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こんにちは赤ちゃん
【13】
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「ここまで話を聞いておいてなんですけど、私茉紀から何の相談も受けてないんです。時々愚痴を溢すことはあったけど、何か相談をするために茉紀から連絡してくるようなこともなくて……」
「そうでしたか……」
「それに、結婚式を挙げる前に一度茉紀と喧嘩したんです。私の聞き方が悪かったのかもしれないんですけど、家の方は大丈夫なの? って……。もしかしたら、それで余計に嫌になってしまったのかもしれないです……」
私までもが茉紀を責めるような言い方をしたから悪かったのかもしれない。勝手に子供を置き去りにしてハイジさんに夢中になっているとばかり思っていた。しかし、思った通りの子育てができなくて、旦那さんに味方になってもらえず心の拠り所がなかったのかもしれない。
もしもハイジさんでなく、私がもっとしっかりしていなら、茉紀のことも支えてあげられたかもしれない。
しかし、まだ子育ての経験のない私が何とアドバイスしてあげられただろうか。ハイジさんだって未婚だし子供もいないと聞いていたけれど、それでも私よりよっぽど心に染みる言葉をあげられるんだろうなと思うと切なくなる。
私の方がいつも近くにいたのに。付き合いだって長いのに。それでもまだ出会って1年ばかりのハイジさんに頼るのかと思うと、私にも嫉妬に似た暗い気持ちが湧いてくる。
「まどかさんのせいじゃないですよ。それでも、茉紀が帰ってこないなんて日がないことがまだ救いです。ここのところはそのイラストを描いていたみたいで家にもいてくれましたし……」
「でも今日は……」
「何時に戻るかはわかりません。光輝もママは? って聞くんです。麗夢だけ連れてったって光輝に知られれば、光輝のことも傷付けるんで、麗夢は実家で留守番していることになってます」
「そう……ですか」
「……そろそろ暗くなって来たので帰りましょう。まどかさんも妊娠中でしたよね? すみません、こんな寒い中で長話をしてしまって……」
彼はそう言うと、その場に立ち上がった。首に巻いていたマフラーを口元まで引き上げた。
「い、いえ。厚着をしてきたので大丈夫です。安定期にも入りましたから。今からはお家に?」
「ええ。とりあえず一回家に戻って茉紀に連絡してみます」
「そうですか……。お役に立てずにすみません……」
「とんでもない! 俺の方こそ話を聞いてもらってすみませんでした。こんなこと、誰にも言えないので……」
「そうですよね……。私もまた落ち着いたころに茉紀に連絡してみます」
「はい。少し気の強い奴ですけど、今後も仲良くしてやって下さい」
そう言って彼はぎこちなく笑顔を作った。そのまま砂場に向かって光輝に声をかけ、一緒に帰っていった。
「そうでしたか……」
「それに、結婚式を挙げる前に一度茉紀と喧嘩したんです。私の聞き方が悪かったのかもしれないんですけど、家の方は大丈夫なの? って……。もしかしたら、それで余計に嫌になってしまったのかもしれないです……」
私までもが茉紀を責めるような言い方をしたから悪かったのかもしれない。勝手に子供を置き去りにしてハイジさんに夢中になっているとばかり思っていた。しかし、思った通りの子育てができなくて、旦那さんに味方になってもらえず心の拠り所がなかったのかもしれない。
もしもハイジさんでなく、私がもっとしっかりしていなら、茉紀のことも支えてあげられたかもしれない。
しかし、まだ子育ての経験のない私が何とアドバイスしてあげられただろうか。ハイジさんだって未婚だし子供もいないと聞いていたけれど、それでも私よりよっぽど心に染みる言葉をあげられるんだろうなと思うと切なくなる。
私の方がいつも近くにいたのに。付き合いだって長いのに。それでもまだ出会って1年ばかりのハイジさんに頼るのかと思うと、私にも嫉妬に似た暗い気持ちが湧いてくる。
「まどかさんのせいじゃないですよ。それでも、茉紀が帰ってこないなんて日がないことがまだ救いです。ここのところはそのイラストを描いていたみたいで家にもいてくれましたし……」
「でも今日は……」
「何時に戻るかはわかりません。光輝もママは? って聞くんです。麗夢だけ連れてったって光輝に知られれば、光輝のことも傷付けるんで、麗夢は実家で留守番していることになってます」
「そう……ですか」
「……そろそろ暗くなって来たので帰りましょう。まどかさんも妊娠中でしたよね? すみません、こんな寒い中で長話をしてしまって……」
彼はそう言うと、その場に立ち上がった。首に巻いていたマフラーを口元まで引き上げた。
「い、いえ。厚着をしてきたので大丈夫です。安定期にも入りましたから。今からはお家に?」
「ええ。とりあえず一回家に戻って茉紀に連絡してみます」
「そうですか……。お役に立てずにすみません……」
「とんでもない! 俺の方こそ話を聞いてもらってすみませんでした。こんなこと、誰にも言えないので……」
「そうですよね……。私もまた落ち着いたころに茉紀に連絡してみます」
「はい。少し気の強い奴ですけど、今後も仲良くしてやって下さい」
そう言って彼はぎこちなく笑顔を作った。そのまま砂場に向かって光輝に声をかけ、一緒に帰っていった。
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