13 / 26
13かぼ!ご褒美は
しおりを挟む
「自らの危険を顧みず僕を助けてくれたんだ。お礼に褒美をとらそう。何が良いか考えておくように」
って何故か照れながら言われたんだけど……褒美と言われても洋服も買ってもらって、美味しいご飯もたべさせてもらって正直毎日がご褒美なんだけど。
うーん、物じゃないけど私が欲しいのは可愛いかぼパンかな。
もっと、もっと可愛いかぼパンを愛でたいっ!これだーっ!
折角だから何をやったら可愛いか愛で会メンバーから募集してみるか!
と言うわけで、サクッと召集してみました。メンバーの家臣達。
「会長!我ら愛でる会と集合写真を撮っていただくのはどうか?」
確かに、それは愛で会のステータスにもなるかもしれないが。
「でもそれ、可愛くなくない?」
「あ、ダンスをしてもらうなどどうでしょう?きっと愛らしいかと思いますが」
「うんうん、きっと可愛いんだろうねぇ!そう言うのくださーい!」
皆の意見を副会長ランが書き出すが多すぎて困る。どれもこれも捨て難い。
それになによりこの熱量、愛で会メンバーにも可愛いかぼパンを見せてあげたい。その気持ちが私の脳を刺激した。
「よし、手作りすごろくにしましょう!」
「すごろく?」
私はかいつまんですごろくの説明をする。そして最後にこう付け加える。
「プレイヤーは止まったマスに書いてある行動をしなければならないの。なので皆それぞれマスにかぼパンにして欲しい事を書きましょう!」
「おおっ!」
「そしてすごろくは大勢が見て楽しんでも良いものなの」
「会長~っ!」
涙を溜め喜ぶ会員達。本来なら参加させてあげたいが、全員参加だと何時間かかるか分からない。なので見学と言う形にさせて貰おう。
すごろくもサイコロも完成させいざ出陣!
ご褒美、しっかりいただきます!
早速かぼパンのお部屋に訪問。愛で会メンバーは全員廊下で待機。かぼパンは機嫌良さそうに迎えてくれた。
「褒美が遊んで欲しいとは……そんなので良いのか?」
「うん!」
「よし、じゃあそうしよう。ご褒美が遊びたいだなんて名ばかりはそんなに僕の事がっ!仕方ない、デー……」
「よかったー!皆~!入って入って!」
かぼパンがまだ何か言っていたが嬉しくて皆を招き入れる。ランを筆頭に入って来る役20名。
「えっ?皆?えっ?宰相?執事長までどうした?」
驚いているかぼパンにすごろくで遊びたいと説明する。
「すごろくは皆で見てワイワイする物なの!」
「あれ?そうか、あれ……?」
納得できていないような表情だがご褒美なのできちんと遊んでくれるらしい。
サイコロはかぼパンが投げて可愛いサイズ。両手でヨイショと投げるタイプだ。
「えいっ」
先攻のかぼパンがサイコロを投げただけで拍手が起こる。勿論私も。
あああ、可愛いっ!
「いち、に、さん……えーと、スキップしたら後2マス進める」
「やった、ワシの書いたマスじゃ!」
興奮した宰相が叫ぶ。
「手作りと言っていたが宰相が書いたのか。すごろくは先にゴールした方が勝ち。更に2マス進めるとは良い案を書いてくれた」
かぼパンは私達の思惑も知らずに素直に褒めた。そして小さい身体で跳ね、スキップしてみせる。
可愛い!少したどたどしい足付きがたまらないっ!皆がかぼパンから出る可愛いを摂取。
ランの言葉を借りるなら、可愛いで心が潤う。
私は6を出しかぼパンを越える。マスに書いてあるのはかぼパンにして欲しい事だが、私だけやらないわけにもいかない。
なになに、上目遣いで甘えて欲しい……か。甘えるってどうやればいいの?
私はその場にしゃがんで必死に上目遣い。
「かぼパン、ほっぺスリスリしていい?」
「はっ?!」
驚きの声を漏らしたと同時に赤く染まった頬。中々上手に甘えられたようだ。
立ち上がりサイコロを手渡すとかぼパンはサイコロで顔を隠した。
「照れ屋なんだから」
「だ、ま、れ!もう絶対動揺しないぞ」
かぼパンがサイコロを投げる。出た目は1、つまり上目遣いで甘える。だ。
私はニヤついてかぼパンの甘えを待つ。
「くぅぅぅう」
かぼパンは悔しそうに唸ると両手を上げ、広げた。
「……抱っこ」
小さな声で恥ずかしそうに言ったかぼパン。
可愛すぎて倒れるメンバー続出。私ももうメロメロで本当に抱き上げた。
「あっ、こら!甘えるだけだろう!本当にするな!」
ああ、いくら毒づかれようがさっきの「抱っこ」で数年は飯が食えそう。仕方なく下ろしサイコロを振った。
6。かぼパンの表情がキッとキツくなる。
「また6だと?イカサマをしているなら今言うんだ」
「してませーん!」
6マス進んだ先は1番好きな人に抱きつく。コレ書いたやつ誰だ!出てこい!と言いたいがかぼパンがいるから問題なし。私は迷わずかぼパンに抱きついた。
再びかぼパンのサイコロで顔隠しタイム発生。
「照れすぎじゃない?」
「黙れ名ばかり」
落ち着いたかぼパンがサイコロを振る。5進む。マスに書いてあるのはダンスを披露する。
かぼパンはその場でくるくると回りダンスを披露。あー、可愛いっ!
繰り広げられるかぼパンの可愛いがたまらない。私もタコさんウインナーを食べるなど順調にこなしていく。
とうとうかぼパンが私が書いたマスを引いた。子猫を抱っこして可愛がる。可愛いの相乗効果を狙ったものだ。
早速スタンバイしていた子猫を渡すと、かぼパンは嬉しそうな顔で抱っこした。
かっ、可愛い!かぼパン×可愛い生き物は正解だった。小さい子猫とかぼパンの相性は抜群。可愛い×可愛いでメタクソ可愛いっ!
かぼパンは子猫の顔を見つめ頬を染める。
「可愛いな。名ばかりとは大違いだ」
呟いている事はアレだが、まるでそこの空間だけ世界が可愛いでできているようだ。
ああっ、至福の時っ!
うっとり可愛いを満喫した後はすごろく再開。私が当たったのは皆に向かってダンスを踊る。
かぼパンとメンバーを並ばせ、子供の頃好きだったアイドルの真似をした。
「みんな~今日は来てくれてありがとう!また会、い、ま、ショウ!」
お決まりの言葉で締めると、愛で会のメンバー達と一緒にかぼパンも楽しそうに拍手してくれた。嬉しそうなかぼパン可愛い。やった甲斐があったわ!
中庭に行きバインバインに乗る。皆に向かって赤ちゃん言葉で挨拶をする。など狼狽えつつも、全てこなしメンバーが書いた思い思いの「可愛い」を披露し先にゴールしたかぼパン。
「勝ったぞー!見たか名ばかりぃい!」
勝利したかぼパンは本当に嬉しそう。
ゴールに書いてある「最後にこの場にいる全員で集合写真を撮ろう!」を飛び切りの笑顔でこなしたのだった。
「やっぱり元気で可愛いかぼパン最高!皆も元気で可愛いかぼパンが1番好きだよね」
「その通りです!毎日お元気で可愛らしい陛下が大好きです」
皆私の言葉に同意して頷く。
かぼパンは口をぽかんと開けて「ああ」と漏らした。
「そうか……僕は今子供だから……」
少ししょんぼりした様子のかぼパンの気持ちを考えて慰める。
「大人になっても皆かぼパンの事大好きだと思うよ!私もランも!すごろくの指示も全部嫌がらずにやってくれる王様中々いないよ」
「……当たり前だ。大人に戻ったらまたやろう。その時は僕もマスを書くぞ」
「うん」
最高のご褒美だった!
