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最恐の男
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「納得してくれたと思うよ。これからは上司として接するって言ってたし。これで最後だとも言ってたよ」
「……そう」
律は拍子抜けだった。あんなにも熱を孕んだ目で千愛希を見つめておきながらやけに聞き分けがいいな、と律は暫し考えた。
千愛希との想いが通じ、改めて自分の彼女となった今、律の直感は以前のように……いや、更に鋭さを増していた。
そんなわけ、ないだろ。
律は、はっと鼻で笑う。とっくに別れているのに未だに千愛希をあんな目で見つめるのは、今までずっと未練があった証拠。2年間何もできずに想い続けていたのに、こんなに急に諦めがつくはずがないと律は睨んだ。
「他に会って何か変わったことはなかった? 些細なことでもいいよ」
「変わったこと? 別に何もないけど……」
「何も? じゃあ、話だけしてあっさり帰ってきたの? 仕事帰りに?」
「ううん。たまたま事務所に行くことになって。仕事中だったんだけど応接室を借りて。その……ストッキングが破れちゃってね」
千愛希は今日あったことを話して聞かせた。律は話が進むにつれて険しい表情になっていく。
「それでそのストッキングは捨ててきたと」
「うん。そっちで処分してくれるって言うから」
「そんなに押し問答の末?」
「まぁ……」
律は男の視点から考える。女性が使用した、ましてストッキングだなんて性的なコンプライアンスが問われるリスクの高いものだ。どこでセクハラを疑われるかわからないこのご時世、男性ばかりの部署ではそんなものは置いておきたくないのが本音だろう。
女性側が自分で処理をすると言ってくれたらそんなにありがたいことはないはず。にもかかわらず頑なに置いていかせたということはそれを手に入れるのが目的であると容易にたどり着いた。
「……そう」
律は拍子抜けだった。あんなにも熱を孕んだ目で千愛希を見つめておきながらやけに聞き分けがいいな、と律は暫し考えた。
千愛希との想いが通じ、改めて自分の彼女となった今、律の直感は以前のように……いや、更に鋭さを増していた。
そんなわけ、ないだろ。
律は、はっと鼻で笑う。とっくに別れているのに未だに千愛希をあんな目で見つめるのは、今までずっと未練があった証拠。2年間何もできずに想い続けていたのに、こんなに急に諦めがつくはずがないと律は睨んだ。
「他に会って何か変わったことはなかった? 些細なことでもいいよ」
「変わったこと? 別に何もないけど……」
「何も? じゃあ、話だけしてあっさり帰ってきたの? 仕事帰りに?」
「ううん。たまたま事務所に行くことになって。仕事中だったんだけど応接室を借りて。その……ストッキングが破れちゃってね」
千愛希は今日あったことを話して聞かせた。律は話が進むにつれて険しい表情になっていく。
「それでそのストッキングは捨ててきたと」
「うん。そっちで処分してくれるって言うから」
「そんなに押し問答の末?」
「まぁ……」
律は男の視点から考える。女性が使用した、ましてストッキングだなんて性的なコンプライアンスが問われるリスクの高いものだ。どこでセクハラを疑われるかわからないこのご時世、男性ばかりの部署ではそんなものは置いておきたくないのが本音だろう。
女性側が自分で処理をすると言ってくれたらそんなにありがたいことはないはず。にもかかわらず頑なに置いていかせたということはそれを手に入れるのが目的であると容易にたどり着いた。
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