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こんにちは赤ちゃん
【11】
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「すみません……。それで、どこで飲んでくるのか、酒臭いまま帰宅することも多くなりまして……。それに対して俺が何か言うと、あんたは私が母乳あげてた間散々飲んでたでしょって癇癪起こすんです。
昔から短気は短気でしたけど……あんなふうにキーキー怒ることなんてなかった。茉紀が家を空けることが多くなって、俺は光輝を見ながら麗夢のオムツ変えたりして」
彼は、じっと自分の膝を見ながら話を続ける。
「本当情けないけど俺、オムツの変え方も沐浴の仕方も知らなかったんです。仕事から帰ってから、母のところへ迎えに行ってそれから育児してって……。もう、頭がおかしくなりそうで……。麗夢が泣いてても俺が抱っこしても泣き止まないし。
こんなに大変なこと茉紀1人に押しつけてたんだなぁって急に申し訳なくなって……。ちゃんと話し合おうと思って今までのことも謝って話をしたんですけど……。何考えてるのか、上の空なんですよね。多分、俺もこうやって茉紀の話聞いてやらなかったんだなって思ったら何も言えなくて……」
下唇を噛んで、苦痛に顔を歪めた。私は何度も茉紀に自分の恋愛を相談していたが、知らないところでこんなことになっていただなんて想像もしていなかった。
「光輝の時には育休とってなかったんで、今の俺みたいに全部やって、俺の飯まで作ってくれてて……。
もう、本当にちゃんと謝って仲直りしたいんですけど……何か、仲直りというか……もう俺にも子供達にも興味がないんじゃないかって思えてならないんです」
彼は、今にも泣き出してしまいそうだった。鼻の頭が赤いのは、寒さのせいだけではないような気がした。
「興味がないなんて……そんなことはないと思いますよ。今はきっとショックの方が大きくて、茉紀も色々考えてるんじゃないでしょうか……」
私には、そう言うだけで精一杯だった。親友であるのにも関わらず、茉紀からの相談を受けない私。茉紀の心情もわからず、なんのフォローもできない。
「そうでしょうか……。前に、茉紀が誰かと電話をしていた時、微かにスマホから相手の声が聞こえました。内容まではわからないけど、男の声でした……」
ああ、ハイジさんか。そうとしか思えなかった。茉紀がハイジさんといる時の楽しそうな表情。あれは偽りではないと思う。
ハイジさんは、他人の心を見透かしたかのように簡単に相手の感情に触れる。瞬時に悩みを察知して、そこに邪な感情があれば嫌味ともとれるような言葉を投げ付ける。しかし、反対にひどく傷付いていれば相手が求めている言葉をくれる。
心が弱っている時、ハイジさんのような人が近くにいたら頼りたくなるのは当然のこと。しかし、茉紀が独身ならそれでもいい。ハイジさんとどんな関係になろうがかまわない。
あのあまねくんが信用するくらいの人間だ。ハイジさんはいい人なのだと思う。けれど、いくら傷付いたからといって旦那さんも子供達も放ってハイジさんに頼りきってしまうというのは如何なものかとも思う。
昔から短気は短気でしたけど……あんなふうにキーキー怒ることなんてなかった。茉紀が家を空けることが多くなって、俺は光輝を見ながら麗夢のオムツ変えたりして」
彼は、じっと自分の膝を見ながら話を続ける。
「本当情けないけど俺、オムツの変え方も沐浴の仕方も知らなかったんです。仕事から帰ってから、母のところへ迎えに行ってそれから育児してって……。もう、頭がおかしくなりそうで……。麗夢が泣いてても俺が抱っこしても泣き止まないし。
こんなに大変なこと茉紀1人に押しつけてたんだなぁって急に申し訳なくなって……。ちゃんと話し合おうと思って今までのことも謝って話をしたんですけど……。何考えてるのか、上の空なんですよね。多分、俺もこうやって茉紀の話聞いてやらなかったんだなって思ったら何も言えなくて……」
下唇を噛んで、苦痛に顔を歪めた。私は何度も茉紀に自分の恋愛を相談していたが、知らないところでこんなことになっていただなんて想像もしていなかった。
「光輝の時には育休とってなかったんで、今の俺みたいに全部やって、俺の飯まで作ってくれてて……。
もう、本当にちゃんと謝って仲直りしたいんですけど……何か、仲直りというか……もう俺にも子供達にも興味がないんじゃないかって思えてならないんです」
彼は、今にも泣き出してしまいそうだった。鼻の頭が赤いのは、寒さのせいだけではないような気がした。
「興味がないなんて……そんなことはないと思いますよ。今はきっとショックの方が大きくて、茉紀も色々考えてるんじゃないでしょうか……」
私には、そう言うだけで精一杯だった。親友であるのにも関わらず、茉紀からの相談を受けない私。茉紀の心情もわからず、なんのフォローもできない。
「そうでしょうか……。前に、茉紀が誰かと電話をしていた時、微かにスマホから相手の声が聞こえました。内容まではわからないけど、男の声でした……」
ああ、ハイジさんか。そうとしか思えなかった。茉紀がハイジさんといる時の楽しそうな表情。あれは偽りではないと思う。
ハイジさんは、他人の心を見透かしたかのように簡単に相手の感情に触れる。瞬時に悩みを察知して、そこに邪な感情があれば嫌味ともとれるような言葉を投げ付ける。しかし、反対にひどく傷付いていれば相手が求めている言葉をくれる。
心が弱っている時、ハイジさんのような人が近くにいたら頼りたくなるのは当然のこと。しかし、茉紀が独身ならそれでもいい。ハイジさんとどんな関係になろうがかまわない。
あのあまねくんが信用するくらいの人間だ。ハイジさんはいい人なのだと思う。けれど、いくら傷付いたからといって旦那さんも子供達も放ってハイジさんに頼りきってしまうというのは如何なものかとも思う。
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