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北九州ゴムボート漂流官僚遺体
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2014年の冬に日本の海上で通常では想定しづらい形態の漂流事案が発覚した。
1月18日、福岡県北九州市若松区の響灘沖約500メートルの海域で、プレジャーボートの船長がゴムボートが漂流しているのを発見した。ボート内には成人男性1名が横たわっておりその場で死亡が確認された。
ゴムボートはエンジン付きで外見上は大きな破損はなかったとされる。
発見当時の現場付近の海象は荒れており冬季特有の強風と高波が観測されていた。
遺体はすぐには身元が特定されなかったが、その後の捜査により日本の内閣府に勤務する30代の男性職員であることが判明した。
男性は中央省庁に勤務する国家公務員なので報道では「内閣府職員」「キャリア官僚」と表現された。
家族構成などの周辺情報は不自然なほどに情報がない。
海外滞在歴もあり直近では韓国に出張あるいは滞在していたことが確認されている。
報道を総合すると韓国では釜山周辺に滞在していた可能性が高い。現地で宿泊履歴があったとされるが、正式な出国記録が確認されなかったという点が非常に不自然である。
日本側でも、通常の航空機や定期船を利用して日本に入国した形跡は確認されなかったとされ、「どのようにして日本近海に至ったのか」が明確に説明されることはなかった。
本件が強い注目を集めた最大の理由は、移動手段としてのゴムボートである。
発見されたのは韓国製とされる3mくらいのゴムボートに小型エンジンが装備されていた。ただしここは真冬の日本海という海域条件である。
これらの点から専門家や海難関係者の間では「一般人がこの時期にこの海域をゴムボートで航行するのは極めて危険」「ましてや本当に釜山から北九州に渡ろうとしたなら正気の沙汰ではない。」との見解が多く示された。
一方で、やる人がいないだけで無理をすれば物理的に不可能ではないという評価もあり釜山から北九州渡航を試みた説が完全に否定されることはなかった。
海上保安庁や警察が遺体の状況を調べた結果明確な外傷や暴行痕は確認されなかった。さらに他者の関与を直接示す証拠は見つからなかったとして、事件性は低いとの見方を示した。
死因については溺死とみられ驚くべき事に刑事事件として立件されることはなかった。
遺体は韓国でゴムボート購入用に買った防寒具の黒いジャンパー姿だったという情報だ。
韓国滞在中の目撃情報では、黒いジャンパーを着用しマスクをしていたとする証言がある。
ボート内の積載物に関する報道もなし。仮にも日本海を単独横断するとしたら食料や水が必要だし、何か書類や物品の受け渡しをするのが目的だったなら積載物がヒントになる。時化で散逸したのか、敢えて報道されていないのかすらわからない。
韓国から出船したのか、他の船で運ばれた後北九州で遭難したのか、記録無しで日本に入国した後日本から出船して遭難したのか。そもそもの行動の動機は?韓国側での詳細な足取りは?といった点は公表されず、捜査内容の多くは非公開のままとなった。
公式発表が最小限にとどまったことで、ネット上では複数の説が拡散した。
最有力とされたのがスパイ・工作活動説だ。
内閣府職員という肩書から、情報活動に関与していたのではないかという推測だ。
根拠となる具体的証拠は示されず、公式にも否定・肯定はなされていない。
だからこそ日韓政府どちらか、あるいは両方からの圧力により警察の捜査がうやむやになり発表も最小限のまま幕引きされたのではないかというもので一定の説得力がある。
密航・組織関与説も根強い。韓国から組織の漁船等で移動し、途中でゴムボートに乗り換えた可能性。一部報道で「捜査上の可能性」として触れられたがもちろんその後断定には至っていない。
自力横断による事故・海難説もある。本人が自らゴムボートで航行を試み、事故に遭ったという見方。
海上保安庁の「事件性なし」という判断と最も近い位置にあるが、内閣府職員という地位にある人物がそんな無謀な行為をするとは思えないこと。そこまでしなければいけない動機についての説明にもなっていない。
違法薬物や地下取引に関わっていたのではないか、というネット起点の説もあるが報道・捜査情報との接点は確認されていない。やはり内閣府職員という高位の公務員がそのようなハイリスクな行為をわざわざする理由が不明である。
個人的事情を背景に、意図的に危険な航行を行ったといういわゆる私的トラブル・自死説もある。こちらの解釈にも裏付けとなる情報は一切示されていない。
本件がネットで長く語られた理由は、事件そのものよりも情報構造にあった。
まず警察発表があまりにも最小限であること。冬の海にゴムボートという不自然な状況。肩書きが想像を刺激する人物像。韓国という国外要素。出入国記録の不明瞭さ。
いつものマスコミであれば多分に好奇心を刺激する内容であるはずなのに、マスコミでの取り上げ方も不自然なまでに小さい。
これらが重なり一般人側には「情報の空白」が大きく残った。
その空白を埋める形でネット上では推理・物語化が進み、事実以上の広がりを持った事件像が作られていった。
ただし結論は出ていない。
公式に確認されているのは、
日本近海でゴムボートに乗った男性の遺体が発見されたこと
男性は内閣府職員で、直前に韓国に滞在していたこと
明確な事件性は確認されなかったこと
この三点のみにほぼ集約される。なぜ?についての情報はゼロだ。
