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壱章 愛宕山の天狗様
十三
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--2週間後
世間は4月を迎えていた。出会いと別れの季節であり、桜舞い散る季節であり、藍たち親子にとっては、入学の季節であった。
「藍ちゃん、こっち向いて」
母の声に応じて、藍は気恥ずかしさをこらえて前を向いた。数週間前まで着ていたものとは違う、まっさらな制服に身を包み、新たな学び舎の校門前に立つ。いつもとは違うスーツ姿の母がシャッターを切ると、すぐに後ろに並んでいた他の新入生と交代した。
「高校の制服って何だか大人ねぇ。中学の時はまだまだ可愛らしかったのに。感慨深いわぁ」
「成長したって言ってよ。中学の入学式から3年経ってるんだから」
母が大きな声でそんなことを言うものだから、藍は委縮してしまった。だが見回すと、どこの家庭も似たようなことを言っている。ほっとしたような、やはり恥ずかしいような、何だかもやもやした気持ちに駆られる。
「もういいでしょ。ほら、早く帰らないと、もう引っ越し業者さん来てるかもよ」
「あら、もうそんな時間?」
藍は名残惜しそうにする母の背中を押して、校門を後にした。
募集をかけていた離れの下宿人が早速決まり、今日、入居なのだ。急だったので日程をずらせず、藍と母が入学式から帰って来る頃に引っ越し業者が来るという、タイトなスケジュールとなってしまっていた。
それでもなかなか決まらないと思っていた店子があっさり決まり、面倒な条件もすべて二つ返事で飲んでくれたというのだから、ありがたい限りだ。
「本当にねぇ、ありがたいわねぇ。家事全般手伝ってくれて、夕飯とお弁当も担当してくれてって。若い男性なら、そのへんはこっちに任せると思ってそうなのに」
「そんなに頼んだの?」
「ううん。私はお夕飯だけのつもりだったんだけど、夕飯もやるならお弁当も簡単だし、私たちが気にならない程度に母屋の家事も引き受けますって、向こうから言ってくれたのよ。だからつい、アレも頼めるか、コレも頼めるかって言ってるうちに……ね?」
そのアレもコレもの内容を聞いていると、その下宿人は完全に山南家のハウスキーパーと呼べる。その人失くしては家が回らなくなってしまうのではないかと言うぐらい、一切合切を任せることになりそうだった。
「いくら何でもやりすぎだよ。もう一回ちゃんと話し合わないと。私だって、男の人に洗濯してもらうのは気が引ける……何て言った?」
「つい、アレもコレも頼んでって……」
「違う、もっと前。若い……男性って言った?」
「言ったけど……あれ? 言ってなかった?」
「聞いてない」
母は確か、女性限定で募集をかけていたはずだ。女性二人が暮らす家なのだから当然そうだろうと思っていた。いったいいつの段階で、どのようにして、そんなことになってしまったのか。
「何だかすごく深刻そうな顔で、すっごく誠実に頼み込まれてねぇ。『男が同居しているとわかったら防犯にもなるし、おまけに家事全般ぜーんぶお任せしてもらって結構です』なんて言われちゃって……」
「お母さん、最後の一言で決めたんじゃないよね?」
母は、そっと顔を逸らせた。
「いいじゃないの。もう決まったんだし。というか、もう来てるだろうし。すごく良い人そうだったから、上手くやっていけるわよ」
母は、ごまかして先を歩きだした。話を無理やり終わらせたい時の母の癖だ。こうなったら、なかなか話を聞いてくれないのだ。
そうこう言っているうちに我が家も見えてきた。今更、状況を変えることはできそうにない。
「わかったけど、全部お任せってあたりは反対だからね。ちゃんと話し合おうね」
「はいはい、そうしましょ。あ、もういらしてるみたいよ」
母は我が家の門前に立つ人物に向けて、大きく手を振った。向こうも、気付いたようだ。背後には引っ越し業者のトラックが止まっている。門が開くのを待っていたようだ。
「ごめんなさい、遅くなっちゃって」
「いえ、少し早く着いてしまっただけですから」
聞こえてきた男性の声は、何だかどこかで聞いたことのある声だった。母の影になっていて見えないが、髪はぼさぼさで、服はちょっとよれよれの黒のスーツという、いかにも怪しい出で立ちだった。
(どこが『すごく良い人そう』なの……?)
藍の心の声を聞いたかのように、母が体をずらして、新しい店子という男性の姿を見せた。
「!」
藍は、驚きあまり目を剥いていた。母はそんな様子には構わず、男性を紹介した。
「藍ちゃん、こちらは『愛宕 太郎』さんよ」
「どうも、初めまして」
そう言って、深々と頭を下げたのは、知っている男性だった。
あの日、愛宕山で、崖から落ちた藍を救い、真っ黒なあやかしから守ってくれた、あの太郎坊だ。ついでに、藍のことを千年前からの許嫁だと言い放った人物その人だ。
あの日何も言わずに姿を消したから、それきりなのかと思っていた。だがまさか、こんなことになるとは……驚きと言うよりも、不覚だと藍は思った。思い返せばあの時、母が店子を募集していることを、太郎坊は知っていたのだ。
「これから一緒に」の意味をもと深読みするべきだった。藍は深く後悔したが、何もかも遅い。太郎坊……太郎は、恭しくお土産らしき紙袋を優子に差し出していた。
「これ、つまらないものですが」
「まあまあ、お気遣い頂いちゃって……あら! まぁこのお札!」
優子は袋に入っていた大きな紙のお札に目を丸くしていた。「火迺要慎」と達筆な筆で書かれたお札だ。
「嬉しいわぁ。この前大変だったから貰いそびれてたものなの。あら、でも……私が自分で貰いに行かなくてよかったのかしら?」
「僕がお店の無事を祈って貰って来た……ていうことでいいでしょ?」
「そう? じゃあありがたく頂きますね」
太郎は、母には見えないよう藍にだけ小さく笑って見せた。その笑みは、あの日のことは黙っておくようにと釘を刺されたようにも見えた。大事そうにお札をしまいこむ優子の顔を見ては、藍もモノ申すことなどできない。
そんな藍に向けて、太郎は握手を求めた。
藍は頬がひきつるのを堪えて、頑張って笑顔を作り、太郎が差し出した手を握り返した。
「よ……よろしく」
その言葉がうわべだけと分かっていても、太郎は嬉しそうに笑った。
「これからよろしくね……山南藍さん」
世間は4月を迎えていた。出会いと別れの季節であり、桜舞い散る季節であり、藍たち親子にとっては、入学の季節であった。
「藍ちゃん、こっち向いて」
母の声に応じて、藍は気恥ずかしさをこらえて前を向いた。数週間前まで着ていたものとは違う、まっさらな制服に身を包み、新たな学び舎の校門前に立つ。いつもとは違うスーツ姿の母がシャッターを切ると、すぐに後ろに並んでいた他の新入生と交代した。
「高校の制服って何だか大人ねぇ。中学の時はまだまだ可愛らしかったのに。感慨深いわぁ」
「成長したって言ってよ。中学の入学式から3年経ってるんだから」
母が大きな声でそんなことを言うものだから、藍は委縮してしまった。だが見回すと、どこの家庭も似たようなことを言っている。ほっとしたような、やはり恥ずかしいような、何だかもやもやした気持ちに駆られる。
「もういいでしょ。ほら、早く帰らないと、もう引っ越し業者さん来てるかもよ」
「あら、もうそんな時間?」
藍は名残惜しそうにする母の背中を押して、校門を後にした。
募集をかけていた離れの下宿人が早速決まり、今日、入居なのだ。急だったので日程をずらせず、藍と母が入学式から帰って来る頃に引っ越し業者が来るという、タイトなスケジュールとなってしまっていた。
それでもなかなか決まらないと思っていた店子があっさり決まり、面倒な条件もすべて二つ返事で飲んでくれたというのだから、ありがたい限りだ。
「本当にねぇ、ありがたいわねぇ。家事全般手伝ってくれて、夕飯とお弁当も担当してくれてって。若い男性なら、そのへんはこっちに任せると思ってそうなのに」
「そんなに頼んだの?」
「ううん。私はお夕飯だけのつもりだったんだけど、夕飯もやるならお弁当も簡単だし、私たちが気にならない程度に母屋の家事も引き受けますって、向こうから言ってくれたのよ。だからつい、アレも頼めるか、コレも頼めるかって言ってるうちに……ね?」
そのアレもコレもの内容を聞いていると、その下宿人は完全に山南家のハウスキーパーと呼べる。その人失くしては家が回らなくなってしまうのではないかと言うぐらい、一切合切を任せることになりそうだった。
