6 / 14
王子の命令
しおりを挟む
しまったーーーー!! 口から勝手に出てた!!
ダラダラと冷や汗がつたう。
「……それは俺のことがか?」
沈黙を破ったのは王子の方だった。
「あ、いや、あの、えとこれは……」
一国の王子に好きとか! 俺は従者なのに! しかも好きなのは顔っていう不純すぎる事態!!
その場を突破する言葉が思いつかず、目を逸らして黙る。こうなったら処刑を待とう。
「本当に俺自身が好きなのか? 答えろ」
「うっ……」
顎を掴んで持ち上げられ、強制的に目を合わせられる。青い瞳に俺がうつるぐらい距離が近づいてくる。
ちか、うわ、顔がいい~~~~!! キラキラが飛んでる!まぶしい!!
それしか頭に回らない。王子の顔で脳が塗りつぶされていくみたいだ。
王子は眉間にしわを寄せて声を低くした。
「こ、た、え、ろ」
「お、王子の……顔が好きです……超ド好みなんです……好きすぎて頭おかしくなる……どの表情も……一生見つめていたいです」
「……顔?」
顎に触れていた手が離される。
瞬間、正直に話してしまったことに気づく。血の気が引いた。
やばい、逆らえなかった! その顔で命令されると脳が溶けてしまう!!
広い部屋には沈黙が訪れた。
今度こそ終わった……解雇決定……さらば、王子……
今度こそ処刑の言葉を待っていると、ソファに体を預けて思案していた王子がこちらを向いた。
「顔が好き……つまり、俺が何をしようが何を言おうがこの顔があれば関係ないし、お前はこの顔が見れれば良い、ということか?」
「ハイ、申し訳ございません、その通りでございます……」
もう言い訳しても無駄だろう。どうせあと数分の従者生命だ。協力してくれた町のみんなの顔が浮かんだ。ごめん……俺の煩悩のせいで1日で解雇とか……どんな顔して戻ればいいんだ……
「それは好都合」
「へ?」
間抜けな声が出た。王子は足を組み、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「いくら命令しても怯えたり逃げ出したりしない、そういう駒が欲しかったんだ」
……待て? 話がどんどん変な方向に行ってる気がするが、構わず王子は続ける。
「今日1日、お前の働きはそこそこ良い出来だったしな、鍛えればもっと使えるようになる」
「え、あの……?」
王子の言葉が理解できず、首を捻りながら綺麗な顔を見つめた。
「この顔で命令されればお前は俺に逆らえないんだろう? 先ほど俺がこたえろ、と言ったらお前は洗いざらい吐いた。それが証拠だ」
「あの、俺は解雇では……?」
「解雇? こんな便利な駒、手放すわけないだろう。これからお前には、この顔を眺める代価として、俺の言うことを全て聞いてもらう」
な、なにを言ってるんだ、この王子は……!?
「お前は一生、俺の下で働き続けろ! 大好きな俺の顔を眺めながらな! 光栄だろう?」
俺を指さし、青色の瞳を真っ直ぐ向け傲慢に輝く王子の笑顔は、それはそれはこの世の何よりも美しいものだった。そ、そんな顔で微笑まれたら……
「ありがたく拝ませていただきます……」
なすすべなく屈するしかなかった。
ダラダラと冷や汗がつたう。
「……それは俺のことがか?」
沈黙を破ったのは王子の方だった。
「あ、いや、あの、えとこれは……」
一国の王子に好きとか! 俺は従者なのに! しかも好きなのは顔っていう不純すぎる事態!!
その場を突破する言葉が思いつかず、目を逸らして黙る。こうなったら処刑を待とう。
「本当に俺自身が好きなのか? 答えろ」
「うっ……」
顎を掴んで持ち上げられ、強制的に目を合わせられる。青い瞳に俺がうつるぐらい距離が近づいてくる。
ちか、うわ、顔がいい~~~~!! キラキラが飛んでる!まぶしい!!
それしか頭に回らない。王子の顔で脳が塗りつぶされていくみたいだ。
王子は眉間にしわを寄せて声を低くした。
「こ、た、え、ろ」
「お、王子の……顔が好きです……超ド好みなんです……好きすぎて頭おかしくなる……どの表情も……一生見つめていたいです」
「……顔?」
顎に触れていた手が離される。
瞬間、正直に話してしまったことに気づく。血の気が引いた。
やばい、逆らえなかった! その顔で命令されると脳が溶けてしまう!!
広い部屋には沈黙が訪れた。
今度こそ終わった……解雇決定……さらば、王子……
今度こそ処刑の言葉を待っていると、ソファに体を預けて思案していた王子がこちらを向いた。
「顔が好き……つまり、俺が何をしようが何を言おうがこの顔があれば関係ないし、お前はこの顔が見れれば良い、ということか?」
「ハイ、申し訳ございません、その通りでございます……」
もう言い訳しても無駄だろう。どうせあと数分の従者生命だ。協力してくれた町のみんなの顔が浮かんだ。ごめん……俺の煩悩のせいで1日で解雇とか……どんな顔して戻ればいいんだ……
「それは好都合」
「へ?」
間抜けな声が出た。王子は足を組み、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「いくら命令しても怯えたり逃げ出したりしない、そういう駒が欲しかったんだ」
……待て? 話がどんどん変な方向に行ってる気がするが、構わず王子は続ける。
「今日1日、お前の働きはそこそこ良い出来だったしな、鍛えればもっと使えるようになる」
「え、あの……?」
王子の言葉が理解できず、首を捻りながら綺麗な顔を見つめた。
「この顔で命令されればお前は俺に逆らえないんだろう? 先ほど俺がこたえろ、と言ったらお前は洗いざらい吐いた。それが証拠だ」
「あの、俺は解雇では……?」
「解雇? こんな便利な駒、手放すわけないだろう。これからお前には、この顔を眺める代価として、俺の言うことを全て聞いてもらう」
な、なにを言ってるんだ、この王子は……!?
「お前は一生、俺の下で働き続けろ! 大好きな俺の顔を眺めながらな! 光栄だろう?」
俺を指さし、青色の瞳を真っ直ぐ向け傲慢に輝く王子の笑顔は、それはそれはこの世の何よりも美しいものだった。そ、そんな顔で微笑まれたら……
「ありがたく拝ませていただきます……」
なすすべなく屈するしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
悲報、転生したらギャルゲーの主人公だったのに、悪友も一緒に転生してきたせいで開幕即終了のお知らせ
椿谷あずる
BL
平凡な高校生だった俺は、ある日事故で命を落としギャルゲーの世界に主人公としてに転生した――はずだった。薔薇色のハーレムライフを望んだ俺の前に、なぜか一緒に事故に巻き込まれた悪友・野里レンまで転生してきて!?「お前だけハーレムなんて、絶対ズルいだろ?」っておい、俺のハーレム計画はどうなるんだ?ヒロインじゃなく、男とばかりフラグが立ってしまうギャルゲー世界。俺のハーレム計画、開幕十分で即終了のお知らせ……!
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる