268 / 387
勘違いがいっぱい
43
しおりを挟む
「もう、なんでもいいからとにかくシャワー浴びさせて。床でする趣味はないんでしょ」
「趣味はないけど悪くはないと思った」
「あんた、なに言ってんの」
律に腕を引っ張りあげられ、上半身を起こした千愛希は呆れたように目頭を押さえた。不意にチュッと唇を奪う律にポっと顔を赤らめる千愛希だが「やっぱり律変だよ。無理に押し倒したり……強制わいせつだ」と言って目を逸らした。
律は心外だとばかりに目を見開いて「無理矢理するつもりなんてなかったよ。これでも一応弁護士だし」と反発する。
「服脱がせようとしたじゃない」
「いや……だからそれは……その傷が見えたから確かめようとしただけで……決して無理矢理襲うつもりはなくて」
「傷ってこれ? 気付いてたの?」
くるっと背を向けたかと思うと膝を抱えて顔を伏せた律。その態度を見ながら千愛希は、周との仲を疑った理由に気付いた。あまりにも見当違いな誤解に、千愛希も堪らず吹き出した。
「ちょっ……嘘でしょ……おかし」
腹を抱えて笑う千愛希に、「おかしくなんかない。俺は必死でっ」と普段笑われることなどない律は、どうにもその羞恥心のやり場を見つけられなかった。
「最初に言ってくれればよかったのに。それどうしたの? って。そしたらきっとスムーズだった」
「そうだけど……」
「30代にもなってキスマークだなんて、そんな子供っぽいことさせないし」
髪をかきあげて、シャツを整える千愛希を睨むかのように目を細めた律は「俺はつけたい」と言う。
えぇ!? と顔をしかめた千愛希。連発する律らしくない発言にまた困惑した。
「そういうことしたがるなんて思ってなかった」
「だって牽制になるでしょ。ただでさえ曽根さんがまだ千愛希のことを好きだって言った時、周とのことは否定したのに曽根さんのことは否定しなかった」
少し前の千愛希なら、とっくに別れてるんだから向こうだってもうその気はないわよなんて言って笑ったはずだった。それなのに一度も否定しなかったことに納得できずにいた。
「あー……うん」
「うんってなに」
「今日、もう一度結婚考えてくれないかって言われた」
「はぁ!?」
普段冷静な律がこればかりは大声を上げた。
「趣味はないけど悪くはないと思った」
「あんた、なに言ってんの」
律に腕を引っ張りあげられ、上半身を起こした千愛希は呆れたように目頭を押さえた。不意にチュッと唇を奪う律にポっと顔を赤らめる千愛希だが「やっぱり律変だよ。無理に押し倒したり……強制わいせつだ」と言って目を逸らした。
律は心外だとばかりに目を見開いて「無理矢理するつもりなんてなかったよ。これでも一応弁護士だし」と反発する。
「服脱がせようとしたじゃない」
「いや……だからそれは……その傷が見えたから確かめようとしただけで……決して無理矢理襲うつもりはなくて」
「傷ってこれ? 気付いてたの?」
くるっと背を向けたかと思うと膝を抱えて顔を伏せた律。その態度を見ながら千愛希は、周との仲を疑った理由に気付いた。あまりにも見当違いな誤解に、千愛希も堪らず吹き出した。
「ちょっ……嘘でしょ……おかし」
腹を抱えて笑う千愛希に、「おかしくなんかない。俺は必死でっ」と普段笑われることなどない律は、どうにもその羞恥心のやり場を見つけられなかった。
「最初に言ってくれればよかったのに。それどうしたの? って。そしたらきっとスムーズだった」
「そうだけど……」
「30代にもなってキスマークだなんて、そんな子供っぽいことさせないし」
髪をかきあげて、シャツを整える千愛希を睨むかのように目を細めた律は「俺はつけたい」と言う。
えぇ!? と顔をしかめた千愛希。連発する律らしくない発言にまた困惑した。
「そういうことしたがるなんて思ってなかった」
「だって牽制になるでしょ。ただでさえ曽根さんがまだ千愛希のことを好きだって言った時、周とのことは否定したのに曽根さんのことは否定しなかった」
少し前の千愛希なら、とっくに別れてるんだから向こうだってもうその気はないわよなんて言って笑ったはずだった。それなのに一度も否定しなかったことに納得できずにいた。
「あー……うん」
「うんってなに」
「今日、もう一度結婚考えてくれないかって言われた」
「はぁ!?」
普段冷静な律がこればかりは大声を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる