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効果覿面
【14】
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昼食を済ませてから私とあまねくんは神社へ向かった。元旦で賑わっているだろうから、時間をずらして初詣に行こうということになった。
「ゆっくり歩いていこうか」
「寒くない? 大丈夫?」
「寒いけど大丈夫。お腹巻いてきたから」
腹巻きで防寒した私はマフラーで鼻まで覆い、準備万端である。一歩外に出れば例年より暖かい気がした。
「昔は1月ってもっと寒かったよね?」
私がそう言うと、隣を並んで歩くあまねくんが私の手を取り「子供の頃とか霜はってたじゃん。今もうそういうの見ないよね」と言った。
「温暖化って凄くない? 雪が降らないのはいつものことだけどさ、もはや水溜まりも凍らない世の中ですよ」
「全くですね。寒がりのまどかさんには丁度いいですね」
「おかげで夏は死ぬ程暑いですけどね」
「他県では40度を超えるところもあるみたいですよ。去年のアスレチックを思い出しますね」
いつの間にか敬語で会話をしていた私達は、去年のアスレチックを思い出し、同時に「殺人未遂も……」と声を揃えて言った。
「臣くんどうしてるかな」
「何、心配でもしてるの?」
「そりゃ心配だよ。この子生まれてから裁判なんて大変じゃん。やるなら早くしてほしいなぁ」
「ああ、そっちの心配ね……。今リハビリ中なんでしょ? 言ってもまだ半年だもんね。どのくらい回復するか知らないけど、走って追いかけてこないだけマシか」
「うん。ねぇ、詐欺の方ってどうなったか知ってる?」
「え? 律から聞いてない? 結局あの飯田だっけ? 飯島だっけ? あの人の単独だったことがわかってあの男が逮捕されたんだよ」
あまねくんは、知らなかったの? と目を大きくさせてこちらを向く。
昔に比べて元旦でも仕事をしている人が増えたにも関わらず、人通りは多い。ぶつからないよう、あまねくんとの距離をなるべく縮めて歩く。
「知らない。ずっと裁判進まないなぁって思ってたんだ。じゃあ、臣くん悪くなかったってこと?」
「元々結城さんは本当に真面目に事業をして人生立て直すつもりだったらしいね。でも、あの後輩があの人のことを慕ってて、早く結果を出して結城さんの収入を上げたいって思ったみたいよ」
「……何か、あの人も異常な人に好かれるんだね」
「結城さん自体が異常者だからね。でもまあ、経営者は結城さんだから少なくとも何らかの罪には問われるんじゃないの?」
「そう。じゃあ、後は私との裁判か」
「うん。早く解決して欲しいね。もうさすがに刺しにくるなんてことはないと思うけどさ」
あまねくんの言葉に私は深く頷いた。
せっかくの正月だというのに、嫌なことを思い出してしまったと気が滅入った。
「ゆっくり歩いていこうか」
「寒くない? 大丈夫?」
「寒いけど大丈夫。お腹巻いてきたから」
腹巻きで防寒した私はマフラーで鼻まで覆い、準備万端である。一歩外に出れば例年より暖かい気がした。
「昔は1月ってもっと寒かったよね?」
私がそう言うと、隣を並んで歩くあまねくんが私の手を取り「子供の頃とか霜はってたじゃん。今もうそういうの見ないよね」と言った。
「温暖化って凄くない? 雪が降らないのはいつものことだけどさ、もはや水溜まりも凍らない世の中ですよ」
「全くですね。寒がりのまどかさんには丁度いいですね」
「おかげで夏は死ぬ程暑いですけどね」
「他県では40度を超えるところもあるみたいですよ。去年のアスレチックを思い出しますね」
いつの間にか敬語で会話をしていた私達は、去年のアスレチックを思い出し、同時に「殺人未遂も……」と声を揃えて言った。
「臣くんどうしてるかな」
「何、心配でもしてるの?」
「そりゃ心配だよ。この子生まれてから裁判なんて大変じゃん。やるなら早くしてほしいなぁ」
「ああ、そっちの心配ね……。今リハビリ中なんでしょ? 言ってもまだ半年だもんね。どのくらい回復するか知らないけど、走って追いかけてこないだけマシか」
「うん。ねぇ、詐欺の方ってどうなったか知ってる?」
「え? 律から聞いてない? 結局あの飯田だっけ? 飯島だっけ? あの人の単独だったことがわかってあの男が逮捕されたんだよ」
あまねくんは、知らなかったの? と目を大きくさせてこちらを向く。
昔に比べて元旦でも仕事をしている人が増えたにも関わらず、人通りは多い。ぶつからないよう、あまねくんとの距離をなるべく縮めて歩く。
「知らない。ずっと裁判進まないなぁって思ってたんだ。じゃあ、臣くん悪くなかったってこと?」
「元々結城さんは本当に真面目に事業をして人生立て直すつもりだったらしいね。でも、あの後輩があの人のことを慕ってて、早く結果を出して結城さんの収入を上げたいって思ったみたいよ」
「……何か、あの人も異常な人に好かれるんだね」
「結城さん自体が異常者だからね。でもまあ、経営者は結城さんだから少なくとも何らかの罪には問われるんじゃないの?」
「そう。じゃあ、後は私との裁判か」
「うん。早く解決して欲しいね。もうさすがに刺しにくるなんてことはないと思うけどさ」
あまねくんの言葉に私は深く頷いた。
せっかくの正月だというのに、嫌なことを思い出してしまったと気が滅入った。
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