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風雲児
【3】
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「誰にでも優しいからすっごいモテるけどね。彼女いないって噂だけど、あんなに可愛い子達と毎日一緒にいても恋愛に発展しないもんなのかね」
「さ、さあ……。芸能界のことはもうよくわからないし。義妹をお願いしますって言っておいてよ。食事は行かないけど」
「行かないの? 色んな芸能人くるよ?」
「い、いい! 私、あんまり芸能人興味ないから」
「へぇ……まどかちゃん、そういうところ変わってるよね。周りは皆、誰々さん紹介してー! ってきゃっきゃしてるよ」
「あのねぇ……私一応新婚だし。子供もいるし」
「別に男だって言ってないじゃん。中には憧れの女優さんに会いたいっていう女の子もいるし。私だって会えることなら、遠野《とおの》芽郁《めい》に会ってみたいよ!」
そう言って奏ちゃんは目を輝かせている。遠野芽郁は、世界的にも有名な日本人のスーパーモデルだ。現在40歳程になるが、日本人モデルなら誰もが憧れを抱く女性。
パリのコレクションに出場したばかりの奏ちゃんにとっては、そこを目指したい人物でもあるのだろう。
「まあ、奏ちゃんみたいに夢がある子はね。私はいいの。その辺の俳優さんよりもあまねくんの方が格好いいし」
「……それ、本人に言ったら泣いて喜ぶよ」
「想像つくから言ってあげない」
私がそう言えば、同時に声をあげて笑った。
「とにかく、私のことは何か言われても流しておいて。もう過去の人だから関わりたくないの。あまねくんも他の男の子が関わると不機嫌になっちゃうからさ」
「あー……。察するわ。わかった。それとなく断っておく」
「でも嫌がらせされるようなことがあれば言ってよ!? 私が怒鳴り込んでやるから!」
「何であんたがそんなにムキになんのよ」
奏ちゃんはそう言って笑うが、本当に大丈夫だろうか。私とあまねくんが既に接触していることは伏せておこうと思った。伊織くんも、自分に非がある限り、あの夜のことは自ら言わないだろう。
別ルートを使ってまたも接触を試みる伊織くんにただならぬ執着心を感じるのだった。
「さ、さあ……。芸能界のことはもうよくわからないし。義妹をお願いしますって言っておいてよ。食事は行かないけど」
「行かないの? 色んな芸能人くるよ?」
「い、いい! 私、あんまり芸能人興味ないから」
「へぇ……まどかちゃん、そういうところ変わってるよね。周りは皆、誰々さん紹介してー! ってきゃっきゃしてるよ」
「あのねぇ……私一応新婚だし。子供もいるし」
「別に男だって言ってないじゃん。中には憧れの女優さんに会いたいっていう女の子もいるし。私だって会えることなら、遠野《とおの》芽郁《めい》に会ってみたいよ!」
そう言って奏ちゃんは目を輝かせている。遠野芽郁は、世界的にも有名な日本人のスーパーモデルだ。現在40歳程になるが、日本人モデルなら誰もが憧れを抱く女性。
パリのコレクションに出場したばかりの奏ちゃんにとっては、そこを目指したい人物でもあるのだろう。
「まあ、奏ちゃんみたいに夢がある子はね。私はいいの。その辺の俳優さんよりもあまねくんの方が格好いいし」
「……それ、本人に言ったら泣いて喜ぶよ」
「想像つくから言ってあげない」
私がそう言えば、同時に声をあげて笑った。
「とにかく、私のことは何か言われても流しておいて。もう過去の人だから関わりたくないの。あまねくんも他の男の子が関わると不機嫌になっちゃうからさ」
「あー……。察するわ。わかった。それとなく断っておく」
「でも嫌がらせされるようなことがあれば言ってよ!? 私が怒鳴り込んでやるから!」
「何であんたがそんなにムキになんのよ」
奏ちゃんはそう言って笑うが、本当に大丈夫だろうか。私とあまねくんが既に接触していることは伏せておこうと思った。伊織くんも、自分に非がある限り、あの夜のことは自ら言わないだろう。
別ルートを使ってまたも接触を試みる伊織くんにただならぬ執着心を感じるのだった。
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