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ファンクラブ
【13】
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「いや、魅力がわからないとか……そういうんじゃないけど。そもそも周の奥さんでしょ」
「そうだよ。でも、まどかさんの魅力は皆で共有してもいいと思うんだ」
「私もそう思う」
あまねくんと千愛希さんは、ふむふむと頷きながら歩みを進める。
「ね。だって、一緒に食事したり、ソファーでうたた寝してる姿が見られるですよ?」
「貴重だよね! そんな姿を見て興奮しないなんて、律もおかしいよね!」
2人並んで鼻息を荒くしている。当人は置いてきぼりだが……。
「いや、興奮してたらおかしいでしょ……」
そう言う律くんに、「興奮するのは困るけど、魅力が伝わらないっていうのは理解できないよね」とあまねくんが眉を寄せる。
「律ってちょっと変わってるところあるからね」
「あ、わかる。昔からそうなんだよ。俺のことからかって遊んだりね。すかした感じで時々馬鹿にするの」
「あー、そうそう! 私なんて、高校の時にね!」
何故か今度は律くんの悪口で盛り上がっている。2人は、律くんに関する昔話に花を咲かせながら私達の前を歩いて行く。
いつの間にか律くんと並んで歩く形になった私は、「……大変だね」と一言声をかけた。
「何か、本当にすみません……」
歩きながら、律くんは私に頭を下げてくれた。
「謝らないでよ! 全然気にしてないから。それにしても何か面白い子だね、千愛希さん」
「いや……正直あの人がまどかさんのファンだったって知らなくて……。普段はもう少しまともなんですよ」
「うん。律くんと話してる姿はそんな感じだったよ」
「……あなたって変な人に好かれますね」
そう言って律くんは顔をひきつらせている。
「1人は君の弟だよ」
「申し訳ない……。ねぇ、本当に周でよかったんですか?」
本気で心配そうな表情をするものだから、あまねくんの愛情は、やはり特殊なんだろうなと感じる。
「ああ、うん。いいの、最近はもう慣れたから」
「あれに慣れるの?」
「毎日だからね」
「……疲れません?」
「可愛かったりするのよ」
「はぁ……やっぱりあなたも変わってる」
自分が一番まともだともでも言いたげだが、あのあまねくんを上手いこと操っている律くんだって中々の変わり者だと思う。
「千愛希さんとは付き合わないの?」
「……考えたこともあったけど、今日の姿見たらちょっと考えさせてもらおうかと……」
「えー。千愛希さん、いい子そうだけどね。裏表なさそうだし」
「まあ、それは……」
「それに、多分あれは素だよ。律くんの前で素の自分を出せるんだから、心開いてくれてるんじゃないのかなぁ?」
「……そうなんですかね」
律くんは、何だか複雑そうな表情で前を歩く2人を見ている。私に対する過剰な反応は置いといて、あまねくんと楽しそうに話していても、陽菜ちゃんの時のような嫌な感じは全くしなかった。
もう少し普通に接してくれさえすれば仲良くなれそうな気がした。
「そうだよ。でも、まどかさんの魅力は皆で共有してもいいと思うんだ」
「私もそう思う」
あまねくんと千愛希さんは、ふむふむと頷きながら歩みを進める。
「ね。だって、一緒に食事したり、ソファーでうたた寝してる姿が見られるですよ?」
「貴重だよね! そんな姿を見て興奮しないなんて、律もおかしいよね!」
2人並んで鼻息を荒くしている。当人は置いてきぼりだが……。
「いや、興奮してたらおかしいでしょ……」
そう言う律くんに、「興奮するのは困るけど、魅力が伝わらないっていうのは理解できないよね」とあまねくんが眉を寄せる。
「律ってちょっと変わってるところあるからね」
「あ、わかる。昔からそうなんだよ。俺のことからかって遊んだりね。すかした感じで時々馬鹿にするの」
「あー、そうそう! 私なんて、高校の時にね!」
何故か今度は律くんの悪口で盛り上がっている。2人は、律くんに関する昔話に花を咲かせながら私達の前を歩いて行く。
いつの間にか律くんと並んで歩く形になった私は、「……大変だね」と一言声をかけた。
「何か、本当にすみません……」
歩きながら、律くんは私に頭を下げてくれた。
「謝らないでよ! 全然気にしてないから。それにしても何か面白い子だね、千愛希さん」
「いや……正直あの人がまどかさんのファンだったって知らなくて……。普段はもう少しまともなんですよ」
「うん。律くんと話してる姿はそんな感じだったよ」
「……あなたって変な人に好かれますね」
そう言って律くんは顔をひきつらせている。
「1人は君の弟だよ」
「申し訳ない……。ねぇ、本当に周でよかったんですか?」
本気で心配そうな表情をするものだから、あまねくんの愛情は、やはり特殊なんだろうなと感じる。
「ああ、うん。いいの、最近はもう慣れたから」
「あれに慣れるの?」
「毎日だからね」
「……疲れません?」
「可愛かったりするのよ」
「はぁ……やっぱりあなたも変わってる」
自分が一番まともだともでも言いたげだが、あのあまねくんを上手いこと操っている律くんだって中々の変わり者だと思う。
「千愛希さんとは付き合わないの?」
「……考えたこともあったけど、今日の姿見たらちょっと考えさせてもらおうかと……」
「えー。千愛希さん、いい子そうだけどね。裏表なさそうだし」
「まあ、それは……」
「それに、多分あれは素だよ。律くんの前で素の自分を出せるんだから、心開いてくれてるんじゃないのかなぁ?」
「……そうなんですかね」
律くんは、何だか複雑そうな表情で前を歩く2人を見ている。私に対する過剰な反応は置いといて、あまねくんと楽しそうに話していても、陽菜ちゃんの時のような嫌な感じは全くしなかった。
もう少し普通に接してくれさえすれば仲良くなれそうな気がした。
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