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再会
【18】
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「まどか! 大丈夫?」
私の姿に気付いた姉がこちらに駆け寄ってくる。
「ちょ、妊婦なんだから走らないでよ」
「少しくらい大丈夫よ。それより、顔……」
「うん、これはちゃんと傷害で通るって言ってくれた」
「そう……」
姉は数回頷くと、顔を上げて視線をあまねくんに移した。
姉の視線に気付いた彼は、姿勢を正して「初めまして。まどかさんとお付き合いさせていただいています、守屋」そこまで言うと、姉が「あなたがあまねくんね」と言葉を遮った。
「……はい」
「まどかを助けてくれてありがとうね」
「いえ、僕も彼とは関わっていたので……」
あまねくんが一人称を僕にしているところを初めて聞いた。姉の前で緊張しているのか、不安気ながらも真剣な表情を浮かべている彼が可愛かった。
私も初めて守屋家に行った時にはこんな様子だったのかな。
「脱税の時の話もまどかから聞いてる。あなたは怪我ないの?」
「大丈夫です。でも、駆け付けるのが遅くなって、まどかさんが怪我をしてしまい申し訳ないです」
「詳しいことはちゃんと家で聞くから。父も母も心配してるの。もともと予定していた時間は過ぎてるけど、そのまま家に来てくれる?」
「あ……はい」
当然こんな展開になると予想はしていたものの、心のどこかで今日は解散しようという選択も過っていた。それはあまねくんも同じだったようで、心なしか少し顔が強ばる。
同棲に結婚の話をしようとしていただけでも緊張するのに、こんな騒動が起こり、私が殴られたとあれば、彼が緊張感を増大させるのも納得できる。
車の中に菅沼さんも待機しているということで、別々に私の実家へと向かった。
玄関まで行くと、音に気付いた母がパタパタとスリッパの音を響かせて駆けてくる。
「まどか! 警察署に行ったって……大丈夫なの? なぁに、顔まで腫れ上がっちゃって」
そう言って母は顔を歪めた。殴られた直後は、手の痕が残り、口の端に血が滲んでいただけだったが、時間が経つにつれて頬を動かしにくい程に腫れてきているのはわかっていた。
けれど、ここまで母が驚くのだから、相当膨れているのだろうと、熱を帯びた部分を擦って思う。
母も養護教諭だ。怪我をした生徒を何人も見てきたことだろう。それでもこんなに慌てるのは、私が実の娘だからだ。
玄関先で、あまねくんから母に挨拶を済ます。
「久しぶりね。……ごめんなさいね、せっかくの顔合わせの日にこんなことになっちゃって」
「いえ、こちらこそまどかさんに怪我をさせてしまい申し訳ないです」
頭を下げるあまねくんに、母は慌てて顔を上げるように言った。
「とにかく上がって。お腹空いたでしょう」
母に促される形で私達は、居間に通された。
洋風でオシャレなあまねくんの実家とはかけ離れている、和風の一軒家である我が家。
築15年で、今時珍しい畳の部屋がいくつもある。
長テーブルには、ちらし寿司やもつ煮、ぶりの照り焼きなど、和室に相応しい和食が並んでいる。
どっと疲れた体には、嬉しいメニューだけれども、険しい表情の父を見て、食欲が薄れていくのを感じた。
私の姿に気付いた姉がこちらに駆け寄ってくる。
「ちょ、妊婦なんだから走らないでよ」
「少しくらい大丈夫よ。それより、顔……」
「うん、これはちゃんと傷害で通るって言ってくれた」
「そう……」
姉は数回頷くと、顔を上げて視線をあまねくんに移した。
姉の視線に気付いた彼は、姿勢を正して「初めまして。まどかさんとお付き合いさせていただいています、守屋」そこまで言うと、姉が「あなたがあまねくんね」と言葉を遮った。
「……はい」
「まどかを助けてくれてありがとうね」
「いえ、僕も彼とは関わっていたので……」
あまねくんが一人称を僕にしているところを初めて聞いた。姉の前で緊張しているのか、不安気ながらも真剣な表情を浮かべている彼が可愛かった。
私も初めて守屋家に行った時にはこんな様子だったのかな。
「脱税の時の話もまどかから聞いてる。あなたは怪我ないの?」
「大丈夫です。でも、駆け付けるのが遅くなって、まどかさんが怪我をしてしまい申し訳ないです」
「詳しいことはちゃんと家で聞くから。父も母も心配してるの。もともと予定していた時間は過ぎてるけど、そのまま家に来てくれる?」
「あ……はい」
当然こんな展開になると予想はしていたものの、心のどこかで今日は解散しようという選択も過っていた。それはあまねくんも同じだったようで、心なしか少し顔が強ばる。
同棲に結婚の話をしようとしていただけでも緊張するのに、こんな騒動が起こり、私が殴られたとあれば、彼が緊張感を増大させるのも納得できる。
車の中に菅沼さんも待機しているということで、別々に私の実家へと向かった。
玄関まで行くと、音に気付いた母がパタパタとスリッパの音を響かせて駆けてくる。
「まどか! 警察署に行ったって……大丈夫なの? なぁに、顔まで腫れ上がっちゃって」
そう言って母は顔を歪めた。殴られた直後は、手の痕が残り、口の端に血が滲んでいただけだったが、時間が経つにつれて頬を動かしにくい程に腫れてきているのはわかっていた。
けれど、ここまで母が驚くのだから、相当膨れているのだろうと、熱を帯びた部分を擦って思う。
母も養護教諭だ。怪我をした生徒を何人も見てきたことだろう。それでもこんなに慌てるのは、私が実の娘だからだ。
玄関先で、あまねくんから母に挨拶を済ます。
「久しぶりね。……ごめんなさいね、せっかくの顔合わせの日にこんなことになっちゃって」
「いえ、こちらこそまどかさんに怪我をさせてしまい申し訳ないです」
頭を下げるあまねくんに、母は慌てて顔を上げるように言った。
「とにかく上がって。お腹空いたでしょう」
母に促される形で私達は、居間に通された。
洋風でオシャレなあまねくんの実家とはかけ離れている、和風の一軒家である我が家。
築15年で、今時珍しい畳の部屋がいくつもある。
長テーブルには、ちらし寿司やもつ煮、ぶりの照り焼きなど、和室に相応しい和食が並んでいる。
どっと疲れた体には、嬉しいメニューだけれども、険しい表情の父を見て、食欲が薄れていくのを感じた。
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