセトかアマルを残しておけば良いのでは?」

 それはものすごく良い案だと思われた。

「それならやっぱり、ナビが言うようにヒトガタの眷属がいるよね。
 ちょっと考えてみようかな」

「そう簡単に、そこらに転がっているとは思いませんけどね。
 召喚獣になさったらいかがですか?」

「召喚獣かあ……」

 アンナリーナは眷属に対して強いこだわりがあった。
 契約獣は、セトやアマルのような弱い個体に自らの魔力を与え、契約する。
 対して召喚獣は魔法で呼び出した魔獣と契約するのだが、ヒトガタとなると懐いてくれるか不安だ。

「召喚獣でも最弱なものを呼び出せば良いのでは?」

「そうねえ……」

 考えがまとまらないまま、アンナリーナは再び狩りを始めるのだった。

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