「いくら何でもやりすぎだよ。もう一回ちゃんと話し合わないと。私だって、男の人に洗濯してもらうのは気が引ける……何て言った?」
「つい、アレもコレも頼んでって……」
「違う、もっと前。若い……男性って言った?」
「言ったけど……あれ? 言ってなかった?」
「聞いてない」
母は確か、女性限定で募集をかけていたはずだ。女性二人が暮らす家なのだから当然そうだろうと思っていた。いったいいつの段階で、どのようにして、そんなことになってしまったのか。
「何だかすごく深刻そうな顔で、すっごく誠実に頼み込まれてねぇ。『男が同居しているとわかったら防犯にもなるし、おまけに家事全般ぜーんぶお任せしてもらって結構です』なんて言われちゃって……」
「お母さん、最後の一言で決めたんじゃないよね?」
母は、そっと顔を逸らせた。
「いいじゃないの。もう決まったんだし。というか、もう来てるだろうし。すごく良い人そうだったから、上手くやっていけるわよ」
母は、ごまかして先を歩きだした。話を無理やり終わらせたい時の母の癖だ。こうなったら、なかなか話を聞いてくれないのだ。
そうこう言っているうちに我が家も見えてきた。今更、状況を変えることはできそうにない。
「わかったけど、全部お任せってあたりは反対だからね。ちゃんと話し合おうね」
「はいはい、そうしましょ。あ、もういらしてるみたいよ」
母は我が家の門前に立つ人物に向けて、大きく手を振った。向こうも、気付いたようだ。背後には引っ越し業者のトラックが止まっている。門が開くのを待っていたようだ。
「ごめんなさい、遅くなっちゃって」
「いえ、少し早く着いてしまっただけですから」
聞こえてきた男性の声は、何だかどこかで聞いたことのある声だった。母の影になっていて見えないが、髪はぼさぼさで、服はちょっとよれよれの黒のスーツという、いかにも怪しい出で立ちだった。
(どこが『すごく良い人そう』なの……?)
藍の心の声を聞いたかのように、母が体をずらして、新しい店子という男性の姿を見せた。
「!」
藍は、驚きあまり目を剥いていた。母はそんな様子には構わず、男性を紹介した。
「藍ちゃん、こちらは『愛宕 太郎』さんよ」
「どうも、初めまして」
そう言って、深々と頭を下げたのは、知っている男性だった。
あの日、愛宕山で、崖から落ちた藍を救い、真っ黒なあやかしから守ってくれた、あの太郎坊だ。ついでに、藍のことを千年前からの許嫁だと言い放った人物その人だ。
あの日何も言わずに姿を消したから、それきりなのかと思っていた。だがまさか、こんなことになるとは……驚きと言うよりも、不覚だと藍は思った。思い返せばあの時、母が店子を募集していることを、太郎坊は知っていたのだ。
「これから一緒に」の意味をもと深読みするべきだった。藍は深く後悔したが、何もかも遅い。太郎坊……太郎は、恭しくお土産らしき紙袋を優子に差し出していた。
「これ、つまらないものですが」
「まあまあ、お気遣い頂いちゃって……あら! まぁこのお札!」
優子は袋に入っていた大きな紙のお札に目を丸くしていた。「火迺要慎」と達筆な筆で書かれたお札だ。
「嬉しいわぁ。この前大変だったから貰いそびれてたものなの。あら、でも……私が自分で貰いに行かなくてよかったのかしら?」
「僕がお店の無事を祈って貰って来た……ていうことでいいでしょ?」
「そう? じゃあありがたく頂きますね」
太郎は、母には見えないよう藍にだけ小さく笑って見せた。その笑みは、あの日のことは黙っておくようにと釘を刺されたようにも見えた。大事そうにお札をしまいこむ優子の顔を見ては、藍もモノ申すことなどできない。
そんな藍に向けて、太郎は握手を求めた。
藍は頬がひきつるのを堪えて、頑張って笑顔を作り、太郎が差し出した手を握り返した。
「よ……よろしく」
その言葉がうわべだけと分かっていても、太郎は嬉しそうに笑った。
「これからよろしくね……山南藍さん」
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