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ファンクラブ
【11】
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「やっぱり? 私もさっきから気になってたんだよね」
「このボリュームのあるホイップが魅力的だよね」
「イチゴソースっていうのもいいよ! 今日はね、チョコレートよりもイチゴソースの気分だよ」
私とあまねくんがはしゃぎながらパンケーキを指差して会話をしていると、律くんはクスクスと笑いながら「どんだけ食い意地張ってんの」と言った。
その言葉につられるようにして、千愛希さんはようやく笑ってくれた。
私がパスタを食べ終わるまで、あまねくんはパンケーキを頬張る。私が食べ終わると、一緒に1つのパンケーキをつついた。
柔らかくて甘酸っぱくて、とても美味しかった。
「美味しいー!」
「幸せー!」
私とあまねくんは、頬を緩めっぱなしでその幸せな時間に浸った。
会計の時になると、4人でレジに向かう。律くんが財布を出す中、私もいそいそとバッグの中を漁る。しかし、隣のあまねくんはスマホの画面に目を向けている。
私の視線に気付いたあまねくんは、にっこりと笑いながら「律に奢ってもらおう。会えてラッキーだったね」と言った。
「えぇ!?」
さらっとそんな事を言うものだから、驚いて後ずさりをする。
「本当、調子いいよね。いつもいつも……」
そういいながらも私達の分の会計まで一緒に表示されてしまっている。
「り、律くん、いいよ! 私達の分はちゃんと払うから」
そう私が言いいながら財布を開けると、「無職なんだから、奢られとけば? 周は奢ってもらう気満々だけど?」と言って笑われてしまった。
「う……」
無職と言われたら、何も言い返せない。
「まどかさん、お仕事辞めちゃったんですか!? 産休とかじゃなくて……」
私と律くんのやり取りを見ていた千愛希さんが、目を瞬かせて尋ねた。だいぶ私に慣れてきてくれたのか、あまり近くにはこないものの、声のトーンがいくらかまともになってきていた。
「うん。色々あってね。働いてればまだ産休入れる時期じゃないし、全くの無職なんだ。あまねくんにお世話になってるの」
「そうだったんですね。でも、元気な赤ちゃん産むためには、介護の仕事は体に負担がかかるしその方が安全ですね!」
そう言って素敵な笑顔を見せてくれた。
仕事を辞めると決めた時には本意ではなかったけれど、今となっては妊娠初期の出血のこともあり、辞めてよかったとも思っている。
「お世話になってるとか思わなくていいって言ってるのに。まどかさんとお腹の子を守るのは俺の役目なんだからね」
後ろから体温を感じて、左の肩にすっと顎を乗せられた。目線だけ動かせば、ふふっと柔らかく微笑む旦那様の姿。
私は、この人がいてくれるから、仕事を辞めて家にいても安心して暮らせるのだ。
「このボリュームのあるホイップが魅力的だよね」
「イチゴソースっていうのもいいよ! 今日はね、チョコレートよりもイチゴソースの気分だよ」
私とあまねくんがはしゃぎながらパンケーキを指差して会話をしていると、律くんはクスクスと笑いながら「どんだけ食い意地張ってんの」と言った。
その言葉につられるようにして、千愛希さんはようやく笑ってくれた。
私がパスタを食べ終わるまで、あまねくんはパンケーキを頬張る。私が食べ終わると、一緒に1つのパンケーキをつついた。
柔らかくて甘酸っぱくて、とても美味しかった。
「美味しいー!」
「幸せー!」
私とあまねくんは、頬を緩めっぱなしでその幸せな時間に浸った。
会計の時になると、4人でレジに向かう。律くんが財布を出す中、私もいそいそとバッグの中を漁る。しかし、隣のあまねくんはスマホの画面に目を向けている。
私の視線に気付いたあまねくんは、にっこりと笑いながら「律に奢ってもらおう。会えてラッキーだったね」と言った。
「えぇ!?」
さらっとそんな事を言うものだから、驚いて後ずさりをする。
「本当、調子いいよね。いつもいつも……」
そういいながらも私達の分の会計まで一緒に表示されてしまっている。
「り、律くん、いいよ! 私達の分はちゃんと払うから」
そう私が言いいながら財布を開けると、「無職なんだから、奢られとけば? 周は奢ってもらう気満々だけど?」と言って笑われてしまった。
「う……」
無職と言われたら、何も言い返せない。
「まどかさん、お仕事辞めちゃったんですか!? 産休とかじゃなくて……」
私と律くんのやり取りを見ていた千愛希さんが、目を瞬かせて尋ねた。だいぶ私に慣れてきてくれたのか、あまり近くにはこないものの、声のトーンがいくらかまともになってきていた。
「うん。色々あってね。働いてればまだ産休入れる時期じゃないし、全くの無職なんだ。あまねくんにお世話になってるの」
「そうだったんですね。でも、元気な赤ちゃん産むためには、介護の仕事は体に負担がかかるしその方が安全ですね!」
そう言って素敵な笑顔を見せてくれた。
仕事を辞めると決めた時には本意ではなかったけれど、今となっては妊娠初期の出血のこともあり、辞めてよかったとも思っている。
「お世話になってるとか思わなくていいって言ってるのに。まどかさんとお腹の子を守るのは俺の役目なんだからね」
後ろから体温を感じて、左の肩にすっと顎を乗せられた。目線だけ動かせば、ふふっと柔らかく微笑む旦那様の姿。
私は、この人がいてくれるから、仕事を辞めて家にいても安心して暮らせるのだ。
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