って何故か照れながら言われたんだけど……褒美と言われても洋服も買ってもらって、美味しいご飯もたべさせてもらって正直毎日がご褒美なんだけど。
うーん、物じゃないけど私が欲しいのは可愛いかぼパンかな。
もっと、もっと可愛いかぼパンを愛でたいっ!これだーっ!
折角だから何をやったら可愛いか愛で会メンバーから募集してみるか!
と言うわけで、サクッと召集してみました。メンバーの家臣達。
「会長!我ら愛でる会と集合写真を撮っていただくのはどうか?」
確かに、それは愛で会のステータスにもなるかもしれないが。
「でもそれ、可愛くなくない?」
「あ、ダンスをしてもらうなどどうでしょう?きっと愛らしいかと思いますが」
「うんうん、きっと可愛いんだろうねぇ!そう言うのくださーい!」
皆の意見を副会長ランが書き出すが多すぎて困る。どれもこれも捨て難い。
それになによりこの熱量、愛で会メンバーにも可愛いかぼパンを見せてあげたい。その気持ちが私の脳を刺激した。
「よし、手作りすごろくにしましょう!」
「すごろく?」
私はかいつまんですごろくの説明をする。そして最後にこう付け加える。
「プレイヤーは止まったマスに書いてある行動をしなければならないの。なので皆それぞれマスにかぼパンにして欲しい事を書きましょう!」
「おおっ!」
「そしてすごろくは大勢が見て楽しんでも良いものなの」
「会長~っ!」
涙を溜め喜ぶ会員達。本来なら参加させてあげたいが、全員参加だと何時間かかるか分からない。なので見学と言う形にさせて貰おう。
すごろくもサイコロも完成させいざ出陣!
ご褒美、しっかりいただきます!
早速かぼパンのお部屋に訪問。愛で会メンバーは全員廊下で待機。かぼパンは機嫌良さそうに迎えてくれた。
「褒美が遊んで欲しいとは……そんなので良いのか?」
「うん!」
「よし、じゃあそうしよう。ご褒美が遊びたいだなんて名ばかりはそんなに僕の事がっ!仕方ない、デー……」
「よかったー!皆~!入って入って!」
かぼパンがまだ何か言っていたが嬉しくて皆を招き入れる。ランを筆頭に入って来る役20名。
「えっ?皆?えっ?宰相?執事長までどうした?」
驚いているかぼパンにすごろくで遊びたいと説明する。
「すごろくは皆で見てワイワイする物なの!」
「あれ?そうか、あれ……?」
納得できていないような表情だがご褒美なのできちんと遊んでくれるらしい。
サイコロはかぼパンが投げて可愛いサイズ。両手でヨイショと投げるタイプだ。
「えいっ」
先攻のかぼパンがサイコロを投げただけで拍手が起こる。勿論私も。
あああ、可愛いっ!
「いち、に、さん……えーと、スキップしたら後2マス進める」
「やった、ワシの書いたマスじゃ!」
興奮した宰相が叫ぶ。
「手作りと言っていたが宰相が書いたのか。すごろくは先にゴールした方が勝ち。更に2マス進めるとは良い案を書いてくれた」
かぼパンは私達の思惑も知らずに素直に褒めた。そして小さい身体で跳ね、スキップしてみせる。
可愛い!少したどたどしい足付きがたまらないっ!皆がかぼパンから出る可愛いを摂取。
ランの言葉を借りるなら、可愛いで心が潤う。
私は6を出しかぼパンを越える。マスに書いてあるのはかぼパンにして欲しい事だが、私だけやらないわけにもいかない。
なになに、上目遣いで甘えて欲しい……か。甘えるってどうやればいいの?
