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こんにちは赤ちゃん
【24】
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「まどかちゃん、ソースないの? 俺、ケチャップじゃなくてソース派」
ハイジさんがそんなことを言うから、せっかく席についたのにソースを取りに行くはめになった。
食事中はハイジさんとのやり取りをあまねくんに聞かせた。茉紀の現状を知ってあまねくんもショックだったのか、浮かない顔をしていた。
「まどかさんが悲しくなるなら、何でも協力するから言ってね」
「結局、あまねくんの中での最優先はまどかちゃんなんだね」
「そりゃそうでしょ。その話を聞いて、俺はまどかさんのために家事も育児もしっかりやろうって思ったよ!」
拳を作って気合いを入れているあまねくん。ふと、彼が食べているオムレツに目がいく。
あのお皿は確かハイジさん用に用意したはず……。
「えっ?」
割れた卵を使って作ったオムレツ。なぜかあまねくんが食べている。
思わず小さく声が漏れ、じっとハイジさんに視線を移す。
「まどかちゃん、夕食までありがとうね。まさか料理上手だったとは」
絶対に私の視線に気付いているはずなのに、目を合わせずにそんなことを言う。
「そうでしょ! まどかさんのご飯全部美味しいんだよ! 本当はハイジさんにも食べさせたくないんだからね」
「馬鹿言うなよ。俺がここまで運んであげたから今日あまねくんご飯食べられるんだよ」
そんなことまで言っている。
「それは、ハイジさんがまどかさんに酷いことしたからでしょ」
「そうだよ。ハイジさんてば酷いことばっかり言うから、私スーパーの前で泣かされたんだから」
無視するハイジさんが悪いと思うの。割れた卵のオムレツをすり替えるなんてやり方が汚いしね。
「は!? 泣かされたってなに? ハイジさん、まどかさんのこと泣かしたの?」
「ちょっ、待て。ちょっとまどかちゃん! そういうのどうかと思うよ!」
腕を掴まれてぎゃんぎゃん言っているあまねくんの肩を押し返しながら、ようやく視線をこちらに向けた。
取っ組み合ってじゃれる姿はまるで子供同士で、こんな2人がいつも一緒にいたら大変だろうなと思わず笑った。
食事を終えたハイジさんは、店に戻ると言ってすぐに家を出ていった。
その際「あまねくん、心は繊細だけど体は丈夫だからお腹壊さないと思うよ」そう言い残していった。
私は結局また先手をとられたと、きーっと地団駄する。
「まどかさん、ハイジさん苦手だっけ?」
「あんまし得意じゃないよ」
「俺はけっこう好きだけどなぁ」
「知ってるよ。あまねくんが好きになれる人、あんまいないからよかったね」
ダイニングに戻って片付けをしながらそういうと「何でそう思うの?」と彼は笑っている。
「だって、俺あの人嫌いっていう人多いじゃん」
「あーうん。そうだね。まどかさんのこといやらしい目で見てる男は皆嫌いだよ。お風呂入るねー」
さらっとそんなことを言いながら上機嫌で脱衣場に向かっていた。
それってつまり、ハイジさんは私のことを女としてみない確信があるということだ。
異性としてうんぬん以前に、性別女性としても扱われていない気がする。
完全に扱い方があまねくんと同じような気がして、それはそれで沸々と込み上げる劣等感。
昔はこれでもモテたんだからね!
心の中でそう叫びながら、片付けに専念するのだった。
ハイジさんがそんなことを言うから、せっかく席についたのにソースを取りに行くはめになった。
食事中はハイジさんとのやり取りをあまねくんに聞かせた。茉紀の現状を知ってあまねくんもショックだったのか、浮かない顔をしていた。
「まどかさんが悲しくなるなら、何でも協力するから言ってね」
「結局、あまねくんの中での最優先はまどかちゃんなんだね」
「そりゃそうでしょ。その話を聞いて、俺はまどかさんのために家事も育児もしっかりやろうって思ったよ!」
拳を作って気合いを入れているあまねくん。ふと、彼が食べているオムレツに目がいく。
あのお皿は確かハイジさん用に用意したはず……。
「えっ?」
割れた卵を使って作ったオムレツ。なぜかあまねくんが食べている。
思わず小さく声が漏れ、じっとハイジさんに視線を移す。
「まどかちゃん、夕食までありがとうね。まさか料理上手だったとは」
絶対に私の視線に気付いているはずなのに、目を合わせずにそんなことを言う。
「そうでしょ! まどかさんのご飯全部美味しいんだよ! 本当はハイジさんにも食べさせたくないんだからね」
「馬鹿言うなよ。俺がここまで運んであげたから今日あまねくんご飯食べられるんだよ」
そんなことまで言っている。
「それは、ハイジさんがまどかさんに酷いことしたからでしょ」
「そうだよ。ハイジさんてば酷いことばっかり言うから、私スーパーの前で泣かされたんだから」
無視するハイジさんが悪いと思うの。割れた卵のオムレツをすり替えるなんてやり方が汚いしね。
「は!? 泣かされたってなに? ハイジさん、まどかさんのこと泣かしたの?」
「ちょっ、待て。ちょっとまどかちゃん! そういうのどうかと思うよ!」
腕を掴まれてぎゃんぎゃん言っているあまねくんの肩を押し返しながら、ようやく視線をこちらに向けた。
取っ組み合ってじゃれる姿はまるで子供同士で、こんな2人がいつも一緒にいたら大変だろうなと思わず笑った。
食事を終えたハイジさんは、店に戻ると言ってすぐに家を出ていった。
その際「あまねくん、心は繊細だけど体は丈夫だからお腹壊さないと思うよ」そう言い残していった。
私は結局また先手をとられたと、きーっと地団駄する。
「まどかさん、ハイジさん苦手だっけ?」
「あんまし得意じゃないよ」
「俺はけっこう好きだけどなぁ」
「知ってるよ。あまねくんが好きになれる人、あんまいないからよかったね」
ダイニングに戻って片付けをしながらそういうと「何でそう思うの?」と彼は笑っている。
「だって、俺あの人嫌いっていう人多いじゃん」
「あーうん。そうだね。まどかさんのこといやらしい目で見てる男は皆嫌いだよ。お風呂入るねー」
さらっとそんなことを言いながら上機嫌で脱衣場に向かっていた。
それってつまり、ハイジさんは私のことを女としてみない確信があるということだ。
異性としてうんぬん以前に、性別女性としても扱われていない気がする。
完全に扱い方があまねくんと同じような気がして、それはそれで沸々と込み上げる劣等感。
昔はこれでもモテたんだからね!
心の中でそう叫びながら、片付けに専念するのだった。
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