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効果覿面
【13】
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「皆にお年玉をあげなきゃいけないと思ってね」
そう言って取り出したポチ袋。おばあちゃん、私達皆もう大人です。
「これはあっくんね」
そう言ってあまねくんに渡している。
「ばあちゃん、年金暮らしなんだからこういうのもういいんだって」
眠そうにしながらあまねくんは言うが、「いいんだよ。あっくんはいつまでも子供なんだから」と言われてしまい、不服そうにポチ袋を眺めている。
その様子に私とダリアさんは思わず吹き出した。
リビングからカウンターキッチンへと向けられる痛い視線を逸らし、私とダリアさんは笑いを堪えながら盛り付けを続けた。
「りっちゃんはまだ寝てるね。かなちゃんもこんなところで寝ちゃって。まあまあ、風邪をひくよ」
「ばあちゃん、それ奏じゃないよ」
「あら? そう? 綺麗な子だけどね。じゃあ、まどかちゃんかね」
「まどかちゃんはあっち」
そう指を差した先を目指してこちらにやってくるおばあちゃん。やり取りが可愛くてほっこりする。
「まどかちゃん、明けましておめでとう」
「おめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね」
「はい。お願いします。今年もりっちゃんをよろしくね」
そう言って渡されたポチ袋。
「ばあちゃん! まどかさんは俺の奥さんなの! 律のじゃないよ!」
遠くから悲痛の叫びが聞こえる。
「あらあら。まどかちゃん、りっちゃんのお嫁さんじゃないの?」
「違うんです。あまねくんと結婚したんですよ」
「そうだったかね。どっちでもいいね。お嫁さんに変わりないもんね」
突っ込みどころ満載のおばあちゃんの発言に、私とダリアさんはまた笑うはめになる。
「どっちでもよくない! 大問題だよ!」
完全に覚醒したあまねくんが、納得がいかないとばかりにおばあちゃんに駆け寄る。
おばあちゃんの視線があまねくんに向いた隙に、私はダリアさんにポチ袋を渡し「あとでこっそり返しておいてもらえますか?」と言った。
「もらっておいてもいいのよ? おばあちゃんの好意だし」
「そういうわけにはいきませんよ。この子が生まれた時には、ありがたくいただきます」
「そう? じゃあ、来年が楽しみね」
そう言って笑いながらダリアさんはそれを受け取った。中にいくら入っているかは知らないが、年金暮らしの高齢者からとてもお年玉なんていただけない。
そんな中、あまねくんの叫び声に反応した律くんと千愛希さんがむっくりと体を起こした。
「……何事?」
「……うるさ」
寝ぼけてキョロキョロと顔を左右に振っている千愛希さんに、不機嫌全開で前髪をかきあげ顔をしかめている律くん。
「はいはい、りっちゃんとかなちゃんにもお年玉をあげようね」
おばあちゃんは嬉しそうにそう言いながら2人に近付いて言った。
「ばあちゃん、それ奏じゃないってば」
既にポチ袋を渡しているおばあちゃんの後追うあまねくん。やはり守屋家は平和である。
そう言って取り出したポチ袋。おばあちゃん、私達皆もう大人です。
「これはあっくんね」
そう言ってあまねくんに渡している。
「ばあちゃん、年金暮らしなんだからこういうのもういいんだって」
眠そうにしながらあまねくんは言うが、「いいんだよ。あっくんはいつまでも子供なんだから」と言われてしまい、不服そうにポチ袋を眺めている。
その様子に私とダリアさんは思わず吹き出した。
リビングからカウンターキッチンへと向けられる痛い視線を逸らし、私とダリアさんは笑いを堪えながら盛り付けを続けた。
「りっちゃんはまだ寝てるね。かなちゃんもこんなところで寝ちゃって。まあまあ、風邪をひくよ」
「ばあちゃん、それ奏じゃないよ」
「あら? そう? 綺麗な子だけどね。じゃあ、まどかちゃんかね」
「まどかちゃんはあっち」
そう指を差した先を目指してこちらにやってくるおばあちゃん。やり取りが可愛くてほっこりする。
「まどかちゃん、明けましておめでとう」
「おめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね」
「はい。お願いします。今年もりっちゃんをよろしくね」
そう言って渡されたポチ袋。
「ばあちゃん! まどかさんは俺の奥さんなの! 律のじゃないよ!」
遠くから悲痛の叫びが聞こえる。
「あらあら。まどかちゃん、りっちゃんのお嫁さんじゃないの?」
「違うんです。あまねくんと結婚したんですよ」
「そうだったかね。どっちでもいいね。お嫁さんに変わりないもんね」
突っ込みどころ満載のおばあちゃんの発言に、私とダリアさんはまた笑うはめになる。
「どっちでもよくない! 大問題だよ!」
完全に覚醒したあまねくんが、納得がいかないとばかりにおばあちゃんに駆け寄る。
おばあちゃんの視線があまねくんに向いた隙に、私はダリアさんにポチ袋を渡し「あとでこっそり返しておいてもらえますか?」と言った。
「もらっておいてもいいのよ? おばあちゃんの好意だし」
「そういうわけにはいきませんよ。この子が生まれた時には、ありがたくいただきます」
「そう? じゃあ、来年が楽しみね」
そう言って笑いながらダリアさんはそれを受け取った。中にいくら入っているかは知らないが、年金暮らしの高齢者からとてもお年玉なんていただけない。
そんな中、あまねくんの叫び声に反応した律くんと千愛希さんがむっくりと体を起こした。
「……何事?」
「……うるさ」
寝ぼけてキョロキョロと顔を左右に振っている千愛希さんに、不機嫌全開で前髪をかきあげ顔をしかめている律くん。
「はいはい、りっちゃんとかなちゃんにもお年玉をあげようね」
おばあちゃんは嬉しそうにそう言いながら2人に近付いて言った。
「ばあちゃん、それ奏じゃないってば」
既にポチ袋を渡しているおばあちゃんの後追うあまねくん。やはり守屋家は平和である。
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