私はその場にしゃがんで必死に上目遣い。
「かぼパン、ほっぺスリスリしていい?」
「はっ?!」
驚きの声を漏らしたと同時に赤く染まった頬。中々上手に甘えられたようだ。
立ち上がりサイコロを手渡すとかぼパンはサイコロで顔を隠した。
「照れ屋なんだから」
「だ、ま、れ!もう絶対動揺しないぞ」
かぼパンがサイコロを投げる。出た目は1、つまり上目遣いで甘える。だ。
私はニヤついてかぼパンの甘えを待つ。
「くぅぅぅう」
かぼパンは悔しそうに唸ると両手を上げ、広げた。
「……抱っこ」
小さな声で恥ずかしそうに言ったかぼパン。
可愛すぎて倒れるメンバー続出。私ももうメロメロで本当に抱き上げた。
「あっ、こら!甘えるだけだろう!本当にするな!」
ああ、いくら毒づかれようがさっきの「抱っこ」で数年は飯が食えそう。仕方なく下ろしサイコロを振った。
6。かぼパンの表情がキッとキツくなる。
「また6だと?イカサマをしているなら今言うんだ」
「してませーん!」
6マス進んだ先は1番好きな人に抱きつく。コレ書いたやつ誰だ!出てこい!と言いたいがかぼパンがいるから問題なし。私は迷わずかぼパンに抱きついた。
再びかぼパンのサイコロで顔隠しタイム発生。
「照れすぎじゃない?」
「黙れ名ばかり」
落ち着いたかぼパンがサイコロを振る。5進む。マスに書いてあるのはダンスを披露する。
かぼパンはその場でくるくると回りダンスを披露。あー、可愛いっ!
繰り広げられるかぼパンの可愛いがたまらない。私もタコさんウインナーを食べるなど順調にこなしていく。
とうとうかぼパンが私が書いたマスを引いた。子猫を抱っこして可愛がる。可愛いの相乗効果を狙ったものだ。
早速スタンバイしていた子猫を渡すと、かぼパンは嬉しそうな顔で抱っこした。
かっ、可愛い!かぼパン×可愛い生き物は正解だった。小さい子猫とかぼパンの相性は抜群。可愛い×可愛いでメタクソ可愛いっ!
かぼパンは子猫の顔を見つめ頬を染める。
「可愛いな。名ばかりとは大違いだ」
呟いている事はアレだが、まるでそこの空間だけ世界が可愛いでできているようだ。
ああっ、至福の時っ!
うっとり可愛いを満喫した後はすごろく再開。私が当たったのは皆に向かってダンスを踊る。
かぼパンとメンバーを並ばせ、子供の頃好きだったアイドルの真似をした。
「みんな~今日は来てくれてありがとう!また会、い、ま、ショウ!」
お決まりの言葉で締めると、愛で会のメンバー達と一緒にかぼパンも楽しそうに拍手してくれた。嬉しそうなかぼパン可愛い。やった甲斐があったわ!
中庭に行きバインバインに乗る。皆に向かって赤ちゃん言葉で挨拶をする。など狼狽えつつも、全てこなしメンバーが書いた思い思いの「可愛い」を披露し先にゴールしたかぼパン。
「勝ったぞー!見たか名ばかりぃい!」
勝利したかぼパンは本当に嬉しそう。
ゴールに書いてある「最後にこの場にいる全員で集合写真を撮ろう!」を飛び切りの笑顔でこなしたのだった。
「やっぱり元気で可愛いかぼパン最高!皆も元気で可愛いかぼパンが1番好きだよね」
「その通りです!毎日お元気で可愛らしい陛下が大好きです」
皆私の言葉に同意して頷く。
かぼパンは口をぽかんと開けて「ああ」と漏らした。
「そうか……僕は今子供だから……」
少ししょんぼりした様子のかぼパンの気持ちを考えて慰める。
「大人になっても皆かぼパンの事大好きだと思うよ!私もランも!すごろくの指示も全部嫌がらずにやってくれる王様中々いないよ」
「……当たり前だ。大人に戻ったらまたやろう。その時は僕もマスを書くぞ」
「うん」
最高のご褒美だった!
応援ありがとうございます!
25
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる