魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

8『最終形態』

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「飛び級ですか?」

 入学直後の一学期にもそのような話が持ち上がっていたが、確定していたわけではなかった。
 だが、今回正式に決まったのは【薬学】と【数学】だ。

「他にも候補があるのだが、特にその二つはすでに教授レベルに達しておる。出来れば教鞭をとって欲しいほどじゃ」

 アンナリーナは今、学院長の応接室で、目の前に並んだ学院長とユングクヴィストに見つめられている。

「はぁ……わかりました」

「他の科目もおいおい専門課程に上げていこう。リーナ君も無駄な時間を費やすのは御免だろう?」

 確かに、アンナリーナは学院の図書館の禁書を読んだり、各専門に特化した教授たちとのディスカッションに費やしたい。

「ご配慮、ありがとうございます」

 アンナリーナは礼をして立ち上がろうとしたところを止められてしまう。

「話は終わっておらんよ。
 リーナ君、この休暇中、遠方に出かけていたと聞いたが?」

「はい、護衛依頼でアグボンラオールまで行って来ました。
 でも雪が多くて、珍しい魔獣や素材はまったく手に入らなかったんです」

 どうやら彼らは土産話を聞きたかったらしい。

「寒波で難儀した以外は特別、お話するような事はありませんでしたよ。
 ああ、これを差し上げます」

 アンナリーナが取り出したのは、アグボンラオール名産の珍しい果実だ。

「これは種が多いですけど甘いですよ。今回の収穫はこれくらいですね」

 王都では滅多に見られない、南方の果実に学院長はホクホク顔だ。
 対してユングクヴィストは何故か渋い顔をしていた。



 その日、寮の自室に戻ったアンナリーナを迎えたのは、珍しいことにセトだった。

「おかえりなさい、主人」

「ただいま、セト。どうしたの?」

「少し……お時間を頂きたい」

「いいけど? 変なセト」

 アンナリーナは訝しげだ。
 だが、そのまま居間のソファーに座り、アラーニェの持ってきた紅茶に口をつける。

「で? どうしたの?」

「ネロから聞きました。
 主人がアンデッドの眷属を増やそうとしている事を。
 ……このセト。主人に願いがあって、御前に参上しています」

 常とは違った丁寧な言葉遣いに、彼の本気が伺える。

「なあに?珍しいね」

「俺は……俺は一番最初から、主人の傍にいた。
 これからもすぐ近くで、主人の事を支えたいと思っています。
 ……どうか俺にも【人化】のスキルを頂きたい」

「【人化】?」

 実はアンナリーナ、次にセトが進化するならそれは【人化】だと思っている。

「わかったわ。
 でもその前に、体力値と魔力値を供与させて。
 私の勘では……そろそろ何かが起きそうな気がするの。

【体力値供与】【魔力値供与】【鑑定】」

 全長3mのブラックリザードが、アンナリーナの目の前で変化していく。
 まずはその身体が縮んでいき、だが四肢はスラリと長く伸びていく。
 その姿は見る見るうちにヒトガタとなり、後方に向かって伸びる角を持つ、漆黒のドラゴニュートが現れた。

 セト(ブラックドラゴン変異種、ドラゴニュート変化、雄)
 体力値 168301775030
 魔力値 10592407500
 取得スキル
 火魔法(火球、エクスプロージョン、ファイアアロー、ファイアストーム、ボルケーノ、インフェルノ)
 水魔法(水球、ウォーターカッター、フラッド、ディープフラッド、デリュージュ、アクアブレード、タイダルウェーブ、アクアビーム、ダークストリーム)
 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
 氷魔法(氷球、アイスアロー、アイススピア、フリーズストーム、アブソリュートゼロ、ダイヤモンドダスト)
 雷魔法(雷球、ライトニングアロー、サンダーボルト、ライトニングバースト、ディバインスレイブ、ディスタージ、マイクロウェーブ)
 身体強化
 追跡
 結界
 魔法効果拡大
 魔法範囲拡大
 威嚇
 毒魔法
 麻痺魔法
 圧縮
 危機察知
 悪意察知
 噛みつき
 封印
 引き裂き
 ブレス
 石化
 レーザー
 地震
 看破
 捕食吸収
 斬撃
 必殺
 空間魔法(転移)
 耐寒


「おめでとう、セト。
 この後、スキル【剣術】を授けます。
 近々、熊さんに剣の形を見てもらいましょう。
 セトには最強の “ 魔法剣士 ”になってもらうわ」

 この後、全裸のセトにとりあえずイジの服を着せ、アラーニェが服を仕立てにかかる。
 アンナリーナはセトの防具や剣を誂えるのが楽しみで仕方ない。
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