それ以外の部分は、多くが「説明されなかった空白」でありその空白が想像と推理を呼び込んだ。
そして説明されないこと自体が本質であるとの疑念は絶えない。
1月18日、福岡県北九州市若松区の響灘沖約500メートルの海域で、プレジャーボートの船長がゴムボートが漂流しているのを発見した。ボート内には成人男性1名が横たわっておりその場で死亡が確認された。
ゴムボートはエンジン付きで外見上は大きな破損はなかったとされる。
発見当時の現場付近の海象は荒れており冬季特有の強風と高波が観測されていた。
遺体はすぐには身元が特定されなかったが、その後の捜査により日本の内閣府に勤務する30代の男性職員であることが判明した。
男性は中央省庁に勤務する国家公務員なので報道では「内閣府職員」「キャリア官僚」と表現された。
家族構成などの周辺情報は不自然なほどに情報がない。
海外滞在歴もあり直近では韓国に出張あるいは滞在していたことが確認されている。
報道を総合すると韓国では釜山周辺に滞在していた可能性が高い。現地で宿泊履歴があったとされるが、正式な出国記録が確認されなかったという点が非常に不自然である。
日本側でも、通常の航空機や定期船を利用して日本に入国した形跡は確認されなかったとされ、「どのようにして日本近海に至ったのか」が明確に説明されることはなかった。
本件が強い注目を集めた最大の理由は、移動手段としてのゴムボートである。
発見されたのは韓国製とされる3mくらいのゴムボートに小型エンジンが装備されていた。ただしここは真冬の日本海という海域条件である。
これらの点から専門家や海難関係者の間では「一般人がこの時期にこの海域をゴムボートで航行するのは極めて危険」「ましてや本当に釜山から北九州に渡ろうとしたなら正気の沙汰ではない。」との見解が多く示された。
一方で、やる人がいないだけで無理をすれば物理的に不可能ではないという評価もあり釜山から北九州渡航を試みた説が完全に否定されることはなかった。
海上保安庁や警察が遺体の状況を調べた結果明確な外傷や暴行痕は確認されなかった。さらに他者の関与を直接示す証拠は見つからなかったとして、事件性は低いとの見方を示した。
死因については溺死とみられ驚くべき事に刑事事件として立件されることはなかった。
遺体は韓国でゴムボート購入用に買った防寒具の黒いジャンパー姿だったという情報だ。
韓国滞在中の目撃情報では、黒いジャンパーを着用しマスクをしていたとする証言がある。
ボート内の積載物に関する報道もなし。仮にも日本海を単独横断するとしたら食料や水が必要だし、何か書類や物品の受け渡しをするのが目的だったなら積載物がヒントになる。時化で散逸したのか、敢えて報道されていないのかすらわからない。
韓国から出船したのか、他の船で運ばれた後北九州で遭難したのか、記録無しで日本に入国した後日本から出船して遭難したのか。そもそもの行動の動機は?韓国側での詳細な足取りは?といった点は公表されず、捜査内容の多くは非公開のままとなった。
公式発表が最小限にとどまったことで、ネット上では複数の説が拡散した。
最有力とされたのがスパイ・工作活動説だ。
内閣府職員という肩書から、情報活動に関与していたのではないかという推測だ。
根拠となる具体的証拠は示されず、公式にも否定・肯定はなされていない。
だからこそ日韓政府どちらか、あるいは両方からの圧力により警察の捜査がうやむやになり発表も最小限のまま幕引きされたのではないかというもので一定の説得力がある。
密航・組織関与説も根強い。韓国から組織の漁船等で移動し、途中でゴムボートに乗り換えた可能性。一部報道で「捜査上の可能性」として触れられたがもちろんその後断定には至っていない。
自力横断による事故・海難説もある。本人が自らゴムボートで航行を試み、事故に遭ったという見方。
海上保安庁の「事件性なし」という判断と最も近い位置にあるが、内閣府職員という地位にある人物がそんな無謀な行為をするとは思えないこと。そこまでしなければいけない動機についての説明にもなっていない。
違法薬物や地下取引に関わっていたのではないか、というネット起点の説もあるが報道・捜査情報との接点は確認されていない。やはり内閣府職員という高位の公務員がそのようなハイリスクな行為をわざわざする理由が不明である。
個人的事情を背景に、意図的に危険な航行を行ったといういわゆる私的トラブル・自死説もある。こちらの解釈にも裏付けとなる情報は一切示されていない。
本件がネットで長く語られた理由は、事件そのものよりも情報構造にあった。
まず警察発表があまりにも最小限であること。冬の海にゴムボートという不自然な状況。肩書きが想像を刺激する人物像。韓国という国外要素。出入国記録の不明瞭さ。
いつものマスコミであれば多分に好奇心を刺激する内容であるはずなのに、マスコミでの取り上げ方も不自然なまでに小さい。
これらが重なり一般人側には「情報の空白」が大きく残った。
その空白を埋める形でネット上では推理・物語化が進み、事実以上の広がりを持った事件像が作られていった。
ただし結論は出ていない。
公式に確認されているのは、
日本近海でゴムボートに乗った男性の遺体が発見されたこと
男性は内閣府職員で、直前に韓国に滞在していたこと
明確な事件性は確認されなかったこと
この三点のみにほぼ集約される。なぜ?についての情報はゼロだ。
それ以外の部分は、多くが「説明されなかった空白」でありその空白が想像と推理を呼び込んだ。
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