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ファンクラブ
【14】
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「いや、やっぱり周だけでも大変なのにあれは……」
律くんは大きく息を吐いた。
「でもあまねくんは私が引き受けたわけだからね。私ね、あまねくん程私のこと好きでいてくれる人っていないんじゃないかなって思うんだ。
確かに私自身が好きであまねくんと付き合ってるっていうのもあるんだけど、私が我が儘言ったり、嫌な思いさせたりしてもそれでも好きでいてくれるの。
比べるわけじゃないけど、臣くんは凄く意地悪なこと言ったり、突き放されることも多かったから、あまねくんの優しさが凄く嬉しいんだ」
「ふーん……普段あんなでも?」
「普段あんなだから、いざと言うとき頼りになるのかな?」
自分で言ってて笑ってしまう。だけど、雅臣から守ってくれたのも、千代さんが亡くなって辛い時に傍にいてくれたのもあまねくんだ。
今まであまねくんがいてくれなければ乗り越えられなかったことも数えきれないほどある。
「まあ……あなたがそう思えるならそうなんでしょうね」
「うん。もちろん、律くんやお義父さんにも頼っちゃってるけどね。でも、色んなあまねくんを知って、それでもやっぱり好きだなぁって思うんだ」
「そう」
「だからね、千愛希さんのことも、意外な面が見えたかもしれないけど、それを上回る程いいところがたくさん見られればそんなところも受け入れられると思うよ」
「ふーん。まどかさんは、どうしても俺と千愛希をくっつけたいんだ?」
律くんは、にやっと笑って顔を覗き込むようにして身を屈めた。
「いや、そういうわけじゃなくて……」
慌てて胸の前で両手を振る。
そういうわけじゃないけれど、少しでも好感があるのなら、それが恋愛感情に変わる日がくることだってあるかもしれないじゃん。
「何か、あまねくんが女の子と一緒にいて嫌な気がしないのって、あの子が初めてな気がして……」
「んー?」
「私ね、結構嫉妬深いんだ……。元カノのこと気にしたり、陽菜ちゃんのことも凄く嫌だったり……」
「意外……。もっとさっぱりしてるのかと思った」
「全然! 年上だからしっかりしなきゃとか思って気にならないふりしてても、何かモヤモヤしてその内あまねくんに八つ当たりしたりしてさ……。
何か、いちいちあの子誰? って聞くのも嫌な気にさせるんじゃないかって思うと聞けなくて……」
「まあ、そういうところがあったから、結城雅臣とは上下関係ができたんでしょ」
「う……。で、でもね。何か千愛希さんにはそういうのを感じないというか……あまねくんと仲良くしてても嫌な感じがしないというか。だから……私の我が儘だけど、何となーく、千愛希さんならいいかなって………」
そう言ってうつむいた私に、隣の律くんはぶはっと吹き出した。その刹那、ゲラゲラと笑っている。
「り、律くん!?」
こんなに律くんが笑うなんて珍しい。そんなに面白い事言ったつもりもないんだけどな……。
律くんは大きく息を吐いた。
「でもあまねくんは私が引き受けたわけだからね。私ね、あまねくん程私のこと好きでいてくれる人っていないんじゃないかなって思うんだ。
確かに私自身が好きであまねくんと付き合ってるっていうのもあるんだけど、私が我が儘言ったり、嫌な思いさせたりしてもそれでも好きでいてくれるの。
比べるわけじゃないけど、臣くんは凄く意地悪なこと言ったり、突き放されることも多かったから、あまねくんの優しさが凄く嬉しいんだ」
「ふーん……普段あんなでも?」
「普段あんなだから、いざと言うとき頼りになるのかな?」
自分で言ってて笑ってしまう。だけど、雅臣から守ってくれたのも、千代さんが亡くなって辛い時に傍にいてくれたのもあまねくんだ。
今まであまねくんがいてくれなければ乗り越えられなかったことも数えきれないほどある。
「まあ……あなたがそう思えるならそうなんでしょうね」
「うん。もちろん、律くんやお義父さんにも頼っちゃってるけどね。でも、色んなあまねくんを知って、それでもやっぱり好きだなぁって思うんだ」
「そう」
「だからね、千愛希さんのことも、意外な面が見えたかもしれないけど、それを上回る程いいところがたくさん見られればそんなところも受け入れられると思うよ」
「ふーん。まどかさんは、どうしても俺と千愛希をくっつけたいんだ?」
律くんは、にやっと笑って顔を覗き込むようにして身を屈めた。
「いや、そういうわけじゃなくて……」
慌てて胸の前で両手を振る。
そういうわけじゃないけれど、少しでも好感があるのなら、それが恋愛感情に変わる日がくることだってあるかもしれないじゃん。
「何か、あまねくんが女の子と一緒にいて嫌な気がしないのって、あの子が初めてな気がして……」
「んー?」
「私ね、結構嫉妬深いんだ……。元カノのこと気にしたり、陽菜ちゃんのことも凄く嫌だったり……」
「意外……。もっとさっぱりしてるのかと思った」
「全然! 年上だからしっかりしなきゃとか思って気にならないふりしてても、何かモヤモヤしてその内あまねくんに八つ当たりしたりしてさ……。
何か、いちいちあの子誰? って聞くのも嫌な気にさせるんじゃないかって思うと聞けなくて……」
「まあ、そういうところがあったから、結城雅臣とは上下関係ができたんでしょ」
「う……。で、でもね。何か千愛希さんにはそういうのを感じないというか……あまねくんと仲良くしてても嫌な感じがしないというか。だから……私の我が儘だけど、何となーく、千愛希さんならいいかなって………」
そう言ってうつむいた私に、隣の律くんはぶはっと吹き出した。その刹那、ゲラゲラと笑っている。
「り、律くん!?」
こんなに律くんが笑うなんて珍しい。そんなに面白い事言ったつもりもないんだけどな……。
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