魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで

ひーにゃん

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第四章

131『新たな国へ』

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 アンナリーナたちは、とりあえず生き残った冒険者たちを回収し、食事と寝床を与えた。
 残っていた荷馬車もインベントリに入れて運んできて、中継地に並べておく。
 馬たちは失われており、アンナリーナは起きてきたアモンにどうやって運んできたか、詳細は問わないように言った。

「ここからはどちらかと言えば、ドピタの方が近いけど、どうします?
 私たちは王都に行く予定でしたけど、変更してドピタにもどるつもりです」

「では、私たちもご一緒してよろしいでしょうか?
 どちらにしても馬を調達してこないことには荷馬車を動かせませんし」

「馬、かぁ……」

 アンナリーナは少し考える。

『セト、馬具は無事?』

『少し修理すればいけると思う。
 主人、どうするつもりだ?』

『ガムリに直させましょう。
 それと、スレイプニルを召喚するわ』

 アンナリーナはどうすれば最短でドピタに戻れるか思案して、アモンに提案した。

「アモンさん、荷馬車はうちのものが修理して、私の召喚獣に引かせてドピタまで行きましょう。
 それが一番手っ取り早いと思います」

 そこにイジを伴ったガムリが現れた。

「リーナ嬢さん、俺に用だとか?」

 不遜な態度のドワーフと、筋骨たくましいオーガが現れて、アモンは腰を抜かさんばかりに驚いた。

「彼らも私の召喚獣です。
 馬車を修理して、なるべく早く出発しましょう」




 翌々日、何とかドピタにたどり着いた一行は、さっさとアモンたちと別れ、そそくさと出発していった。

「冗談じゃないわ。
 こんなところでグズグズしていて、ギルドにとっ捕まったらどうすんのよ!」

 再び、西方街道に向かったアンナリーナたちは最速で国内を駆け抜ける。
 水も安全も問題ないアンナリーナたちは、エピオルスたちの為のわずかな休憩の他はノンストップで駆け抜けた。
 それには、アンナリーナとテオドール以外は休憩を必要としない眷属たちが手綱を取り、その間に睡眠と食事を摂ることが出来たのが大きかった。

 国境の関所ではアンナリーナがギルドカードを見せて。

「旅の薬師です。
 貴重な薬草を探して旅をしています」

 と、言えば、ほぼ止められる事なく出入国が出来る。
 アンナリーナは新たな国【ビエロフラーヴェク】に入国し、国境から一番近い町に向かっていた。
 ここには大規模な魔の森が広がっていて、それを切り開いた一本道が続いている。

「!!
 熊さん! この奥に、ものすごい数の魔獣の反応がある。
 このパターンはダンジョンだよ。
 ここにもダンジョン穴が出来てるのかもしれない!」

「何っ!? それは確かか?」

 テオドールは手綱を引いてエピオルスを止めた。

「熊さん、行ってみてもいい?
 もしも、極々初期なら【蛇穴】の時のように消滅させられるかもしれない」

「それよりもおまえは珍しい魔獣を手に入れられないか、そればっかり考えてるんだろうが?
 ああ、いいよ!反対しても行くだろうし、黙って行かれた日にゃ、どれほど心配させられるか、考えただけでも嫌になる」

「じゃあ、なるべく近くまで移動しようか。
 エピオルスたちと馬車は片付けるね」

 エピオルスの召喚を解き、馬車はインベントリに収納する。
 それからテオドールとふたり、魔獣だらけで真っ赤に表示されている場所まで、警戒を怠らず進んだ。

「リーナ、あそこに鹿がいる。
 ……恐らくだがあれは森鹿の上位種【五つ目鹿】だ。
 あのサイズならいい値がつくぞ」

 目を爛々と輝かせたアンナリーナが【飛行】で浮き上がる。
 そして慎重に【サファケイト】で息の根を止め、インベントリに収納した。
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