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第四章
80『ダンジョン攻略再開』
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翌日、何事もなかったように21階層に降りたアンナリーナたちは、昨日よりも格段に上がった魔獣のレベルに驚いていた。
「スケルトン・ドラゴン!
初っ端からこんなアンデッドが出てくるなんて!」
と、言いながらもアンナリーナは【圧縮】でサクッと潰してしまう。
このスケルトン・ドラゴンはその骨格を破壊しても【核】である魔核を破壊しない限り何度でも復活する、厄介な存在なのだがそこはアンナリーナと従魔たちとの連携プレーで、圧縮されてバラバラになった骨の中から魔核を探し出したものが剣で破壊するという……何頭か繰り返すうちに流れ作業となっていった。
「しかし……このダンジョンは厄介だわね」
15階層からのアンデッドはかなり厄介だ。
パーティにアンナリーナたちのように光魔法が使えるものがいればいいが、そうでない場合は、17階層までも辿り着けないだろう、それほどシビアだった。
「これは、複数のパーティで挑む案件だな」
テオドールが渋い顔をしている。
このダンジョンがあとどれほど深くまで階層が続くのか計り知れないが、この様子では安易な考えでここに潜ったものは……全滅の憂き目に遭うだろう。
「【疾風の凶刃】で、やってみる?」
「……無理だな。
まず、うちの魔法職で光魔法を使えるものがいない。
14階層までなら何とかなるが、その下からは駄目だ」
無駄な犠牲を出すだけだとテオドールが呟き、その話は終わった。
その後はスケルトン系のアンデッド……スケルトン・サーベルタイガーやスケルトン・スフィンクス、スケルトン・サーペントが立て続けに襲ってきて、さすがのアンナリーナたちも階層を隔てる階段に着いた頃には疲労を感じていた。
「【広範囲回復】
これで次も大丈夫でしょ。
今日は21階層に手間取ったから、次の階層は覗くくらいで野営の準備をしようか」
階段に腰掛けて軽食を摂り、水分を補給する。
そのあと降り立った22階層は、今までとその様子を一変していた。
「岩場?」
11階層の石化系を思い出したが、アンナリーナたちの前に現れたのはリザードマンの群れだった。
【鑑定】してみると体力値が5000を越す個体が多い。
「連中は体力値が高いよ!
セト、イジ、行ってみる?」
頷いた2人は剣を手に、群れの中に突っ込んでいった。
「お疲れ様」
今夜の野営地は22階層に設えた。
アンナリーナの厳重な結界の中、いつものように馬車を出して皆と囲むテーブルも設置した。
テーブルを拭いたり、椅子を並べたりはガムリが率先してやってくれている。
そんなガムリを呼び出して、アンナリーナは向かい合った。
「ガムリには中々周りを調えてあげられなくてごめんなさい。
実はね、あなたの工房をダンジョンの深部に作ったらどうだろうと思っていたのだけど……このぶんじゃ、いつになるかわかんないわね。
プラン2は、どこか山奥にとか思ったんだけどね……
ねえ、ガムリはどう思う?」
ガムリはびっくりした。
そこまで大層に考えてもらえてるとは思わなかったのだ。
「その前に、設備を整えるために一度街中で工房を開いた方がいいのかしら。それなら最低、国は変えた方が良いわね」
「リーナ様、そんな」
「お道具も一から用意しなきゃならないでしょう?
どこで買ったらいいのかしら」
アンナリーナにはまったくわからないことばかりだ。
そこに。
「クランの専属鍛治職人ボブに相談してみるか?」
テオドールが、進まない話に業を煮やして提案してくれる。
「そうね、お願いしてくれる?
熊さん」
近寄ってきたテオドールの腕に自分の腕を絡めて寄り添った。
「スケルトン・ドラゴン!
初っ端からこんなアンデッドが出てくるなんて!」
と、言いながらもアンナリーナは【圧縮】でサクッと潰してしまう。
このスケルトン・ドラゴンはその骨格を破壊しても【核】である魔核を破壊しない限り何度でも復活する、厄介な存在なのだがそこはアンナリーナと従魔たちとの連携プレーで、圧縮されてバラバラになった骨の中から魔核を探し出したものが剣で破壊するという……何頭か繰り返すうちに流れ作業となっていった。
「しかし……このダンジョンは厄介だわね」
15階層からのアンデッドはかなり厄介だ。
パーティにアンナリーナたちのように光魔法が使えるものがいればいいが、そうでない場合は、17階層までも辿り着けないだろう、それほどシビアだった。
「これは、複数のパーティで挑む案件だな」
テオドールが渋い顔をしている。
このダンジョンがあとどれほど深くまで階層が続くのか計り知れないが、この様子では安易な考えでここに潜ったものは……全滅の憂き目に遭うだろう。
「【疾風の凶刃】で、やってみる?」
「……無理だな。
まず、うちの魔法職で光魔法を使えるものがいない。
14階層までなら何とかなるが、その下からは駄目だ」
無駄な犠牲を出すだけだとテオドールが呟き、その話は終わった。
その後はスケルトン系のアンデッド……スケルトン・サーベルタイガーやスケルトン・スフィンクス、スケルトン・サーペントが立て続けに襲ってきて、さすがのアンナリーナたちも階層を隔てる階段に着いた頃には疲労を感じていた。
「【広範囲回復】
これで次も大丈夫でしょ。
今日は21階層に手間取ったから、次の階層は覗くくらいで野営の準備をしようか」
階段に腰掛けて軽食を摂り、水分を補給する。
そのあと降り立った22階層は、今までとその様子を一変していた。
「岩場?」
11階層の石化系を思い出したが、アンナリーナたちの前に現れたのはリザードマンの群れだった。
【鑑定】してみると体力値が5000を越す個体が多い。
「連中は体力値が高いよ!
セト、イジ、行ってみる?」
頷いた2人は剣を手に、群れの中に突っ込んでいった。
「お疲れ様」
今夜の野営地は22階層に設えた。
アンナリーナの厳重な結界の中、いつものように馬車を出して皆と囲むテーブルも設置した。
テーブルを拭いたり、椅子を並べたりはガムリが率先してやってくれている。
そんなガムリを呼び出して、アンナリーナは向かい合った。
「ガムリには中々周りを調えてあげられなくてごめんなさい。
実はね、あなたの工房をダンジョンの深部に作ったらどうだろうと思っていたのだけど……このぶんじゃ、いつになるかわかんないわね。
プラン2は、どこか山奥にとか思ったんだけどね……
ねえ、ガムリはどう思う?」
ガムリはびっくりした。
そこまで大層に考えてもらえてるとは思わなかったのだ。
「その前に、設備を整えるために一度街中で工房を開いた方がいいのかしら。それなら最低、国は変えた方が良いわね」
「リーナ様、そんな」
「お道具も一から用意しなきゃならないでしょう?
どこで買ったらいいのかしら」
アンナリーナにはまったくわからないことばかりだ。
そこに。
「クランの専属鍛治職人ボブに相談してみるか?」
テオドールが、進まない話に業を煮やして提案してくれる。
「そうね、お願いしてくれる?
熊さん」
近寄ってきたテオドールの腕に自分の腕を絡めて寄り添った。
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