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ファンクラブ
【12】
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「ちゃっかり奢ってもらってる奴がよく言うよ」
律くんは目を細めてあまねくんをじっと見ている。
「律稼いでるんだからいいじゃん」
「お前ね……」
私の肩の上であまねくんはやり取りしているが、2人が話している姿は、とても仲良しの兄弟で、ついつい笑ってしまう。
普段しっかりしているところもあるあまねくんだけれど、律くんの前ではいつも甘えん坊の弟になる。律くんが手を焼くのもわかる気がするなぁと微笑ましくなった。
そんな中、千愛希さんを見れば、再び目を輝かせて「仲良しだぁ」なんて言っている。
律くんとあまねくんの兄弟愛を見て千愛希さんも穏やかな気持ちになったのかと思いきや、彼女の視線は私とあまねくんに向けられていた。
あまり人前でくっつくことはないけれど、律くんの前で気が緩んだのか、未だに私にくっついたままのあまねくん。
「いいでしょ。まどかさん、凄くいい匂いするんだよ」
そう言って私の髪に鼻を近付けるあまねくん。
「ちょっ……」
さすがに公然とスキンシップをするのは控えていただきたい。思わず首を反対側に傾けるが、腕ごと体を押さえられて身動きが取れなかった。
「……家でやんなよ」
律くんは顔をしかめて低いトーンで言う。
「じゃあ、家帰ろうか」
あまねくんにそう言われ、ランチ以外の予定は考えていなかったため、了承した。
「お家は近いの?」
千愛希さんがあまねくんに尋ねると、あまねくんはようやく体を離して「今は実家に帰ってるんですよ」と言った。
「そうなの? じゃあ、律も一緒?」
「そうです。今家を建ててるんで、それまでの期間ですけどね」
「てことは……律もまどかさんと一緒に住んでるってこと!?」
彼女の中で何かが繋がったのか、律くんの方に向き直り、口をパクパクとさせた。
「だったら何?」
「ずるい!」
「ずるいって何……」
「毎日会えるってことでしょ!?」
「いや、そうだけど俺は周や千愛希とは違うからね……」
律くんはいかにも面倒そうに体の向きを変えて、店の出口へと向かう。
店の中で騒がしくするのも迷惑だ。あまねくんと律くんを見て頬を赤らめていた店員さん達も、いささか苦笑いを浮かべている。
「ちょっと、違うってどういうこと? 律はまどかさんの魅力がわからないってことなの?」
何故かあまねくんまで律くんの後を追って問い詰める。
律くんは目を細めてあまねくんをじっと見ている。
「律稼いでるんだからいいじゃん」
「お前ね……」
私の肩の上であまねくんはやり取りしているが、2人が話している姿は、とても仲良しの兄弟で、ついつい笑ってしまう。
普段しっかりしているところもあるあまねくんだけれど、律くんの前ではいつも甘えん坊の弟になる。律くんが手を焼くのもわかる気がするなぁと微笑ましくなった。
そんな中、千愛希さんを見れば、再び目を輝かせて「仲良しだぁ」なんて言っている。
律くんとあまねくんの兄弟愛を見て千愛希さんも穏やかな気持ちになったのかと思いきや、彼女の視線は私とあまねくんに向けられていた。
あまり人前でくっつくことはないけれど、律くんの前で気が緩んだのか、未だに私にくっついたままのあまねくん。
「いいでしょ。まどかさん、凄くいい匂いするんだよ」
そう言って私の髪に鼻を近付けるあまねくん。
「ちょっ……」
さすがに公然とスキンシップをするのは控えていただきたい。思わず首を反対側に傾けるが、腕ごと体を押さえられて身動きが取れなかった。
「……家でやんなよ」
律くんは顔をしかめて低いトーンで言う。
「じゃあ、家帰ろうか」
あまねくんにそう言われ、ランチ以外の予定は考えていなかったため、了承した。
「お家は近いの?」
千愛希さんがあまねくんに尋ねると、あまねくんはようやく体を離して「今は実家に帰ってるんですよ」と言った。
「そうなの? じゃあ、律も一緒?」
「そうです。今家を建ててるんで、それまでの期間ですけどね」
「てことは……律もまどかさんと一緒に住んでるってこと!?」
彼女の中で何かが繋がったのか、律くんの方に向き直り、口をパクパクとさせた。
「だったら何?」
「ずるい!」
「ずるいって何……」
「毎日会えるってことでしょ!?」
「いや、そうだけど俺は周や千愛希とは違うからね……」
律くんはいかにも面倒そうに体の向きを変えて、店の出口へと向かう。
店の中で騒がしくするのも迷惑だ。あまねくんと律くんを見て頬を赤らめていた店員さん達も、いささか苦笑いを浮かべている。
「ちょっと、違うってどういうこと? 律はまどかさんの魅力がわからないってことなの?」
何故かあまねくんまで律くんの後を追って問い詰める。
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