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ファンクラブ
【16】
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ただただ2人の後をついてきたけれど、どこへ向かっているのかと思いきや、この道は守屋家への道だった。
「あまねくん、そのまま家に帰るつもりなのかね……」
「そうかも」
「千愛希さんはいいの?」
「本人が良ければ別にいいけど……」
律くんは、然程気にする様子もなく言う。ほら、やっぱり実家に招き入れても嫌じゃない存在なんだよね。
普段の律くんなら仏頂面で、他人が家に入るとか無理なんて言うだろうし。
私には、律くんが千愛希さんに対する特別な感情に気付いてないだけなんじゃないかと思えてならない。
「じゃあ、そのままついてってみる?」
「……うん」
律くんは苦笑しながらも、2人に黙ってついていくことを了承した。前の2人は未だに話が弾んでいるようで、楽しそうにしている。何だか大きな子供みたいで、後ろから見ていても笑えた。
やはり、向かった先は守屋家で、門構えの前で歩みを止めた後、ようやく千愛希さんは驚いたように硬直した。
「え? え? お、お家……」
「もう着いちゃったからね。上がってく?」
千愛希さんの横に並んで、律くんはそう言いながら、顔を覗き込む。
「い、いいの?」
「ここまで来ておいて門前払いもできないでしょ」
律くんは、柔らかく笑っている。
ああ、いいな……。律くんがあんなに自然と笑顔で接しられるなんて。
とてもいい雰囲気で、ドラマのワンシーンを見ているような気になった。
「まどかさん、どうかしたの?」
あまねくんが不思議そうに首を傾げた。
「ううん、何だかあの2人お似合いだなぁって思って」
「ああ、そうだね。律が他人の前であんなに笑うことなんてないし」
「そうだよね! 私、あの2人が付き合うならいいなぁって思うんだよね」
「うん。そしたらきっと楽しいよ」
「楽しい?」
「うん。千愛希さんとね、まどかさんのファンクラブを作ることにしたんだ」
あまねくんは、そう言って本日一の笑顔を見せた。
「は!? ファンクラブ!?」
「そう。会員No.1はもちろん俺なんだけどね」
「待って、意味わかんない」
「わかるよね? 俺が今まで集めたまどかさんの写真を使って会報を作るの。千愛希さん、もともと広告代理店にいたからパンフレット作りとか、HP作りとか得意なんだって」
「いやいや、マジなやつじゃん」
「そうだよ! でもね、誰でも入れるわけじゃなくて、俺と千愛希さんがちゃんと査定して入会できるの」
あまねくんはとてもとても楽しそうだけれど、度を超えた遊びについていけそうにはなかった。
子供の◯◯屋さんごっこじゃないんだからね!
元広告代理店のスキル使ってプライベートで何しようとしてんのよ!
「あまねくん、そのまま家に帰るつもりなのかね……」
「そうかも」
「千愛希さんはいいの?」
「本人が良ければ別にいいけど……」
律くんは、然程気にする様子もなく言う。ほら、やっぱり実家に招き入れても嫌じゃない存在なんだよね。
普段の律くんなら仏頂面で、他人が家に入るとか無理なんて言うだろうし。
私には、律くんが千愛希さんに対する特別な感情に気付いてないだけなんじゃないかと思えてならない。
「じゃあ、そのままついてってみる?」
「……うん」
律くんは苦笑しながらも、2人に黙ってついていくことを了承した。前の2人は未だに話が弾んでいるようで、楽しそうにしている。何だか大きな子供みたいで、後ろから見ていても笑えた。
やはり、向かった先は守屋家で、門構えの前で歩みを止めた後、ようやく千愛希さんは驚いたように硬直した。
「え? え? お、お家……」
「もう着いちゃったからね。上がってく?」
千愛希さんの横に並んで、律くんはそう言いながら、顔を覗き込む。
「い、いいの?」
「ここまで来ておいて門前払いもできないでしょ」
律くんは、柔らかく笑っている。
ああ、いいな……。律くんがあんなに自然と笑顔で接しられるなんて。
とてもいい雰囲気で、ドラマのワンシーンを見ているような気になった。
「まどかさん、どうかしたの?」
あまねくんが不思議そうに首を傾げた。
「ううん、何だかあの2人お似合いだなぁって思って」
「ああ、そうだね。律が他人の前であんなに笑うことなんてないし」
「そうだよね! 私、あの2人が付き合うならいいなぁって思うんだよね」
「うん。そしたらきっと楽しいよ」
「楽しい?」
「うん。千愛希さんとね、まどかさんのファンクラブを作ることにしたんだ」
あまねくんは、そう言って本日一の笑顔を見せた。
「は!? ファンクラブ!?」
「そう。会員No.1はもちろん俺なんだけどね」
「待って、意味わかんない」
「わかるよね? 俺が今まで集めたまどかさんの写真を使って会報を作るの。千愛希さん、もともと広告代理店にいたからパンフレット作りとか、HP作りとか得意なんだって」
「いやいや、マジなやつじゃん」
「そうだよ! でもね、誰でも入れるわけじゃなくて、俺と千愛希さんがちゃんと査定して入会できるの」
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